第六話 星夜と初めての感情

あの後、気分が優れなかったせいか銀河ちゃんの家に泊まった。銀河ちゃんは何も無い素振りでいつもの様に私に優しく接してくれた。銀河ちゃん優しすぎるよ…私はふと湧き出た知らない感情を抑えていた


「星夜?大丈夫…??無理しちゃダメだよ?何かあったら僕に言ってね」ニコッ


ほら、そうやってまた優しく私に微笑みかけた。もっと好きになっちゃうしその笑顔は私の前だけに見せて欲しいと思ってしまった。


「うん♪ありがとうね銀河ちゃん♪♪」ニコニコ


私は銀河ちゃん同様に何もない素振りで取った笑顔を貼り付けて返事をした。私達はそれを黙って見ていた夕ちゃんが居るのも知らずに…。



「そう言えば…」


「「????」」


夕ちゃんがこの場の空気を変えるように何かを思い出したみたい。私と銀河ちゃんは2人で夕ちゃんの方を向いた。


「龍耶さん覚えてる?ほら、中学の時の先輩」


「あ~…無自覚人たらしのイケメン先輩か」


「それで夕ちゃん、龍耶さんがどうしたの??」


私は夕ちゃんに龍耶さんと今の状況何が関係あるのか疑問に思って聞いてみた。何故、そこで龍耶さんの名前が出てきたの本当に謎である


「その龍耶さん、家族で喫茶店開いてるらしいよ。つい最近オープンしたらしくて…あと龍耶さんの恋人(予定)もいるって華龍さんから連絡入ってた」


「そうなの?というか夕、いつの間に華龍さんと仲良くなって連絡交換してるのよ」


「え?言ってなかったっけ??華龍さんと私付き合ってるよ??」


「…はっ?」


「…えっ??」


私と銀河ちゃんは先程の事が真っ白になる様な衝撃を受けた。まさか夕ちゃんと華龍さんが付き合ってたなんて……これは一大事だ


「それで華龍さんにはなんて返事したの?」


私は真っ白になった思考を無理矢理引き寄せる様に夕ちゃんに聞いた。夕ちゃんは


「近々そちらにお邪魔しますって伝えといた。ほら、なんかお二人さん。ぎこちない感じだし折角再会したのに取り返しが付かなくなる前にと」


こういう時の夕ちゃんは凄く頭がキレる子であるのは私も銀河ちゃんもよーく知ってる。夕ちゃんは普段おちゃらけてるけど芯は真面目な子である。銀河ちゃんは龍耶さんと同じで結構ドライな性格してるけど…銀河ちゃんと夕ちゃん本当に従姉妹なのかな?って疑ってしまうぐらいに正反対な性格だから


「そうでもないんじゃない?ねえ、星夜??」


「そ、そうだよ。夕ちゃん嫌だなぁ~~」


「そうは見えないんだけど?まぁいいか…後々分かる事だろうし。とにかく!明日ぐらいに龍耶さんに会いに行こう。あんた達二人が心配だから。いい?銀河。星夜」


「僕は構わないけど…星夜は?」


「…わ、私も構わないよ?」


「決まりね。それと私、もう帰るから明日の朝10時にあの丘に集合ね。ちゃんと来るの?特に銀河。あんた寝坊したりするんだから」


「はいはい分かった分かった」


「う、うん」


私と銀河ちゃんは夕ちゃんの勢いに負けて返事した。ほんと夕ちゃんの行動力凄くて見習いたい。


「それじゃお二人さんまた明日!おやすみ~~」


「夕おやすみ」


「夕ちゃんおやすみなさい。夜遅いから気をつけて帰ってね?」


「星夜優しいなぁ♪ありがと~♪気をつけてかえるね」ニコニコ


「そんな事ないよ//////」


「ほら、夕さっさと帰んな。じゃないと星宙だけじゃなく華龍さんにも言いつけるよ」ムスッ


「あらあら~銀河ちゃんが珍しくやきもち~??星夜愛されてるね~」


「いいから早く帰れ」


「はいはい。お邪魔しました~」


私達は夕ちゃんを見送って部屋に戻った。さっき銀河ちゃんがやきもち妬いてたみたいだけどなんでなんだろう…恋人さんだから??

うーん…銀河ちゃんって滅多に表情や感情に出さないからよく分かんないや


──────────────────────────────────────

とある喫茶店


「ねえねえ、りゅうちゃん。夕希ちゃん達明日ここに来るって。可愛い後輩ちゃんが遊びに来るね♪♪」


「銀河達と会うの何年ぶりだろう…でも元気にしてるみたいだし会うの楽しみだね」


「……(誰ッ!?銀河ちゃん?夕希ちゃん??)」


「祈織ちゃん、大丈夫だよ。本当に先輩と後輩ってだけだから。それにボクはキミだけだからさ」ニコッ


「うっ…違うし別にやきもちなんか妬いてないし!/////////」カァァーッ


「はいはい♡」ナデナデ


「うぅ…//////」


「りゅうちゃんと祈織ちゃん仲良いわね~♪ふふっ」

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