180.対戦相手として
「がおー」
「ふむ。待っていたよ、エルフさん」
「動じない」
「動じてほしかったのかね?」
「ん」
俺はキリシたんを噛み殺すと、エルフに自信ニキのもとへ急いだ。が、エルフに自信ニキは逃げることもなく部屋でのアイテム探索を続けていた。
上位チャット:
上位チャット:成功させる意味はあるんですか?
上位チャット:可愛い!
上位チャット:
「逃げなかったんだな」
「逃げていればエルフさんから逃げ切れたのかね?」
「無理」
最悪、五分ほど追いかけっこをすることにはなったが、確実に捕まえられた。
「そうだろうから、無駄な抵抗をするより種明かしを聞かせてもらおうと思ってね」
上位チャット:あ、それは聞きたい
上位チャット:こうしてエルフさんが正体を表したってことは殺す手段があるんでしょ?
上位チャット:いったい、どんな裏技を使ったの?
「そんな難しい話じゃない。エルフに自信ニキの真似をしただけだぞ」
「……私の真似?」
「ゲームの仕様で嘘を吐いた」
上位チャット:エルフさん、何か嘘吐いたっけ?
上位チャット:そもそもゲームの仕様に関して発言した?
「したぞ」
上位チャット:なんて言ったの?
「あ、すみませーん。追加でーす。ひとりの人狼が一ターンで二回攻撃を行うと、その後に死亡しちゃうのでご注意くださーい」
上位チャット:え
上位チャット:は
上位チャット:え
上位チャット:え?
上位チャット:えええええええええ
上位チャット:ええええええええええええええ!?
上位チャット:ダンボールの人の声だ!
上位チャット:嘘でしょ!?
上位チャット:嘘だろ!?
上位チャット:マジか……マジなのか
上位チャット:ちょっと待ってちょっと待ってちょっと待って
「何だ?」
上位チャット:それ、いつ吐いた嘘でしたっけ……?
「本戦の開始直後だぞ」
上位チャット:そんな前!?
上位チャット:録画確認した。ダンボールの人による本戦の仕様の解説が終わって、「また試合後にお会いしましょう」って言った直後だわ
上位チャット:そういや、言ってたなぁ「この場の女性なら全員覚えたぞ」って
上位チャット:ダンボールの人も込みだったのかよ!
「他のやつより一手分有利」
上位チャット:これ、村人陣営でもアドバンテージあるなぁ
上位チャット:とんでもない仕込みだ
「……ふっ」
上位チャット:お?
上位チャット:エルフに自信ニキ?
「はははははっ! はーっはっはっは! なるほど! これか! これなのかっ!」
上位チャット:大笑い
上位チャット:びっくりした
上位チャット:こんな手で来られたら笑うっきゃないわ
「いや、騙された! 騙されたよ、エルフさん!」
「嬉しそうだな」
「くくっ……私も我が社のタレントたちのように、対戦相手としてエルフさんの突拍子もない一撃を食らってみたかったからね。ああ……こんな気分だったのだな……」
上位チャット:エルフに自信ニキがファンしてるキリシたんたちと同じ体験ができたわけか
上位チャット:しかも、社長はエルフさんのファンでもあるでしょ
上位チャット:そう聞くとめちゃ羨ましい
上位チャット:エルフさーん、俺らも騙してー
「いいぞ」
上位チャット:え、いいの?
上位チャット:やったぜ
上位チャット:騙すってそういうものだっけ……?
上位チャット:多分違う
上位チャット:で、何で騙してくれるの?
「ヨーキと一緒になって俺を当ててみろ。――勝負だ」
◇◆◇
「あと、エルフに自信ニキ殺さなきゃ」
「ぐわぁ!?」
上位チャット:もうちょい
【エルフさん視聴者視点】
人狼、エルフ
キリシたん →死亡
占、炎太郎 →◯ミソラ
ミソラ
狂人、リク →◯ミソラ
人狼、キョーカ →死亡
霊、社長 →●キョーカ、死亡
幼女
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