宝石の海

 罪人は宝石の海に沈められる。沈んだ体は宝石となり、被害者の遺族に渡される。

 男が一人、今しも紅玉の海に沈もうとしている。年端もいかぬ娘を殺した大罪人だ。私は黙って処刑台を見ている。瑠璃、黒曜石、そして紅玉。あぁ、次は翠玉が欲しい。首を巡らせる。見知らぬ青年と目が合い、私は微笑んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る