第8話ヒーロー見参
現場に急行してみると……
「ブヒィ」
大きな豚もしくはイノシシ人間が、清楚系で小柄な美少女を襲っていた。15、6歳くらいだろうか?
豚人間のヴィランは、言うなれば……オークロードってところ? 狼男と同じく、よだれをダラダラと垂れ流している。
「嫌ぁーーー!」
オークは、美少女にのしかかって、盛大にビリビリと被害者の服を破る。
(食事はもっと、優雅にやれよ)
品性のかけらもない。
あと、
「ヒーロー、
被害者の美少女を安心させるように、大げさに名乗りをあげる。「私が来た!」みたいなものだ。
歌舞伎的に“
今回のポーズは、さっきまで見ていたギリシャ彫刻のドキュメントに影響を受けた物だろう。具体的に言えば、“これから、オリンピアで円盤を投げるぞ!”的なポーズ。
ヴィランが人間を襲うのは、満月の日が圧倒的に多い。満月の夜以外は、俺も服を着ている。
別に、満月の夜は俺の変態的な嗜好が高まるからって理由だけじゃない。――破けるのだ。筋力をおこすと、服が!
(全く、満月の夜以外に暴れるんじゃない!)
後ろには、麗奈もいる。
美少女2人の前で服を脱ぐわけにもいかず……
こんなときは……
詩音の発明の力を使う。腕時計型ヒーロー装置の機能の一つ。
「【変身】」
一瞬でマントの下は、ハイレグの海パンいっちょうという姿になる俺。この海パンもマントも特殊素材でできており、核攻撃でも喰らわない限り、決して破れない。
ヴィランを見ると、豚といえども筋骨隆々である。大きさ的には、縦横ともに俺の3倍で全身の脂肪の厚みも凄い。
(とりま……10%)
筋肉を1%から10%にする。
「お願い、助けて。ヒーローの人!」
必死に助けを求める、美少女。
「安心して! 京介さん、とっても強くて、とってもいい人だから♥」
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