第二話 貴女と七夕の夜<巳滝星夜>

「私の名前は巳滝星夜って言うの。よろしくね銀河ちゃん♪」


「うん。よろしく」ニコッ


私はあの日初めて恋をした。それは七夕の夜。夜空に輝く綺麗な銀色の河…天の川を背に眩しく輝く銀色の髪を持つあの人に……。


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「星夜、そろそろ出発するわよ」


「はーい。ねえ、お母さん。」


「何?」


「次引っ越す場所って前に住んでた所なんでしょ?」


「えぇ。そうよ。急にどうしたの?」


「ううん。なんでもない」


「そう?あ、それと幼馴染の二人には連絡したの?夕希ちゃんと銀河ちゃんに」


「え?あー……」


「まさかとは思うけど忘れてたとかじゃないわよね?」


「まぁ…えへへ♪」


「はぁ…とりあえず夕希ちゃんには連絡しときなさい」


「はーい♪」


なんで夕ちゃんにだけって思うでしょ?それは私が銀河ちゃんに恋してるのを母親は知っているからだ。緊張しすぎて好きな人にはあまり連絡出来ないのを母親は把握済みである。なにせ母親もそういうタイプであったらしい


「夕ちゃんに連絡しとこうと…〖夕ちゃん、明日そっちに帰る予定だから銀河ちゃんにはナイショでね♪〗…送信。と」


ふぅ…。私は夕ちゃんに大好きな銀河ちゃんには内緒にしてもらう為にLINEを送った。だって、大好きな銀河ちゃんを驚かせたいから。私からちょっとしたサプライズプレゼントだよ。そう、7月7日は銀河ちゃんの誕生日でもある。


「早く明日にならないかなぁ…銀河ちゃんに逢いたい」


私達は引っ越しの車の後を追いかける様に新居に向かった。

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〖7月7日当日〗


「そういえば星夜。今朝、貴女宛に星宙ちゃんから電話あったけど」


「えっ!?星宙ちゃんから!?」


「えぇ。銀河お姉ちゃんからの伝言で"""あの丘で待ってる"""って」


星宙ちゃんとは…私の想い人である龍泉銀河ちゃんの妹で龍泉星宙(りゅうせん そら)って言うの。私が幼い頃によく面倒見ていた妹同然の子。その子が姉である銀河ちゃんから伝言を預かったみたいなんだけど…その伝言の中の〖あの丘で待ってる〗のあの丘とは私と銀河ちゃんが星降る夜に初めて出逢った忘れもしないあの丘の事である


「貴女も隅に置けないわね♪ふふっ」ニコニコ


「もうっ//////」


「昨日の内に部屋の片付けは終わったんでしょ?ほら、いってらっしゃい。銀河ちゃんとも積もる話もあるだろうし会えなかった時間(とき)も含めてめいっぱい楽しんでらっしゃいな♪」


「う、うん!お母さん…」モジモジ


「何?改まって」クスッ


「あ、ありがと…/////」


「いいのよ♪お母さんは貴女が幸せならそれだけで嬉しいだから♡」ナデナデ


「えへへ♪それじゃいってくるね!」


「はい。いってらっしゃい♪」


私はやっと銀河ちゃんに再会できるって気持ちを大きく膨らませてあの丘へと向かった。

銀河ちゃん待っててね!



この後、私は思いがけない所で再会をするのであった…そう。あれは本当に思いがけない再会だった。これこそが運命のイタズラなんじゃないかな

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