第21話 年末に向けて

あれから、幸恵をもっと、身近に感じるようになった。


好きとも、愛してるとも、

もっと何か、大切な存在


充実した毎日を、過ごせるのも

彼女がいるからだと、

本当に、そう思う。


いつも、通り、現場の進捗を

確認して、人員の配置を、

考える。人が、足りない分は、

直接、自分で、施工する。

そんな、繰り返しの毎日。


その繰り返しの毎日に、

幸恵がいる。。



終わりにするよー。作業員さん

に、声を掛けながら、進捗を

見て歩く。。


ん。ご飯の匂い。。

自宅に着くと、幸恵が、家に来ていた。


おかえりー。


ただいま。

嬉しいけどさ、あれ、

今日は、来て大丈夫なの?


最近は、彼女が、家のご飯の

支度をしてると、聞いていたからだ。


うん。お母さんがさ。知ってるって言うかさ。ほら。指輪。

してるじゃん。。

照れながらそう言った。


あ。うん。そっか。

俺もなんか、照れた。


お母さんがね。誠に、さ。

会って見たいって。


いつ会いにいったらいい?

即答で、答えた。


え。いいの。


いや、逆にまずいだろ。

指輪送った男が、お母さんの、

知らない人じゃ。

俺は。何時でも心の準備、

出来てるよ。


只。会うんなら、けじめって言うか、床屋行ってからでいい?


何で?


挨拶する前にさ。この髪。

切ろうと思って。


え、何で。私、好きだよ。

似合ってるし。


いやぁ。心象悪くないか?


大丈夫。お母さんに、言って

あるから。ロン毛だって。


え。なんか、言ってた?


ううん。特には。


そっかぁ。じゃあ、取り敢えず

このまま行くか。。

大丈夫かなぁ。

考えても、仕方ないか。

お母さんにさ、明後日行きます

って、伝えてくれる。仕事納め

だから。早く帰って来るから。


うん。明後日だね。わかった。

彼女が、微笑んで答える。


今日は、これからどうするの?

それだけなら、電話でも。。


ううん。直接言いたかったの。

それに、

一緒に食べようと思って。


テーブルには、焼き魚と、

味噌汁。漬物が並べてあった。


わぁ。ありがと。

俺は、作業服の上着だけ脱いで

テーブルに着く。


お疲れ様。誠。食べよ。


うん。頂きます。

味噌汁から、手を付ける。

上手い。とこぼれる。


でしょ。家で使ってるお味噌

持ってきたんだぁ。

ふふん。上機嫌で、

彼女が、答える。


俺は、あっという間に、ご飯を

食べ終わり。彼女が食べるのを

眺めている。


誠。そんなに見られたら、

なんか、食べずらい。


あ。ごめん。

食べ方が綺麗だなって。。


もう。

苦笑いしながら、彼女が言う。


ご馳走さま。

ほら、お風呂は?


ああ。すぐ入って来るよ。

送って行くから、待ってて。


ゆっくりで、いいよ、

洗い物あるから。


悪い。頼む。

そう言って、シャワーを浴びる















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