第18話 クリスマス

クリスマス当日は、道路が混んでいて、少し帰宅が、遅くなってしまった。


家に帰り、玄関を開けると、

ご飯のいい匂い。。


おかえりー。


幸恵が、迎えてくれた。


ただいま。


このやり取りだけで、今日の疲れが、吹き飛ぶ。


凄い、いい匂いだね。今日は、何作ってくれたの。




シチューと、サラダだよ。


テーブルを見ると、綺麗に盛り付けたサラダが目に入る。


シチュー、暖め直したら、ご飯だよ。お風呂入っちゃって。


そう、言われたが、その雰囲気の、愛おしさに、思わず、彼女を抱きしめた。。


ありがと。


うん。。ほら。お風呂して。


ああ。お風呂させてもらうよ。

幸恵の、いい匂いを嗅いで、お風呂に、向かう。


シャワーを済ませ、テーブルに向かう。


温かいシチューに、

パンとサラダ。

幸恵の、可愛い顔。


心の中まで、暖かい。


幸恵が、微笑み。

お疲れ様。食べよ。


そう優しく言われた俺は、

何故か、涙が溢れた。。


どうしたの?

何で泣いてるの?

困った顔で、幸恵が覗き込む。


いや、なんかさ、こう言うの、初めてで。俺が答える。


え。クリスマスが?


いや。こんなに、

暖かい、クリスマスが。だよ。


俺さ。家族と仲良くなくてさ。

クリスマスに、

いい思い出なくてさ。。


そうなんだ。以外。。

誠みたいに、性格良くて、

暖かい人が、

家族と中悪いなんて。。


なんか。ごめん、空気悪いね。

こんな時に。俺が、そう言うと


幸恵が、優しく抱きしめて、

大丈夫だよ。これからは、私が

ずっと一緒だから。


そう言ってくれた。


ああ。こんなに、優しく俺を

包んでくれる人が、

いるんだな。。そう思うと、

今まで、必死に、自分なりに、頑張ってきた、何かが、こぼれ落ちた。


少し。いや。どのくらいか、

わからない。何かが、込み上げて。すっと、落ち着いた。


幸恵ありがと。。


へへ。誠。泣き虫だね。


そうだね。本当。俺。

泣くのなんて、何年ぶりだろ。

と、笑った。


そこから、また、向かい合って

シャンパンを、グラスについで


んじゃ。なんだ。

メリークリスマス。

恥ずかしそうに俺が言う。


メリークリスマス。

彼女が笑う。


うまっ。とこぼれる。


美味しいでしょ。彼女が笑う。


そんなやりとりをしながら、

幸せな食卓を、彼女と

過ごす。クリスマスの夜に。












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