第13話 ~幕間~アビス様視点3

 

 ああ~、俺様に協力的なソフィア愛らしい、愛らしすぎるぞ! これは客人じゃなく、俺様の嫁になりたいって事でいいんだよな~~~~?????????


 思わず反射的にキスしそうになったぞ~~~~~俺様は大人だから上手く誤魔化したがな~~~あ~~可愛いな~~~~俺様のソフィア~~~~~。俺様のもっと近くで、俺様の顔見ながら飯が食いたいだと~~~俺様が食べちゃうぞ~~~??????ガオ~~~ッ!!!


 ソフィアになら魔界イチゴ全部くれてやってよかったのにな~~~ッ!!! 俺様が食ってるの見てるだけでいいって! 謙虚か~~~???????


 これはもうプロポーズしなくてはならないな、魔界宝石店のカタログはどこやったっけな。黄色い地上の月のような髪、サファイアのような瞳に似合う婚約指輪はどれだ????


 既に人間界の月の女神が蒼の宝石を抱えて俺様の腕の中に落ちて来るこの状況、並大抵の宝石なんぞじゃ太刀打ちできんぞ! 既にお姫様抱っこしてやってるからな!!! 俺様はカタログを放り捨てた。


 しかし、そのソフィアも……俺様の本当の姿を知ったら……。


 ズキリと胸が痛む。普段の姿は長い漆黒の髪、血のように真っ赤な目、魔王の美しいカッコイイ威厳が漏れ出て困るくらいなのだが、だが……。


「ううう、おおーーー!!!」


 〇



「まお~さま、自分からお茶持ってこい言っといて~」

「一生クネクネダンスしてるから声掛けづらい~」

「面白いから見てよ~」


 お茶を運びに来た、手のひらサイズの女子三人組は、アビスの奇行の一部始終をワクワクと見守っているのだった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る