不思議ちゃん・二律背反(にりつはいはん)

猫野 尻尾

第1話:摩訶 不思議ちゃん(まか ふしぎちゃん)

お試し投稿〜。

だからすぐフェードアウトするかも。



15歳になった仙女の卵「不思議ふしぎ」はある日、祖父である仙人の「摩訶 愕来まか おどろき」から

呼び出された。


「不思議・・・おまえももう15・・・話しておかねばならんことがある」

「そこに座れ・・・ちと長くなるゆえ」


「話?・・・なに改まって」


「我が家の言い伝えじゃがな・・・実はわしもおまえも生まれる前の時代の

ことじゃ・・・」

「その時代は今と違って争いが絶えず人々は疲弊して国は繁栄を失いかけて

いた時、それをいいことに魔物がやってきてこの世界を暗黒に変えようと

目論んで次々国を滅ぼして行ったのじゃ」


「人類は国や民の隔たりを超えて、みんなが協力して魔と立ち向かったが力及ばす、

人類は魔物によって滅ぼされようとしていた」

「そんな時、天の助けか地の加護か・・・ふたりの英雄が現れたのじゃ」


二律背反にりつはいはんと言う言葉がある」


「世の中には陰と陽が・・・裏と表があるように、お互いが相容れない矛盾した

存在であっても相互的に深く結びつく関係「愛」もある。


まさに魔を混沌の世界に封印したのは陰の力を持つ女と陽の力を持つ男。

ふたりがお互いの力「愛」を合わせたゆえ魔を封印できたのじゃ。

陰の力を持つ女の名前は「秘密葉ひみつば」と言ってわしとおまえのご先祖様じゃ」


「え〜そんな話、私初めて聞いた」


「おまえが15になったら話そうと思っておったからな」

「陰陽ふたりの愛の力でもって魔は封印された・・・だがその封印も時代を

経るとともに少しづつだが力を失いかけておる。


「封印が解かれたらまた魔物の暗黒の時代がまたやって来るのは必定」

「そうなる前に準備せねばならん」


「準備って?」


「魔と戦うための準備じゃ」


「よいかお前はこれから日本へ行って陽の力を持つ男と契りを結ぶのじゃ」


「ち、契り?・・・ちぎりって?」


「契りってのは、つまり・・・エッチ・・・え〜と夫婦になるってことじゃ」


「夫婦?・・・私、まだ15だよ・・・早いよ、おじいちゃん」

「もっと遊びたいし・・・」


「何を言っとるんだ、15なら立派な女子おなご・・・なんの遜色がある」


「ん〜って言うか、そんな見ず知らずの男子・・・イヤだよ」

「見たことないし合ったこともしゃべったこともないし・・・それにデブで

たれパンダみたいな人だったらどうすんの?」


「ビジュアルを優先しておる場合ではない、多少ブ男でもそれは妥協せねば

ならんこと」

「相手の名前は「絵似愚馬 紅牙えにぐま こうが


「お〜名前だけ聞いたらめっちゃカッコよさそう〜」


「おまえより2歳上じゃ」

「よいか、イヤだとか贅沢を言っとる場合ではないんじゃぞ?」

「分かっとるか?」


「だって仙女の修行もまだ残ってるし・・・」


「修行なぞ、日本に行ってからでもできるであろうが」

「これは、言わば摩訶まか家の宿命」

「不思議、それがおまえの定め・・・運命じゃ」


「おまえが許嫁として絵似愚馬えにぐま家におもむくことは先方も承知しておる」

「腹を決めよ、不思議!!」


ってわけで、摩訶 不思議は祖父と共に日本に行くことになった。

一度も行ったことのない国、日本。


不思議がおじいちゃんから聞いた話によると日本人はみんな、ちょんまげとか

って髪に結った頭をして腰に刀を差してるとか・・・なにかあるとすぐ仇討ちじゃ〜って斬り合ってるんそうだ。


これから摩訶 不思議まか ふしぎは日本って国で見ず知らずの男「絵似愚馬 紅牙えにぐま こうが」との、

支離滅裂・・・ちがう!!紆余曲折な暮らしがはじまるまるのだ。


つづく。


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不思議ちゃん・二律背反(にりつはいはん) 猫野 尻尾 @amanotenshi

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