【完結】異世界転生30年、元勇者がトントン魔法具作りでゆったりスローライフ
湊 マチ
第1話 異世界でのんびりスローライフ
俺の名前はアルト・グレイフォード。30年前、現実世界からこの異世界に転生してきた元勇者だ。
当時は魔王を倒すために日々戦い続けていたが、今はこの静かな村で魔法具を作りながらのんびりとした生活を送っている。
-朝、陽が昇ると同時に目を覚ます。窓から差し込む柔らかな光が、工房の机の上に並べた魔法具を優しく照らす。ベッドからゆっくりと起き上がり、まずは軽くストレッチをして体をほぐす。
「今日も良い天気だな」と呟きながら、ベッドの横に置いてある水差しで顔を洗う。冷たい水が肌に触れると、一気に目が覚める。タオルで顔を拭きながら、今日の予定を頭の中で整理する。
次に、窓を開けて新鮮な空気を取り込む。朝の清々しい風が部屋に流れ込み、心地よい気分になる。工房の中を軽く掃除し、作業台の上を整頓する。魔法具作りに必要な道具がきちんと揃っているか確認し、必要な材料を手元に用意する。
朝食はシンプルだが栄養バランスの取れたものを心がけている。キッチンに向かい、昨日のうちに用意しておいたパンとスープを温める。新鮮な野菜をたっぷり使ったスープは、体を温め、朝の活力を与えてくれる。
「いただきます」
一人静かに朝食を取りながら、今日の作業計画を思い描く。食事が終わると、食器を洗って片付ける。清潔なキッチンは、気持ちの良い一日のスタートを約束してくれる。
食後は外に出て軽い散歩をするのが日課だ。村の周囲を歩きながら、自然の美しさを感じる時間は、心をリフレッシュさせる貴重なひとときだ。村人たちと挨拶を交わしながら、彼らの健康や生活の様子を確認することも欠かせない。
「おはよう、アルトさん!」
と元気な声が響く。村の薬師リナ・ホワイトウッドだ。彼女は朝の散歩の途中で、俺の工房に立ち寄ってくれる。
「おはよう、リナ。今日はどんな薬草を持ってきたんだい?」
リナは笑顔で、手に持った薬草の束を見せる。
「今日は特別な薬草を見つけたの。これで新しい魔法具を作れるんじゃないかと思って。」
俺は薬草を受け取り、リナに感謝の気持ちを伝える。
「ありがとう、リナ。この薬草で何か素晴らしいものが作れそうだ。」
その後、ふと思い立ち、今日は魚釣りに行くことにした。川辺に向かう途中でエリックに出会う。
「アルト、今日はどこへ行くんだ?」
「ちょっと魚釣りにね。新鮮な魚を夕食にしようと思ってさ。」
エリックは笑いながら、手を振って応援してくれた。
川辺に着くと、静かな水面が広がっていた。釣り竿を取り出し、餌をつけて水に投げ込む。しばらく待つと、糸がピクピクと動き始めた。
「よし、かかったぞ!」
慎重に糸を引き上げると、大きな魚がかかっていた。満足感に浸りながら、さらに何匹かの魚を釣り上げた。
夕方、工房に戻ると、リナがまた訪れていた。
「アルトさん、今日は魚釣りですか?」
「そうだよ。今夜は新鮮な魚を使って夕食を作ろうと思ってね。」
リナと一緒に工房の隣にある小さなキッチンで調理を始める。魚をさばき、新鮮な薬草を使って味付けをする。リナも手伝ってくれて、楽しいひと時が過ぎる。
夕食が出来上がり、二人でテーブルに向かう。香ばしい香りが漂い、食欲をそそる。
「いただきます!」
新鮮な魚の味は絶品だった。リナも満足そうに微笑みながら食事を楽しんでいる。
「アルトさん、この魚、本当に美味しいですね。」
「ありがとう、リナ。君の薬草がいい味を出しているんだよ。」
リナは少し戸惑ったように笑いながら、
「本当は魔法具のために持ってきたのに、まあ、美味しかったからいいか。」
と肩をすくめる。
こうして、俺の一日は穏やかに過ぎていく。異世界でのんびりとしたスローライフを送りながら、村の人々との絆を深めていくのが何よりの楽しみだ。
この物語は、異世界に転生してから30年が経った元勇者のアルトが、魔法具を作りながらスローライフを送る姿を描いています。彼の平穏な日常には、村の人々との交流や小さな冒険が詰まっています。
**作者より**
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