第9話 ぱちぱち
袋入りの綿雲をもらった。口に含むと、ぱちぱちと雷がはじける。
以前にも似た菓子を食べたことがあるが、それより甘さがなく、かすかな煙くささがある。
これで充電するのだと友達は言っていた。空に帰れない雷兎が、地上にある専用の工場で働いて生産しているらしい。
ぱちぱち、口の中で鳴らすうちに、何となく元気が出てくる。
雷兎は工場で働いた賃金で、専用の機材を使い、数ヶ月以内に空へ帰れるから、綿雲の生産は不安定。
雷の季節が主な生産時期だ。
これで一仕事、ちょうどいい加減の雨でも降らせてこようと、尻尾で雲を一つ打って、小さな龍は出発した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます