眠れぬ夜にジタバタと【第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト】

yori

短歌二十首部門『眠れぬ夜にジタバタと』

気まぐれに 月のヒカリで 暖を取る

 程良く冷めた お陽さまの熱


気のせいか 空気を揺らす 囁きを

 辿ってみれば 本棚の前


マグカップ ミルクなみなみ あっためて

 はちみつタラリ 夜は更けてく



星たちが 銀河のうわさ 流しては

 キラキラ騒ぐ 新月の夜


なぜかしら 鳩もカラスも 宵っ張り

 なんかツラれて 私も起きる


洗濯機 隣もウチも お向かいも

 唸るセッション 揺れるアパート


眠れない 夜の囁く やかましさ

 誰も彼もが みんなウルサイ



満月が 誘うお外は 青白く

 ベッドに未練 あるけど出てく


なるほどね 秘すれば花と 言うけれど

 月下美人は 人知れず咲く


悪いこと しちゃうよだって 夜だもの

 ラーメンのあと パフェ食べるの


なんてこと 気持ちはあふれ る言葉は

 こぼれると知る 終電前


来てほしい 明日と違う 明日でも

 眠れぬ鼓動は 同じ速さ


化けるなら 可愛いタヌキ 綺麗なキツネ

 悩んで顔に 筆を走らす


夜だけは 自由になれる 自分から

 鏡の中の 私が笑う


ネオン街 踊り歩いて ぶつかった

 見えないガラス ここは箱庭



熱帯夜 夜風を待つも 風鈴は

 私を置いて 微睡みのなか


なんでかな 見えるはずない ココロとか

 夜なら見える そんな気がする


起きている 錯覚してて 寝ていたと

 起きて気づくの 何度目だろう


夜更かしは 遊びじゃなくて 生き様だ

 いのち削って 足掻き続ける


大丈夫 意外と夜は かしましい

君も私も みんな起きてる



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