第5話 サービスエリア

幸恵と、サービスエリアを、

少し散歩して。

誠さんって、食べ物とか、

好き嫌いあるの?そう聞かれた。


うーん。なま物。と。。

脂の多い肉。かなぁ。

あ、野菜と、果物は好き。

あと、甘い物は、好物。


え。そうなの?私も、

なま物苦手。お肉は、平気だよ。野菜とか、果物は、

私も好き。甘い物は、

ケーキ屋さんで、

働いてるだけに、大好き。


いやいや。なま物嫌いって、

合う人、なかなか、

居ないんだよね。。

苦笑いして、

俺は、ちょっとびっくりして、そう言った。


気も合う、食べる物も、

音楽の趣味も、合う。

そんな人、なかなか、

いないよなぁ。。

呟きが、知らないうちに、

声に出てた。


それを聞いて、幸恵も、

そうだね。と、

相づちをうった。


不思議な感覚が、後押しして、

少し、考えて。。。


あのさ、幸恵。

こう言うの、初めてだし。

言うの初めてなんだけど。。。


緊張した顔で、こっちを見る。え。何?


結婚を前提に、本気で、

付き合って下さい。

そう、口からこぼれた。


自分でも、びっくりした。

知り合ってから、まだ、

3回しか、と言うより、

初日が、

カウントされないなら、

二回しか、会ってない人に、

こんな事を、言ってる自分に。でも、そう思ってしまって。

口から、出して、しまった。


最悪、引かれる事だって、

あるのに。。


幸恵は、俺の目を見て、

すっと、手を握り。。続ける。

誠さん、

手も握った事もない人に、

そんな事、言われるとは、

思ってなかった。


正直言います。

思った事。。


まだ、

会って時間もたってないど。。


不思議なんだけど。。。


言われて、嬉しかった。


むしろ、だらだら付き合うより、結婚まで、

考えてくれる人

と、付き合ってもらえたら、

その方が、良いと思う。

それに。。私も、

そうして欲しいと、

思ってる。


ただ。結婚は、

子供を授かるまで、待って。

大事な事だから、

初めに言うの。


え。それだと、順番が。。

俺が、そう言うと、

少し辛そうに、幸恵が、

続けた。。


こう言うの、

もっと先の話しだと、

思っていたけど。。


私ね。


本当の、親。産みの親が、

居ないんだ。。。

両親は、苦労して、

治療したみたいなんだけど、

子供出来なくて。。

私は、そんな今のお父さんと、お母さんに、引き取られたの。


それでね。もし。

私結婚するなら、

子供欲しいし。

両親見てると、本当に、

感じて。。そう言うの。

凄く、大切にしてもらったけど。何か、葛藤が。。って、

どうしようもないんだけど。。

ずっと、考えてて。。


幸恵の、ある意味

トラウマ的な問題なのか。。

そう思った。。


幸恵、それでも、だよ。。


わかった。じゃあ、この先さ。

子供が、出来たら。

結婚して下さい。


今度は、俺が、手を伸ばした。


暖かい手が、両手で、被さると、幸恵が、涙目で、

前提にじゃ、なくて、完璧な、プロポーズだよ。って言った。

結婚とかになると、

私。重いかもよ。


そうだな。正直さ、それでも、幸恵が、良いって。本気で、

何の。あれも。無いけど。。

本気で、そう。。

思ったんだ。。

上手くいえないけど。。


誠さん。


呼ばれて、体を起こすと、

幸恵に、軽くキスをされた。


ありがと。


ちょっと涙目で、

ちょっと照れてて、

それでも、明るく、笑顔で、

そう言われた。


なんか、照れ臭くて。

なんだよ。手も、キスも。

全部、取られちまったじゃん。

普通、男からじゃないの?


クスクスと笑う、幸恵。


笑った顔が、可愛い。

俺は。

心の底から、二度と、

暗い顔は、

させたくないなと、

思った。。。




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