第三話 再会。そして…

僕は目的の丘に辿り着いた。その丘から見える星空は最高に綺麗だ。僕はこの場所が大好きで僕の想い人であるあの子との大切な場所。そこにあの子が今日来るという連絡が妹・星宙と従姉妹の夕希に来た。僕の方にだけ連絡が来なかったのは正直寂しかったけど、逆に良かったのかなぁってそんな事思いながら辺りを見渡していると1つの人影が見えた。あれはもしかして…。僕は恐る恐る確認する様に優しく声をかけた。


「あの…人違いだったらごめんね。巳滝星夜…さん??」


「…銀河ちゃん。ただいま♪」


その時流れ星が1つ流れた。その光と共に懐かしい笑顔が見え、懐かしい声が僕の体にある全ての細胞を刺激した。これは…夢?いや…現実だ。僕の長年の想い人である、1人の女性が僕の目の前にいる…。ずっと逢いたかった


「星夜…おかえり。ずっと逢いたかったよ。君がこの街を離れた7年間。僕はずっと君を思っていた。今年の七夕の夜に…今日、今此処で君にやっと逢えた。大好きだよ星夜。」


僕は嬉しさのあまり突拍子も無いことを言ってしまった。だがここで訂正するのもおかしな話だ。そんな事考えてると星夜は…。


「銀河ちゃんありがとう。銀河ちゃんのその好きは友達として?それとも…1人の女の子として??」


星夜は真剣で眼差しだけど優しくも芯のある声で僕に聞いた。僕は星夜に気持ちを伝えられるならと…応えを返した


「1人の女の子…女性として君が…星夜が好きなんだ。誰にも渡したくない程に僕は君の事が…」


「そっか♪銀河ちゃんも私と同じ気持ちだったんだね♡うれしいなぁ〜えへへ♡」ニコッ


なんて優しい笑顔…天女が目の前に現れたみたいだ。そういえば織姫って一番偉い神様の娘なんだっけ…。星夜は織姫なのかな?なんてね。星夜がもし織姫なら彦星は…誰なんだろ?僕かな??…僕だとしたら1年に1回しか星夜に会えないとなる。それは嫌だなぁ…


「ねえねえ、銀河ちゃん?」


「ん?なに??」


「織姫様と彦星様の関係って知ってる??」


「確か…夫婦だよね?それがどうしたの??」


「ううん。ただ聞いただけ♪それに」


「それに??」


「私と銀河ちゃんはあの二人の様にもう離れ離れにはならないよ。だってこれからはずっと一緒だからね♡」


「うん。そうだね!今まで7年間離れ離れになってたんだしこれはずっと一緒だよ」


僕と星夜はお互い向かい合う姿勢で確かめる様に手と手を繋ぎ、指を絡め見つめ合った。


「銀河ちゃん、誕生日おめでとう!生まれてきてありがとう。大好きだよ♡」チュッ


星夜は僕を祝うと共に頬にキスを1つ落とした。僕が知ってる星夜とは一段と成長していた。そりゃそっか…僕らはもう20歳過ぎてるんだもんね。可愛かった星夜は大人になり綺麗になった。本当に綺麗になって素敵だよ


「星夜ありがとう。嬉しいよ/////僕も星夜が大好きだし愛してる。これからもずっとずーっとね」ニコッ


「えへへ♡それじゃ銀河ちゃん!今日はいっぱい楽しもうね♪夕ちゃんや星宙ちゃんも待ってるだろうし!さあ、銀河ちゃんのおうちにれっつごー!!」ニコニコッ


星夜は天の川と満天の星空を背に僕のを引いて帰路に向かった。この後、物陰で見ていた夕は僕と星夜をおちょくる様に寛大に祝った。その話は後日するとしよう。

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