第五話 銀河宅〜星夜の気持ち。再認識〜

…ピンポーン


「はーい。ちょっと待ってて〜」


玄関のチャイムが聞こえた。その主は先程電話で話していた僕の愛しの恋人…巳滝星夜である。僕は嬉しさと共に玄関に向かった。それを背後から見ていた夕はこっちをニヤニヤしていた。その顔でニヤつくなよ。


ガチャッ


「いらっしゃい星夜。寒くない?いや…暑くない?だね」


「うん。大丈夫だよ。昼夜でまだ気温差があるもんね…」


「そうだね。ここで立ち話もなんだから部屋の中に入ってゆっくり寛いでて。飲み物は何がいい?紅茶?コーヒー?」


「お邪魔するね。うーん…ミルクティーがいいかな?」


「ミルクティーだね。わかった。リビングに夕がいるから夕と一緒に話でもしててね?あと夕に部屋荒らすなって言っといて。あいつすぐにあっちこっち探るから」


「うん!わかった♪」


僕は星夜を招き入れ、夕と一緒に会話をしながらゆっくり待っててくれと夕に釘を刺しといて欲しいと伝えた。星夜は嫌な顔せず快く受け入れてくれた。ほんと星夜は優しいな…昔と変わってないや


──────────────────────────────────────


リビング


私は銀河ちゃんに言われてリビングで待ってる事にした。銀河ちゃんがいるキッチンと私がいるリビングは同じ空間にある。銀河ちゃんは夕ちゃんのイタズラは自分が言っても聞かないから私に言って欲しいとお願いしてきた。他ならぬ銀河ちゃんのお願いだから嬉しいし快く引き受けた。夕ちゃんのイタズラに悩まされてる銀河ちゃんは昔から変わらないんだね。そんな事思ってると案の定夕ちゃんがイタズラしてるのを発見した。私は銀河ちゃんに言われた事を夕ちゃんに言うのであった…。


「夕ちゃん、イタズラはダメだよ?銀河ちゃん困ってたから程々にね?星宙ちゃんに嫌われるよ」


「うっ…星宙ちゃんにだけは嫌われたくない」


「うんうん。えらいえらい♪♪」


私は柔らかく釘を刺すように夕ちゃんを諭した。怒るのは苦手だし人に不快な思いさせたくないから。でも本当に心配で仕方ない時は怒っちゃうけど。そんな夕ちゃんは私の言葉を聞き入れたのか…最後の一撃が効いたのか咄嗟にイタズラをやめたみたい。これで一安心だね。銀河ちゃん。そんな銀河ちゃんはミルクティーの甘い匂いを漂わせながらリビングの方に戻ってきた。夕ちゃんもミルクティーだったらしく。銀河ちゃんは何飲むのかな?

因みに銀河ちゃんがリビングに持ってきたカップは2つだけ。


「おーい2人とも〜ミルクティーできたよ」


「ありがとう銀河ちゃん♡」ニコッ


「どういたしまして♡」ニコッ


「ありがとう銀河ちゃん♪」


「……夕は普通にしてくれ」


「え〜〜銀河のいけすぅぅぅぅ」


「はぁ………」


私は銀河ちゃんにお礼と共に笑顔を送った。

えへへ♡…好きな人にお礼を言うだけでも何故か嬉しい気持ちになる。そんな姿を見た夕ちゃんはイタズラな笑みを浮かべて私の真似をしてお礼を言った。それを見た銀河ちゃんは凄くドライな感じで軽蔑な目で夕ちゃんを見ていた。普段は優しいのに時々こういう目をする銀河ちゃん…嫌いじゃないけど少し怖いかな?寡黙な人だから余計にそう感じちゃうのかもだけど。でも2人にはそれが普通なんだよね…良いような悪いような?


「さあ、気を取り直して!お話しよ!ねえ、銀河ちゃん!夕ちゃん!」


「だってさー銀河さん?愛しの姫君がこう言ってるんだから機嫌直して??」


「どの口が言うか。まぁ仕方ない…星夜の面を立てて今回は許してやるよ。次はないからな」


「銀河さん優しい〜♪そんな事言って毎回許してくれるもんね♪そんな銀河好きだよ」


「はいはい。僕も好きだよー」


ズキンッ…。


「あはは…仲良しさんだね」


今心がズキンッとした…なんだろ

2人が普通に会話してただけなのに心が痛むって…。それに銀河ちゃんは私の大切な恋人さんだし大丈夫だよ。銀河ちゃんは私を裏切る事なんて絶対にしないもん。そんな私を見かけたのか銀河ちゃんが心配そうにこちらを見てきた。優しすぎるよ銀河ちゃん…もっと好きになっちゃう


「星夜…大丈夫?無理しないでね?体調悪かったら言ってね?」ナデナデ


「う、うん!ありがとう銀河ちゃん///////」


銀河ちゃんが誰かに取れちゃうって不安に思ってたのかその不安を和らげるかの様に銀河ちゃんが私の頭を優しく撫でてくれた。凄く落ち着く…銀河ちゃんのこういう何気ない優しさに私は惚れていた。銀河ちゃんは分け隔てなく誰にも優しいからそれが時々不安になっちゃうけどね。それ以上に私に愛情という優しさをくれるそんな銀河ちゃんが私は大好きなんだと改めて実感した

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