第20話 朝

クリスマスが、終わり朝を迎え

いつも通り俺は、朝6時くらいに起き上がり、幸恵を、起こさない様に、シャワーを浴びた。


丁度、シャワーを済ませて、

出てくると、ぼーっとした

彼女が、指輪を眺めていた。


おはよ。どうしたの?

声をかける。


ん。おはよ。いやぁ。なんか。

昨日より、実感がさ。

指輪もらったんだって。

彼女が、照れ笑いをする。


俺も、微笑んで、

うん。似合ってるよ。

そう返した。


私もさ、昨日のクリスマス。。

初めてだよ。あんなに、幸せ

感じたの。。

思い出す様に、彼女が話す。。


私さ、5歳の時に、今の両親に

引き取られて。

今日から、お父さんとお母さん

そう言われてさ。

小さかったけど、私さ。。

なんか。ひねくれてるって、

言うかさ。認めるって言うか

馴染めるって言うか。

時間、かかってさ。

大切にしてくれてるって。。

わかってても。さ。

5歳だと、結構わかってるって

言うか。

多分、頭が混乱したと言うかさ

と続ける。。


俺は

彼女が、話すのを口を挟まず

只、聞いていた。。


最初はさ、叔父さん、叔母さん

って、呼んでたんだよね。

だって。私からしたら、

他人だもんね。

でも、何も言わず。

只、優しいんだ。

病気の時も。寝ないで、

看病してくれたり。

眠れない時も、

抱き締めてくれたり。

そうしてさ、やっとさ、

お父さんと、お母さんって、

呼べたの。。。

本当の、生みの親は、

覚えてないけど。さ。

私さ、運いいよね。

あんなに、私を、大切に

育ててくれた、お父さんと、

お母さんに、逢えたんだから。


少し間を空けて。そうだね。。


幸恵が、俺を見る。。


俺はさ。

生みの親に、育てられたけど、

良く言えば、放任主義

悪く言えば、無関心な親。

そう言う家庭だったんだよ。

下手すると、飯も自分で、

作って食べたり。洗濯とかさ

自分でやってた。

だからかなぁ。。。


進学しないで、働いたの。。

働くって言ってもさ。。

選択肢もさ、あまりなかったし

見習い見たいに、雇ってくれた

今の職場でさ、必死に頑張って

今が、あるんだ。。


そう思うと、何が、家族とか、わかんないね。。俺が呟く。


そう語ると、彼女が、俺を見て


なんか。。幸恵が続ける。。

誠。私なんかより。。。

頑張ってきたんだね。。

私はさ、守ってもらえたけど

誠はさ、

自分で、自分を、守ってさ

多分、私がさ、

想像出来ないくらいに

頑張ったんだね。。


彼女の目に、涙が貯まる。。


フワッと、彼女に抱き締められ

もう、大丈夫だよ。。

私が、ずっと、誠を見てるから

そう言った。


自然に、俺の目に、

涙がた貯まる。


あれ。なんでだろ。


つぅと、涙がこぼれる。


仕事じゃない、何かを、誰かに

認められる感覚。

自分の、頑張りを、認められる

感覚。。

もともと、認められたくて、

褒められたくて、

頑張ってきたわけじゃない。

全部、自分が、生きるため。

それでも。


涙が、こぼれる。。

胸の中が、熱くなる。。


ありがと。幸恵。。

そう呟いた。。


くしゅん。


幸恵がくしゃみをする。


ふふっと。俺が笑う。


ほら、お風呂入っておいで。


だって、誠がさ。


大丈夫。幸恵がいるから。

すぐ、そう答える。


一緒に入る?


そう誘われて、ゆっくり、

2人で、シャワーを浴びた。。



















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