第3話バレたくない

午前の授業を終え、昼休憩になり、ランチバッグを机に置いたタイミングで、廊下から慎城が現れた事を報せる騒ぎが起きた。

「慎城先輩だぁ……」

慎城の姿を捉えたと同時に、彼女が教室に足を踏み入れ、私の正面まで歩み寄ってきた。

「槇村さん、私と昼食を摂りましょう」

私の正面で立ち止まり、屈まずに直立し、見下ろしながら昼食に誘う彼女だった。

「……はいぃ」

私は断れずに椅子から立ち上がり、彼女が歩き出すのを待機して、彼女の背中を追うように背後を歩く。

周囲の生徒たちからの視線が痛い。

二年生のフロアに上がっていく彼女の隣を歩く私は平常心ではない。

私は上級生で親しい間柄であるのは彼女しか居らず、緊張する。

階段を降り擦れ違う上級生たちや廊下で擦れ違う上級生たちに慎城はお淑やかな返事をしていく。

音楽室の前で彼女が脚を止め、閉じている扉を開け入室した。

「慎城先輩……」

「魁華、入って来なさい」

私の震えた呼び止める声は彼女に掻き消された。

躊躇して彼女の背中を追うように入室し、扉を閉めた私だった。

大学の講義室のような音楽室で、ピアノの傍の机に腰を下ろした彼女が私を片手で手招きする。

私が彼女の正面で脚を止め、立っていると彼女の右腕が私に伸びて胸を掴んできた。

「ひゃあっ!なっ、何してるんですか?」

「え?魁華の胸を鷲掴みにしてる。そして、魁華の胸を揉んでムラムラした気分を抑えようと——」

「澄ました顔で変態なこと言わないでください。あの慎城せっ——ひゃあー!んあっ……ぅあーっっ……ぅんんあーっ!ちょっ……あぁんっ先ぱぁっ……んあ〜あぁっっっ!あんっぁあーっっ!あぁああぁぁぁんんっっっ……ひぃあっ……っっあぅ……んっんあぅうっっ」

慎城が私の胸を揉み続けながら机から下り、背後にまわって両手でもう片方の胸まで揉み始めた。

音楽室から私の喘ぎ声が漏れているのは確実だ。

私の乳頭を指先で執拗に弄りながら揉みしだく彼女は愉しそうに呼吸が荒い。

彼女の右腕がスカートの中に侵入して、太腿を焦らすように撫でながら、ショーツに迫って来た。

ショーツ越しに彼女の二本の指が撫でていき、絶頂きそうな快感が脳内を侵食されていく。

上級生に私がお淑やかで通っている慎城茉央に絶頂かされているのがバレたら、生きていけない。

証拠隠滅そうじに時間を掛けられないのに、音楽室で彼女に絶頂かされるのはやめてほしい。


私は慎城茉央にされるがままに絶頂かされ、証拠隠滅そうじを手伝ってもらった後、ご満悦な彼女が音楽室に私を残し、去っていった。

私は結局昼食を半分も食べられずに午後の授業を受けることとなった。

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