炎上商法系WEBライター、鬼ヶ島へ行く

妄想機械零零號

この野郎覚えてろよ

 どうも「炎炎えんえんタイムズ」ライターのです。略して

一週間程更新が無かったこのサイトですがやっと更新できました。

それもこれも皆様のお陰でございます。


 アテクシまるケツは日々に(厳密には月イチくらいで)暖かい犯行予告を頂いております。

本当に読者の皆様の暖かい「カミソリが入った封筒ふうとう」なんかをたまわりますと元気一杯になります。


 アテクシまるケツ、先月にはとある芸能人をディスったせいで大手芸能事務所から大層たいそう立腹りっぷくのお便たよりを賜りました。

「とある芸能人」とボカすと本当に誰だかわかりません。

実際手紙を読む時ずっと

「アイツをディスったのが悪かったのか!? それともアイツか!?」

という疑念ぎねんで胸がバクバクしておりました。


 ちなみにハーゲンダッツ食いながら読みました。美味うまかったです。


 ところでアテクシ、冷たい物を食べると下痢げりをする体質なんですよ。

それで今もハーゲンダッツ食ってます。

そろそろ下痢が完成してきたかもしれない。

マジで犯行予告してるやつらふざけんなよ。下痢ぶっかけるぞ。

ついでに俺を訴えようとしている大手芸能事務所も下痢だ。

「下痢だせん」(ゲリラ戦)だコラ。


 え~、(落語家らくごかならこのへん羽織はおりを脱ぐ)アテクシの不在中に広まった噂の一つに

「まるケツのヤローは鬼退治おにたいじのために鬼ヶ島おにがしまへ出発した。

もう帰って来んよ」

というのがございます。


 トコロガドッコイ生きております。

今日は鬼の首を取ったお話といきやしょう。

大英雄として少年諸君にをまず言っておきたいね。

こんなサイト見てんじゃねえよ!


 さてアテクシまるケツ、ある日私の住むおさに呼びつけられたんですよ。

朝にお手紙が届いて無視してたら夕方になっていきなり私の家に押しかけてこられました。

マジでワケわかんなかったです。

なぜワケわかんなかったかというと、朝届いたお手紙を読まずに捨てたからです。

たしかに悪いのは俺だがそれはそうとして覚えとけよクソ村長。


 先へ進みますと、私を呼び出したズンドコ村長が言うことにゃ~

「テメエ鬼退治しろ」ってワケです。

クソみてえな村だな。Googleグーグルマップで村長の家に星一つのレビュー付けてやるから覚悟しとけ。


 村長はそれ以上何も言いません。

ハハ~ン大抵分かったぞ。

俺に死んで欲しいからとりあえず鬼退治をさせようってんだな。

たしかに俺は自治体の集まりには出席しない。とかいう地域のお仕事もやらない。

それでも指定の場所にゴミを捨てる。

文句ある村人はかかってこいや。ファンからのプレゼント(カミソリ)と下痢便で鬼退治(殺人)してやらあ。


 実際村長の家から帰る道でヒソヒソヒソヒソ言うのが聞こえるんですよ。

「まるケツ。アイツ生きて帰れねえぞざまあみやがれ~」

とか

「ざまあみろでヤンス~」

とかなんとか言ってるんです。


 鬼というのは鬼ヶ島という島にんでおります。

鬼ヶ島はズンドコ村に近いですから、マア海を渡る必要こそあるものの言うほど時間はかかりません。

それでアテクシも一週間程で帰還きかんしやした。

多分イカダを作る時間を短縮すればもうチョイ楽です。

マアにしては長い方ですかね。


 翌朝よくあさアテクシ出発しました。早朝ですよ。

なぜ早朝かというと昼間に動くと石投げて来る奴がいるかもしれないからです。

物騒な世の中ですからね。怖い怖い。


 そんでマアず~っと道を歩くんですよ。

この道中はホントどうでもいいからカットします。

「カキツバタが咲いてるなァ~そうだ! 

からころも~~つ~つ~~~~れに~~しィ~♪」とかそういうのありませんから。

貴種流離譚きしゅりゅうりたんじゃなくてクソ種流離譚しゅりゅうりたんだからコレ。

クソロジー(クソがく)研究者の方もいらっしゃるかと思いますがクソ学的に面白い部分もないから本当にカットします。


 太陽が高く上がった真昼まひるのことでございやす。

視界の右側に川がずーっと流れていました。

リヴァーサイドなワケですけれども、

リヴァーサイドで泣いてる奴がいたんですよ。

リヴァーが川でサイドが側ですね。

リヴァーが増水するとどうなるかおわかりですか?

もちろんリヴァプールになります。リボルヴァーです。


 ちなみに五円玉に穴が開いているのは誤嚥防止ごえんぼうしです。


 アテクシはリヴァーサイドに佇んでいる彼に話しかけました。

「何やってるんですか」

そしたら彼はこう言いました。

「何もやってないんです」

当たり前だろうが。見ればわかるだろうが。これは俺が悪いよなあと思います。


 微妙な空気を察知したのか彼は聞かれてもいないのに語りだしました。

「私は大変なことをしてしまったんです。

自殺配信としょうして動画を生配信したら『一緒に死ぬ』と言い出す奴が数人出てきて、この川に皆で飛び込みました。

そしたら私だけ生き残ってしまったんです」

そして彼は号泣した。

私は思った。

「こいつ、クズじゃねえのか!?」と。


 マジでクズだと思った。

自殺するだけでも周囲の人に迷惑かかりがちなのに生配信して集団自殺するんだからもうカスと思います。


「マアその生きてたら良いことありますよ」

私はそう言いました。

「クズじゃねえか」と言いたいのをここまで前向きな形に変換したんだから物凄い工夫です。


「そうですかねえ。私も死んだ方が良いのかなあぁあぁあ~~」

語尾を伸ばしながら彼は泣きました。

「泣くくらいなら無理して死ななくても良いと思いますよ」

至極当たり前です。

頼まれてもないのにイヤイヤ自殺するのはアホだと思います。

自殺っていうのはもっと楽しくやるもんです。

イヤ楽しくじゃなくて、自殺はしてはいけないんです本当に。

反省して欲しいもんです。


「ところで貴方あなたはどうしてこんな山の中まで来たのですか」と彼。

「実は鬼退治を頼まれて来たんですよ」と私。

「鬼退治かああぁあぁ~」

彼は語尾を伸ばしながら感心したような驚いたような顔をしています。


「あ、そうだ。私SNSで結構有名なんですよ。

お兄さんもフォローしてくださいよ」

そりゃ自殺配信に人が集まるんだからネットじゃ有名なんだろうなあと思いながら私は彼のスマホを見ました。


 そこに表示されていたアカウントを見て私は驚きました。

その人は精神病んでる系の界隈で結構有名な「デパスクレイジー」さんだったのです。

デパクレ(デパスクレイジーの略)といえば精神薬のシートを挟んだハンバーガーをひと齧りして写真に撮る「馬鹿バーガー」という自虐的な鉄板ネタです。

あとは色んな病院を周って手に入れた精神薬を皆に渡しながらあまりにも危なすぎるパーティーをしているという(限りなく事実に近い)噂がありますね。

デパクレとまるケツの奇跡のコラボがここに成立しました。


 デパクレさんにアテクシがまるケツであることを伝えると驚いていました。

「エエーッ貴方があのまるケツさんなんですか。

まるケツさんの記事よく読んでますよ。

私とまるケツさんってよく炎上するという共通点ありますよね」

その共通点は要らないだろうと思いました。


「まるケツさんって鬼退治するんですか。

大変ですね。アハハハ」

彼は多分調子が出てきたのでしょう。いきなり大声で笑い始めました。

私も普段引きこもってて急に人と話すと情緒不安定になりがちですから別にそれが悪いとは思いません。


「デパクレさんも一緒にどうですか。

コラボ記事出しましょうよマジで」

「良いっすね~」

「あっ。でも鬼退治って結構危険らしいですよ。

大丈夫ですか」

「まあ私って死なないのだけは定評がありますから余裕ですよワハハハ」

私は改めて「デパクレさんってヤベーやつだな」と思いました。


 そういうワケでデパクレさんとアテクシは二人で鬼退治に行くことにしました。

テクテクテク……。


 再び道中のことを省略しますが一応言っておくとこの「カット」の間で一日か二日くらいは経過してますからね。

結構大変なんですよ。

一番ヤバかったのはデパクレさんが明らかに毒がありそうな模様のキノコを

「気持ちよくなるヤツだから」という理由で食おうとしたことです。

さすがに止めました。

キノコは素人の判断で食ってはいけません。

毎年キノコで死ぬ人が出ますからね。


 ちなみにデパクレさんはキノコのフォルムが「気持ち悪いから好き」なんだそうです。

「まるケツさん、大竹茂雄おおたけしげおのホームページ良いっすよね」

「良いっすね~」

デパクレさんは大竹茂雄の話が分かる人に出会えた喜びのあまりクネクネしました。

デパクレさんとある程度付き合いがある人は皆彼のクネクネを知っていると思います。

見たことがない人は見てみて欲しいくらいですね。

本当にクネクネするのだけは上手なんですよ彼。


 私は大竹茂雄よりクネクネのほうに感動してしまいました。

そのあとデパクレさんは機嫌よく酒をガブガブ飲みながら物凄い勢いかつ吃り気味でフーコーとかバタイユとかの話をしてくれました。

なんでもデパクレさんが好きだった歳上の精神病んでる系の男の人が哲学書読む趣味があったらしくて、

その真似をして読んでいるらしいです。

でもその人は自殺に成功してしまったからもう会えなくて

「次は自殺に成功しますよ。

なんてったってその一点――自殺に成功したという一点――を除いては全部コピーしてやったんですからね。

最後の一点だけなんですよアハハハ」

暗いのか明るいのかわからない笑い方をしながら彼は自分の体を揺さぶりました。


 彼の細い体が揺れるとシダ植物みたいだなって思います。

そうして彼は急にバタンッと倒れ眠ってしまいました。


 彼と親しい人はご存知だろうと思いますが彼の持ちネタとして酒を飲みながら

「飲んでる時だけ健常者けんじょうしゃ~!」と叫ぶというのがあります。

もちろん自虐ネタですよ。

飲んでる時だけ落ち着いて思考できるってそれアル中ですからね。


 マアそういう感じでどんどん歩いていったと思ってください。

デパクレさんの奇行エピソードを全部書いてるとキリがありません。


 さて進みまして、また道中で人と出会いました。

もちろん変な人ですよ。

その人は美少女でした。

美少女なんだけど、なんというかもう二次元って感じです。

「なんだお前。この世界設定に居て良い絵柄じゃねえぞ」と言いたくなります。


 デパクレさんは金髪だけど結構暗いリアル系(?)の色ですし私は黒髪です。

でもアイツはピンクなんですよ。

「存在する世界間違えてますよ」と言いたい。

多分次元を一個間違えています。

次元が一個低い。レベルが低すぎる。そんなカクカクした動きじゃ鬼は倒せねえぞ。

アナログはデジタルと違って滑らかに情報が表現されているんだぞ。

デジタルなんかもういくら解像度高くしてもドット絵だぞ。


「道中で変なやつを見付けたらとりあえず話かけなければならない」

という鉄の掟を己に科している(科していません)私は恐る恐る彼女に話しかけました。


「あの~……」

その瞬間、彼女が猛烈に話始めたのです。

「虚実のあわいからコンニチハ☆ Virtualバーチャル YouTuberユーチューバー虚構虚塵きょこうきょじんだよ♡」

名前もうちょっと可愛らしくした方が良いと思いますマジで。

「すいません。

ちょっとお聞きしたいんですが」

「何か御用?」

「声めっちゃ太いですね」


 そう、虚塵さんはメチャクチャ声が野太いのです。

というかほぼ成人男性、ほとんどオジサンです。

「あ~コイツアレだな。略してだな」

と思いました。


 Virtual YouTuber略してVTuberブイチューバーの宿命として「所詮キグルミ」というのがあります。

要するに生身の人間と動きを同期させた映像を流しているだけのことですから、

基本的にその辺のキグルミと原理は変わらないのです。

ただ今は優れたボイスチェンジャーがあることだからこんなに野太い声を出す事はないと思うんですよ。


「声が野太い」と言われた虚塵さんは結構狼狽えていました。ごめんなさい。

「アタシってそんなに声太いのかしら~?」

「太いです」

「でもアタシって女の子だからぁ~あんまり声野太いって言われると困っちゃうな~」

コイツもクネクネするのか。俺の鬼退治はクネクネする奴ばかりと出くわす。

歌ってる時のアイドルじゃないんだから普通にしていてほしいです。


「ところで私達って鬼退治に行くんすよ。

そうでしょうデパクレさん」

「もちろんですよまるケツさん」

「えっまるケツさんとデパクレさんって聞いたことあります~。

私のフォロワーで熱烈なまるケツアンチの人が居ましたよ~」

黙れカス。

「アハハハまるケツさんは敵多いですからね」

「デパクレさんだって同じことですよ」

「私のは自然だから良いんですよ。

まるケツさんのは人に嫌われるのを商売にしてるから駄目です」

そう言われたら何も言い返せません。


「それで話を戻しますけどね。虚塵さん一緒に鬼退治行きませんか」

「え~どうしよっかな~」

「虚塵さん一緒に鬼退治してコラボ記事出しましょうよ。

もういっそのこと全部仕組んだ上であえて喧嘩みたいなことをして炎上商法でPV稼いでも良いかもしれないですね」

「はわわ~アタシ有名人になれるかなっ☆」

「……なれるんじゃないっすか」


私は虚塵さんと話してると元気がなくなります。

なんか気持ち悪いです。やめてください本当に。俺を発狂させないでください。


「マアその、なんです。

じゃあこうしましょうよ。私がこのお金で虚塵さんを雇います」

そう言って私は彼女に)を握らせました。

「あら……」

一瞬彼女は金を握らされてかえって引いてそうな雰囲気を出しました。

そして

「素敵~♡ アタシカネ欲しかったのよねぇ~♡」

と言いました。

満足したようだからマア良しとしましょう。


 こうして三人になった私達はまたテクテクテク……とあるいてゆきました。

道中での出来事はカットします。


 余談ですが聖書のマタイ福音書ふくいんしょに載ってる「ガダラの豚」というお話があります。

これはキリストが悪霊どもを豚に取り憑かせると豚達が崖から次々に飛び降りたというお話です。

俺達三人組はガダラの豚に似ていました。

悪霊三人組ですね。

マアこっちは生還したんだからガダラの豚は強かったということになります。


虚塵さんはたまにヴィジュアルがおっさんになります。

ガワが剥がれたんですかね。

まあ常にキャラクターを被ることもありませんから好きにしたら良いんです。


 ちなみに料理は三人共できません。

一番マシなのがアテクシです。

アテクシの料理がマシなのかっていうと一人暮らしかつ外食をせずに引きこもっているからです。

デパクレさんは彼女(のようなよくわからん関係の女性)が五人くらいいてそいつらが飯を持ってくるらしいです。

慈悲ってやつですかね。


 虚塵さんは草を生のままで食うという強靭な胃袋を持っているせいか料理がサッパリできません。

向き不向きってやつですかね。


 アテクシの暗黒料理を一番ガツガツ食うのは虚塵さんです。

デパクレさんは普段味覚を含む五感が非常に鈍いのですが、私の暗黒料理に限っては明確に「ヴッッッ――」と言います。

体が拒否しているんですね。

でも戦場じゃ飯は選べねえからな。テメエも不味い飯を食え。戦争における最大の敵は飢えと疫病だこの野郎。


 さて、記事の最初の方に書いた通り鬼ヶ島に行くためには海を渡る必要があります。

最寄りの海岸に立ったら結構近い位置に見えるのが鬼ヶ島ですけれども泳ぎで渡るのはイヤです。

腹を冷やしますよ。下痢ビームで戦うしかない。

マア戦場の最大の武器は疫病なんだから下痢ビームは割と有効だと思いますが

まだそこまでモラル崩壊してない雰囲気だから奥の手にしておきます。


 イカダを作るワケですよ。

アテクシは工作と運動はダメな人間だからサッパリやれません。

デパクレさんもまあダメです。刃物とか持たせてはいけないタイプの人間です。

そこで雇っておいた虚塵さんが活かせるのです。


 虚塵さんは常に持っている七つ道具の一つである刃物やロープを活かして木材をアッという間(実際には一日かかった)にイカダを作ってしまいました。

「イカダが作れるVTuber」というキャッチコピーで売り出したら売れそうですね。


 さてアテクシ達三人組はイカダに乗っかって海を渡ります。

一時間もしないくらいの時間で島に着きました。あっけないですね。


 最終決戦を目前に控え、アテクシが仲間達に呼びかけます。

「え~、オホンッ。皆様ここが鬼ヶ島でございます。

よく心して鬼退治なさるよう」

「なんか飽きてきましたね。はやく帰りたいっすよ」とデパクレさん。

「もうちょっと頑張ってください。あとちょっとですよ本当に。はやく終わらせましょう」

「皆見て~! 鬼達が超こっち見てるわよ!」

「虚塵さん鬼に手を振らなくて良いですよ」

「アタシにとって鬼退治はライブだからっ☆」

どっちかというとイカダ作りのほうがライブパフォーマンスとして強いと思います。


 先に進みますけれども、

私達は鬼ヶ島に乗り込みました。

先に言っておくと「鬼とは朝廷ちょうていに従わない人々の事だったんだ~」みたいな割と真面目なお話にはなりません。

普通に暴力で解決しておしまいです。残念でした。

本当に残念だけれども暴力が美味しいネタになるんだ。炎上商法的に考えて。


 んで、マアあまり面白くないんだけれども鬼っていうのは本当に居ました。

角が生えてて顔が赤い感じのステレオタイプのやつです。

本当に申し訳ないがステレオタイプのやつです。

つまらなくて申し訳ない。

ちなみに鬼の角を拾った善良なジジイが極悪人になっちゃって、逆に角を紛失した鬼が真人間になるお話ってありますよね。

じゃあ俺は鬼の角を拾ったのかというとそうじゃありません。生まれつきです。申し訳ない。


 そんなことばかり書いていても仕方がありませんから先にいきます。

デパクレさんは鬼相手に本当によく戦ってくれました。

彼の必殺技は「」です。

ガチってる時のデパクレさんを知らない人は見たことがないと思いますが、というのは敵を希死念慮で悶々とさせるといういやらしい技です。

これをくらった鬼たちはガダラの豚みたく海に飛び込んでいきます。

まあ俺達も豚みたいなもんですけれども。


 デパクレさんが敵を打ち倒した時に

「また――人を殺めてしまった」

みたいに言うのは結構かっこいいです。

ただ彼は人殺しすぎです。

二度と集団自殺しないで欲しいです。


 虚塵さんは柔道を習っていた経験があるらしくて当然のごとく激烈に強いです。

「柔道ができるVTuber」というキャッチコピーでプロデュースしたいですね。


 じゃあアテクシが何をやってたかというと、ちゃんと戦ってたんですよ。

私にも必殺技というのがありまして、

それは「テメエらケツ出せ右から順番にしてやる」と言いながらカンチョーの構えを取ります。

中腰で鬼どものケツを追っかけ回して崖から落としたり海に落としたりしていました。

俺がする限りここが由比ヶ浜だこの野郎。


 そんな感じで数分したら鬼は全員死にました。

ひでえ話だなと思います。

財宝的な物は一切ありませんでした。

鬼たちはもちろん強盗を働くなどして色んな村や街に迷惑をかけていた訳ですけれども、

彼らは江戸っ児なので「宵越しの銭は持たねえ」主義らしいです。

だから鬼ヶ島の付近ではたまに異常に景気が良くなっている村があります。豪遊し過ぎ。


 そして私達はまた海を渡って帰路に着きました。

虚塵さんの家の付近でお別れをします。


「助かりましたよ虚塵さん。またコラボしましょう」

「またコラボしましょうね~バイバーイ♡」

こんな感じで別れました。

いつでも会えるしなという雰囲気があります。


 デパクレさんとも別れました。

「デパクレさん、是非とも長生きしてください。

また二人で遊びましょう」

「私は明日死ぬんだよぉおぉお~」

そう言いながらデパクレさんはフラフラと歩いていきました。

後日デパクレさんのSNSアカウントを見ると割と元気そうに

「よく締まるケツ男に含まれる、抑止よくしの部分」とか投稿していました。

自殺の抑止力になれたら幸いです。


 アテクシが帰ってくると村の人達はかなりビビっていました。

「まるケツが帰ってきやがった……」

と、この世の終わりのような顔をして出迎えてくれる人が数人いました。

テメエもラブずっきゅんしてやろうか。


 村長にはガチでラブずっきゅんしました。

ケツ穴を痛めて軟膏を貰いに通院なすっているそうです。

ジジイだから割とガチで排泄機能はいせつきのうに障害が生じるかもしれない。

常識的に考えてカンチョーはやめたほうが良いです。


 アテクシの「炎炎タイムズ」のアクセス数が最近急激に伸びてますが、

それは大手メディアから取材を受けたからです。

「鬼退治で一番苦労したことはなんでしたか?」

「料理です」

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