瞳の魚
彼女の瞳には魚が泳いでいる。ある日は赤い鰭の美しい琉金、ある日は青くて小さなネオンテトラ。魚の種類は、どうやら彼女のその日の気分で変わるらしい。朝の教室で、僕はおはようを言いながら彼女の瞳を覗き込む。見たこともない虹色の魚を瞳に泳がせながら、彼女は妙に真剣な顔でそっと口を開いた。
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