第22話 邪魔者のいなくなった家族(一縷の妹編)

 本日の夕食は神戸牛のステーキ。脂がのっていて、とてもおいしそうだった。


「おかあさん、すっごいごちそうだね」


「厄介者を消せたんだから、これくらいはしないとね」


 しょうねは水を口に含んだ。


「邪魔者は殺しておいたほうが、よかったのでは・・・・・・」


「そんなことがばれたら、大変なことになるわよ。他の家で生活させたほうが、こちらの被害を最小限に抑えられるわよ。一縷に何かあったときは、被害者ずらをして一億円を請求すればいい。誘拐されたことにすれば完璧だわ」


 計画を自慢そうに話すおかあさん。完璧すぎるプランに、自然と笑みがこぼれていた。


「一縷は完全に赤の他人。これからは、関わることは一切ないと思っておきなさい」


「死神、疫病神とかかわらなくてもいいの」


「そうよ。私たちは永久的に顔を合わせなくていいのよ。疫病神と離れられて、悠々自適な生活が待っているの」


 あまりの嬉しさに、万歳を何度も繰り返した。


「万歳、万歳、万歳、万歳・・・・・・」


「家に残された荷物を処分するわよ。ご飯を食べたら、手伝ってね」


「おかあさん、わかった」


 痴漢犯罪者の荷物を処分し、完全に関係を断ち切る。そのことを想像するだけで、自然と笑みがこぼれていた。

 


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