第2話 ガドマンスの町

 ガドマンスの町、ハヘルの塔を守る最後の拠点である。

「ここが落ちたら後がない、みんな頑張ってくれ」

「はい」

 守将アーサーが派遣されて、ランスロットとともに薔薇騎士団を鼓舞してまわっている。

「しかし、相手は余裕ですな、あの悪魔がいる限り」

「アルトミックか、なにせこの世を吹き飛ばす力の持ち主だ」「エネルギーを発散させて、力がたまらない様にするしか無い!」

「ランスロットと薔薇騎士団、今日も打って出るぞ、力をためられたらやっかいだ」

「おー」

『この戦いにこの多元世界の崩壊を防ぐことがかかっている』

「よしいくぞ、命を惜しむな名を残せ、この薔薇騎士団の戦いをのちの人々のために」

 アーサーはそう言って白馬にまたがり、もちろん聖剣エクスカリバーを振るって魔物たちを薙ぎ払い始めた。ランスロットも得意の槍で次々と敵を打ち払う。

『いける、このまま本陣まで』

「甘いなアーサー、これならどうだ巡航核ミサイル」

「やばいみんな引け、対閃光、対高熱防御」

『くそっ、力を削るのが精一杯か!』

「くそっ、後もう一息だったのに」

 ここはハヘルの塔の近くのベース老師の家、バラムはこう言った、

「ガドマンスに行かせて下さい、せめてアルトミックに一太刀」

「無理だまだ修行がたらん、死にに行くきか!」

「しかし、何も手がないわけではありません、行きます」

『無茶をするのぅ』『しかしそれがあいつのいいところだが』

「カシ、バラムを助けてはくれぬか」

 グラスランナーのカシは、

「大丈夫よ老師私がついて行けば、魔法で援護しまーす」

「頼んだぞカシ」

 バラムは馬を走らせ、街道を下って行った、カシが追いつきガドマンスの町に着くまで、話し合った。

「なるほど、アルトミックの切り札は核ミサイルか!」「それなら、カウンターマジックの呪文を応用して…」

「さすがはバラムね、応用が上手いのは知っていたけど、いとも簡単にこの短い間で…」「新しい呪文を作ってしまうなんて」

「へへっ、こうゆうのは得意なんだ」

「普通の人は絵みたいにイメージとして覚えちゃうものだけど、魔法方程式を組み立てる人がいるなんて、天才ねバラム‼︎」

「ははっ、大分やらされたからね」

「核ミサイルの方程式は整理するとX2ーXー30=0 この方程式を解くとX=6,ー5 魔法の効果をαとするとXー3=α 6とー5を代入してα=3,ー8だこの効果を打ち消すためにはー3,8の波動を打てばいい、僕が8の波動の魔法を放つから、カシはー3の方を頼む。

「わかったわ、なんとことかさっぱりわからないけどー3の波動の魔法と言えばあれね!」

 後は魔法陣を書くタイミングをつかめればなんとかなるはず、

「カシ、アーサーに会いに行こう」

「でもガドマンスの町は包囲されたままよ」

「僕の剣技で突破するよ、カシはついて来て」

「わかったわ、へばりついて行くから」

「カシは剣技はからっきしだからな」

「そのかわり魔法はなんでもござれなんだから」「妖精、魔法陣、精霊、なんでもありよ」

「じゃあ援護を頼んだよ」「さすがはグラスランナーだね、生物全部と喋れるってほんと?」

「当たり前よグラスランナーを馬鹿にしないで」

「うぁーうじゃうじゃいるな」

「本当、ガドマンスも大変ね」「アーサーに鳩で連絡をとるわ、ちょっとまってね」

「確かランスロットは妖精使いか彼にわたすようにすればいい」

「わかったわ」

 そうしてガドマンス近郊に着いた。

「魔法騎士団が魔法を放っている音がする」「アーサーが打って出たな、カシ行くぞ」

「はいはい」

 カシはサラマンダーを呼び出し、炎の壁を作った。

「押して行くよ」

 魔物はちりぢりになって、ガドマンスまでの道を開けた。

「よし後はまかして、行っくぞー」

 バラムは魔物を蹴散らし薔薇騎士団と合流した。

「バラムさん、私がアーサーですいったん城に戻りましょう」

 銀色の鎧と虹色に光る剣を持った騎士は言った。

 ここはガドマンス要塞の作戦会議室、アーサーは、

「悪魔アルトミックは強力な魔法を放って来ます、魔法騎士団のディスペルマジックも効きません」

「魔法方程式を書ける魔法使いは?」

「はぁ、聞いたこともないです」

 カシが

「あんなことを出来るのはあなたぐらいのものよ」

 とささやいた。

「心配しないで魔法騎士団との話しはこちらがやっとくから」

「ありがとうカシ」

「ディスペルマジックは僕がやります」

「アーサーさん距離を詰める必要があります」「剣の使い手を貸して下さい」

「それは私が務めます」

「えっ、騎士団長自ら…」

「ありがとうございます、ではお願いします」

 そして、決戦の朝、

「薔薇騎士団、狙いはアルトミックの首だ」

 皆んな決戦と思って奮い立っている。

「皆んな本陣へ突っ込むぞ、突撃!」

 アーサーとランスロット、バラムの剣技は凄まじく、あっという間に敵陣に穴を開けて行く。しかし…、

「今度は死にに来たかアーサー、また例の魔法を喰らえ!」

「よし距離は3だ、魔波動8ディスペルマジック!」

「魔波動ー3ディスペルマジック!」

「来るぞ巡航核ミサイルだ」

 だが、魔法は発動しなかった、

「げっ、ディスペルマジックが効くとは!」「なんてこった」「逃げるぞ、全軍退却!」

「皆んな勝ったぞ」

「オーッ」


            第2話  完


 



 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る