181.咳払い、ひとつ
「やーっぱり、エルフが人狼なのじゃ」
「違うぞ」
「いや、社長とキリシたんが来とらんじゃろ」
「泳いで帰ったぞ」
「そんなシステムあったかのう!?」
投票フェーズ開始早々、俺はヨーキに正体をバラされた。
上位チャット:またしてもシステムの嘘で騙そうとするエルフさん(失敗)
上位チャット:草
「それにしても、お主よくダブルキルを成功させたのう」
「俺様も驚いたぜ」
「私も驚きました! さすがはエルフさんです! 倒し甲斐があります!」
「二人が警戒していたことを考えると、僕たちが想定していない特異な方法を用いたのかもしれませんね」
ヨーキ、占い師の炎太郎、ミソラ、狂人のスタッフ。それに俺を含めた五人が現在の生き残りであった。
上位チャット:驚いたとは言うけどあっさり受け入れたね
上位チャット:まあ、エルフさん被害者の会だし
上位チャット:被害者の会w
上位チャット:みんな、エルフさんと出会って好転したんだけど、なぜか被害者の会の方がしっくりくる不思議
「しかぁし、投票はまだ村人有利なのじゃ! ワシらがエルフを吊ればそれで終わる!」
「はい! 私ミソラが思うに、無効投票を呼びかけてアイテム集めをすれば投票より安全に勝てますっ!」
「いや、それはダメなのじゃ。もう一度ダブルキルされたらおしまいじゃぞ」
「うっ……」
「俺様、ここで無効投票はちょっと選びにくいぜ」
「僕も同意します」
上位チャット:実は不要な警戒なんだけどな
上位チャット:四人グループはエルフさんがどうやってダブルキルしたか知らないからね
上位チャット:あー、スーパープレイを想像しちゃうわけか
「さて、そろそろ特殊アイテム使用不可の時間じゃ。エルフよ、何か言い残したいことはあるかの?」
「はわー。私エルフさんじゃないんですー」
「だから、私の真似だけおかしくないですかっ!?」
上位チャット:草生える
上位チャット:なんで、逆神様だけ毎度クオリティ低いのw
上位チャット:はわー
「時間なのじゃ! 点呼!
「ミソラのスタッフです」
「俺様は燃える男、焔村炎太郎だぜ!」
「ミソラです」
「……ん?」
上位チャット:あれ?
上位チャット:あれれ?
上位チャット:重複がない……?
「これは……どういうことじゃ?」
「はい! ミソラです! 単純にエルフさんが無言になっただけじゃないですか?」
「そのスタッフです。僕たちの誰かとエルフさんが入れ替わった上で、入れ替えられた本物の発言を禁止した可能性もあります」
「……厄介なことになったのう」
上位チャット:二択問題かと思ったら五択問題だったでござる
上位チャット:これは当てにくい!
上位チャット:でも、それでいいのか?
上位チャット:と、いうと?
「俺様、その可能性はないと思うぜ。あのさっぱり出ねえ特殊アイテムを二種類なんて集められねえはずだ」
「じゃが、実際に一戦目でキリシたんを相手にそれをやっとるぞ?」
「エルフさんがここまで試合を長引かせたのは、特殊アイテムを探していたからかもしれません」
上位チャット:ほら、脱出まで猶予があまりないから
上位チャット:エルフさんにとっても、ここで村人陣営を吊れないと苦しくなる
上位チャット:そうか、攻撃回数は一回分しか補充されないんだった
上位チャット:ここで村人陣営を吊れれば、次にエルフさんが噛んで村人一で投票だから次回投票で確実に終わる
上位チャット:ここで村人陣営を吊れなければ、次にエルフさんが噛んでも村人二で投票だからさらに次まで続く
上位チャット:村人二で無効投票に移ると、さらに苦しくなる
上位チャット:じゃあ、決めに来る……?
「こほん。スタッフです。どちらにせよ、質問を重ねればわかることでしょう」
「それは……そうじゃのう」
「質問します。ミソラが最初に応援したプロ野球チームは東京都のチームですか?」
「違いますよ」
「どのチームか言えますか?」
「兵庫県のチームですね」
上位チャット:合ってるの?
上位チャット:合ってる合ってる
上位チャット:しかし、プロフィールの範囲内でもある
「では、『ドレミソラ』ではなく『ミソラ』が最初に応援したチームはどうですか?」
上位チャット:おおっ!
上位チャット:切り込んだ!
上位チャット:弟特権!
上位チャット:なるほど、Vじゃなくて私生活ならプロフィールにも出ないな!
上位チャット:でも、スタッフって確か、
「私が最初に応援したチームも同じですよ」
「わかりました」
そう切って、びしりと人差し指を向けた。
「――ミソラはニセモノです。彼女がエルフさんに間違いありません」
上位チャット:狂人だよね?
【エルフさん視聴者視点】
人狼、エルフ
キリシたん →死亡
占、炎太郎 →◯ミソラ
ミソラ
狂人、リク →◯ミソラ
人狼、キョーカ →死亡
霊、社長 →●キョーカ、死亡
幼女
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