第3話 彼女
朝起きて、仕事に出る。。
この繰り返し。。季節は、
暑いか、寒いかの二つだ。。
今日は、仕事が、
何時もより早くまとまり、
少し早く帰れる。
早速、教えて貰った携帯に、
メールを送り、
帰りの車に乗った。
職人なんて、
肉体労働なだけに、
生キズや、筋肉痛は、
日常茶飯事だ。
俺は、痛い所を、
擦りながら、帰宅した。。
ちょうど、その時。
携帯が、鳴る。
メールを確認すると、
彼女からだった。
誰かと、繋がっている。
そんな感覚が、照れ臭い。
「見えてんのかよ。。」
そう呟いた。
早く来れるなら、駅ビルで、会いたい。と。
携帯を握りながら、
「フッ」と笑い
「俺は、アッシーか?」
と、思ったが。
すぐに、シャワーを浴び、
彼女様の所に、後、
30分で行くと、
メールした。。
家を出て、
家の前に停めてある、
車のエンジンをかける。
低い低音が鳴り、
ゆっくりと、タイヤを転がす。
俺は、窓を開け、
車の走行風で
髪を乾かしながら、
付き合う事を決めたばかりの
彼女の元へ、急いだ。。
彼女は、駅ビルの中で、
ケーキ屋さんで、
働いていると、言っていた。
待ち合わせの、場所に行くと、彼女は、同じ歳くらいの
女の子と、一緒に、
話していた。
ちょっと照れ臭いが。
「おう。」
と、声を掛けると、
照れ笑いの彼女から、「うん。」
そう答えが、帰ってきた。
友達らしい、女の子は、
お下げの、黒髪で、
スマートな感じの子だ。
俺の方に目線を上げると、
お下げの子が、
「ゆきの、彼氏さんですかぁ?」
そう言うので、
幸恵を、チラッと見てから、
「そうなんだろうね。俺。」
と答えた。
ちょっと恥ずかしそうに、
幸恵が、
「何それ、彼氏でしょ。もう。」
「ごめん。昨日の今日だから、
悪い、さすがに、
ちょっと照れた。」
頭を軽くかきながら、
俺は言う
そして、思った。。
ほんと、最初って、
さすがに照れる。。。
お下げの子が、
じっと俺を見て
から、口を開く。
「ゆき、彼氏カッコいいじゃん。」
お下げの子は、そう言うと、
笑顔で。
「私は、めぐみです。ゆきとは、
同じ所で働いてるんです。」
と、自己紹介してくれた。
なるほど、仕事仲間かぁ。。。
それに、俺も答える。
「初めまして、誠って言います。
同じ場所で、働いてるなら、
幸恵を、宜しくお願いします。」
と、一礼して、そう答えた。
何故か、幸恵は、
顔を赤くしていた。
「ちょっと、恥ずかしい。
なんか、その。。」
と、
モジモジとしてる。
なんだか、幸恵の仕草が、
とてもかわいいと思ったら。
「幸恵は、かわいいね。」
そう言葉が、漏れた。
幸恵は、顔を赤くしてる。
そのやり取りを、見てた、
めぐみさんは、
「ちょっと、私の前で、こっちが、
恥ずかしいこと、やらないで。
イチャイチャするなら、
私、いなくなってからにしてよ。
本当に、ご馳走さま。」
「誠さん、また。」
そう言うと、めぐみさんは、
速足で、その場を去った。
「幸恵、
これからどこに行こうか?」
そう言うと。
「誠さんってさ、なんか、
お兄ちゃんいたら、
こんな感じなのかなぁ。
って、思っちゃう。」
と言って、まだ照れてた。
「駅ビルだから、ゲーセンとか
行く?それとも、どこか、
ドライブする?」
照れてる、幸恵のかわいさに、俺も、
照れながら、頬を、
ぽりぽりとかき、
そう言うと。
「うーん、誠さん、
ゲーセン行くの? 好き?」
そう聞かれて、俺は。
「うーん、
あんまり行かないかなぁ。。」
と答えると
「じゃ、ドライブ行こうよ。」
そう言う、幸恵の事が、
可愛く見えた。
「OK。」
そう言いうと、駐車場の車に案内をして、
俺の車を見て、幸恵が、
「低い車だね。」そう呟く。
初めて、幸恵を車に乗せると、
車のエンジンを、掛ける。
重低音が、
マフラーから出ると
「なんか、凄いね。」
幸恵が、楽しそうに言った。
「何処でもいい?
行きたい所ある?」
そう言うと、幸恵は、「お任せで。」
と答えた。
「じゃ、高速上がって、
サービスエリアまで、行くか。」
そう言うと、車を出した。
車のステレオから、流れる歌に、
「あー、この、曲好き。
あ、これも。」
聴いてるアーティストの、
趣味まで、似てるのに、
正直、ビックリした。
結構、俺が、片寄ったと言うか、マイナーな人が、好きで、聴いてるから。。
高速を、走っていると
「普通なら、会ったばかりの
人の車なんて、
絶対乗らないけど、なんか、誠さん。
初めて逢った気がしない。
本当に、不思議な感じがする。」
そう言った。
「俺も。同じ。変だけど。」
そう答えた。
一瞬、間が空いて。
「良かった。誠さんに、声をかけて。」
そう言った。
「俺も、車押して良かったよ。」
ちょっと怒った顔で、
幸恵が言う。
「そこ、違くない?」
「え。」
「私と、付き合って良かったよ、的な、感じじゃない?」
「いや、この空気が。。
ちょっと、嬉しいんだけど。
なんか。悪い。」
謝る俺に、
幸恵は、「クスクス」と、
笑っている。多分。この笑顔に、知らないうちに、
やられてた。。
案外ちょろいな、俺。。
サービスエリアの入り口が、
見える。。
「着いたー。」元気良く、幸恵が、
車から降りる。
「うわー。ここの、
サービスエリア、おっきいね。」
「まぁ、たまに、
一人で来てたから。。」
「そうなんだ。」
少し間を開けて。続けた。
「何があるの?」
「うーん。ご飯も食べれるし。
当然、休憩出来る。」
ニコッと微笑んで、
「お腹空いたから。じゃ、ご飯。」
もう、知らないうちに、彼女の、仕草や、笑顔、雰囲気に。
何も、知らない彼女の事を、
本当に、好きになってしまった。ちょろい俺がいた。
二人で、ご飯を食べる。
彼女は、うどん。
俺は、それに合わせた。
昨日の、ファミレスは、
無理やり奢られたので、
今日は、俺が払った。
と、言うより。昨日が、初めて、女の子に、奢られたのだ。
「半分出すって、言ったのに。」
何と無く、納得してない彼女
「いやいや、昨日、同じ事、俺も、
言ったのに。
あなた、どうしたっけ?」
そうだった。と言う顔をして。幸恵は、納得してくれた、
みたいだった。。
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