銀色の河に輝く星夜

🐉奈緒🌌

第一話 君と七夕の夜<龍泉銀河>

僕はあの日、眩しく輝く1つの光に出逢った。そう僕はその光に恋をした


「僕は銀河。龍泉銀河。君の名前は?」


「銀河って言うんだね♪よろしくね。銀河ちゃん♪私の名前?私の名前は......」


───────────────────

ピピピピ.........


「んー...うるさいなぁ」


僕は目覚まし時計を止めた。なんか夢を見てた気がする...あの女の子。確か……


「ぎんがぁぁぁぁあああああああ」


リビングからうるさい声が鳴り響いた。この声は……


「何?朝からうるさいんだけど…って勝手に家の中に入って来ないでよ。夕」


「だって〜どうしても銀河に聞いて欲しくてぇぇぇ」


そう。僕の従姉妹の時昏 夕希(しぐれゆうき)だ。こいつはうるさい部類の人間だが決して悪い人間ではない。ただ明るくてうるさいだけ。下の名前が夕希だから夕と僕は呼んでいる。


「だからってこんな朝早くから来るのはどうかと思うよ。それで聞いて欲しい事って何?」


「そうそう!あんね、今夜星空見に行こうと思うの!7月7日といえば…??」


「んー僕の誕生日じゃない??」


僕は面倒くさい事に巻き込まれたくないと思い、わざとボケてみた。それを分かったのか、僕のボケはスルーされた。そりゃそう


「7月7日といえば七夕でしょ!織姫と彦星が年一で逢う日!!逢瀬でしょうよ!!」


「あーはい。そっすねー」


「もう!銀河はロマンのかけらもないなっ!」


「いやだってあの二人が年一に逢う羽目になったの恋に夢中になりすぎて仕事サボったのが原因でしょ。ロマンもかけらもないのは仕方ないかと」


「それでも!だよ!銀河モテるのにそういう所は凄く冷めてるよね。恋愛した事なかったっけ??」


「いや…あるけどそれとこれとは別でしょ」


「付き合っても数ヶ月で別れちゃうもんね〜こんなにかっこいいイケメン女子なのに勿体ない。ほんと勿体ないよ」


「うっ……」


しょうがないじゃん。付き合っても相手が僕に飽きちゃうんだからさ。僕のこの冷めきってる性格が原因なのも分かってる。


「ねえ、銀河が好きな子のタイプってさ…」


「何よ。そこまで言ったなら言いなよ」


「銀河ちゃんはせっかちさんなんだから♡」


「うるさい。それで僕の好きな子のタイプはどんな子か把握してるんでしょ?」


「え、まぁそうだね。昔、私と銀河と遊んでた幼馴染のあの女の子。確か…星夜って子。あの子みたいな子がタイプなのかなぁって」


図星である。確かにその通りだ…星夜。

夢に出てきたあの子がそう。もしあの子にまた出逢えるならもう一度逢いたい。そんな事思ってると夕は僕に朗報と言わんばかりにこう言った


「そういえばさ〜星夜がこの街に帰って来るらしいよ。いつか分からないけどぉ〜〜」チラッ


僕の様子を窺うかのようにチラッとこっちを見てきた。夕の読み通り僕は体が反応していた。わかり易すぎだろ自分


「へ、へぇーそうなんだ。そういえば星夜がこの街を出ていったのは7年前だもんね」


僕は動揺を隠す様に振舞った。そんな様子を見てた夕は僕の耳元でこう囁いた


「折角だから星夜に逢いたいでしょ?ならさ、またらあの丘に星空見に行こうよ。銀河と星夜にとって大切なあの場所に。ね?」


「うぅ…」


確かに星夜に逢いたいしもう一度あの子に出逢えるなら僕はあの場所に行きたい。僕と星夜が初めて出逢ったあの場所に…。


「それでどうする?銀河は行く?それともやめとく??まぁ答えは決まってるだろうから聞くのは野暮よね」


「分かってるなら言うなよ。それに断る理由もないし行くよ」


「さっすが銀河〜♪そういうところ好きよ♡」


「はいはい。その辺にしとかないとうちの妹にチクるからね」


「えぇ〜それは嫌だぁぁぁ」


従姉妹である夕は僕の妹をめちゃくちゃ気に入ってる。自分の妹の様に…妹に恋人が出来ようならば全力で阻止しにいくぐらいには気に入ってるらしい。がんばれ我が妹よ


「って事だから今日の予定は決まったし銀河。今年の七夕は良い日になるといいね♡彦星と織姫の再会という事で〜♪♪」


「へいへい。夕はさぞかし楽しそうでいいね。こっちの身にもなって見ろってんだ」


「銀河って時々口調おかしくなるよね」


「はっ倒すぞ」


「いやん♡」


「夕がやっても可愛くない」


「愛しの星夜ちゃんなら可愛いもんね〜♪ね〜銀河ちゃん♡」


「宇宙の藻屑にするぞ」


「てへッ♪」


この従姉妹、本当に僕の従姉妹なのか謎なんだけど…。因みに名字が違うのは夕の父親の姓が時昏である。母親の名字は龍泉でうちの父親の妹。


「ねえねえ、そういえば親父さんは?」


「あー親…父さんは海外出張に行ってるよ」


「今、親父って言おうとしなかった?ね、銀河さん」


「気のせいじゃない?」


「ダンディな親父さんだけどさ〜」


確かにうちのバカ親父は髭が似合うダンディな人だ。凄く声が良い子煩悩で愛妻家だが…因みに声はバーテンダーが似合いそうなセクシーな声。いや娘の僕的にはセクシーな声とは思わないけどね


「銀河のお母さんも超美人だし羨ましい〜〜」


「母さんは怒るとやばいけどね。思い出しただけでも鳥肌が……」


「どこの家庭も母は怒らせたらいかんね。うんうん」


「それは同意」


「だよね〜〜星夜も普段はのんびりしてて危なかったけどあの子も怒らせたら怖いと思うから銀河も気をつけてね?」


「寧ろ星夜を怒らせる方が難しいって」


「それもそうだよね〜」


「うんうん。」


「よっしゃ、んじゃ銀河ん家集合ね♡」


「なんでそうなる。お前ん家でもいいでしょ。 それと僕、今は一人暮らししてるから集合場所は僕の実家」


「も〜っ銀河は細かいなぁ〜」


「夕はうるさいな。星宙に言いつけるよ」


「それは絶対にいや!それとぉ〜星宙(そら)ちゃんに逢いたいしぃぃ〜〜♪♪」


「ほんと星宙好きね」


「銀河に似ず可愛いんだもん」


こいつが従姉妹じゃなかった絶対に星宙とは会わせたくない。因みに星宙(そら)とは僕の妹だ。そういえば星宙は星夜の事気に入ってたんだっけ…星夜がよく面倒見ててくれたなぁって。そんな妹から驚くサプライズプレゼントされたのはこの後である…まさかあの様なサプライズプレゼントになるとは

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