177.エルフさんの提案
「ほう。全員揃ってるのじゃ」
「殺人は発生しなかった。これは成功と見ていいだろう」
二回目の投票フェーズが始まる。俺が誰も殺さなかったので、キョーカを除く全員が揃っていた。
上位チャット:実際、エルフに自信ニキの作戦がハマったよな
上位チャット:たったあれだけの緩い相互監視で完全にノーチャンスだったもんな
上位チャット:殺すこと自体はできそうだったけど、言い逃れができそうになかった
上位チャット:二人きりのグループか炎太郎が狂人だったらいけたのに
上位チャット:運がなかった
「では、社長はこの作戦を続ける気かの?」
「そうすべきと考えるが……盛り上がりに欠けるかね?」
「そこはいいじゃろ。ゲームは
上位チャット:RTAに魅せられた者のにおいがする!
上位チャット:青臭いけど魂が理解してしまったのでもう俺はダメです
上位チャット:作られた舞台もドラマを生むけど、それはまた別の機会でいいよね
上位チャット:それ以前に、エルフさんが素直に展開させてくれるとは思えないしなw
「提案する」
「エルフさん、何かね?」
「次からグループは二つにして、四人のグループには占い師を二人とも入れよう」
「む……」
「そうすると、両方のグループが必ず村人陣営二人以上になるぞ」
上位チャット:んんん?
上位チャット:えーと、占い師の片方は狂人だけど四人グループに入る
上位チャット:人狼が混ざっても、四人グループだから、狼狂占村で白二人
上位チャット:三人グループは狂人が入らないから、人狼が入っても狼村村で白二人
上位チャット:完璧じゃん
上位チャット:エルフに自信ニキの作戦の発展版だ
上位チャット:でも、それって……
「ほほう。これは強いのう。
上位チャット:人狼がめちゃ不利になる提案では?
「……確かに、私もそう思うが」
「うまくいけば、俺にMVP票が来る」
「……合理的だと同意するが」
上位チャット:エルフに自信ニキ社長?
上位チャット:裏を疑ってる?
上位チャット:もしや、これが警戒心なのでは?
上位チャット:ああ、エルフさんが言ってたやつか
上位チャット:最善手を潰すために、あえてエルフさんから最善手を提案したのか!
上位チャット:ありえる!
「社長、あたしはいいと思うわよ」
「俺様もそう思うぜ」
「僕も賛成しましょう」
キリシたんが賛成すると、すぐに炎太郎、ミソラのスタッフが続いた。が、
「私は反対です!」
上位チャット:え?
上位チャット:逆神様?
「なにゆえ?」
「エルフさんが提案したからです!」
上位チャット:草
上位チャット:直感かw
上位チャット:理屈じゃなかったw
上位チャット:しかし、こういう形で逆神様姉弟の意見が割れるとは面白いな
上位チャット:さて、エルフに自信ニキの結論は?
「……エルフさんの提案を採用したい。ドレミソラにも従うよう要請する」
「はいっ! 社長さんは霊媒師で村人陣営確定ですが、決定権はないはずです」
「その通りだ」
「なら、私は好きにしていいですか?」
「足並みは揃えたい。ひとりで自由に動き回るドレミソラが人狼であれば、グループ分けが意味をなさなくなる」
「それは……」
上位チャット:おおぉ?
上位チャット:あれぇ?
上位チャット:エルフに自信ニキ、エルフさんの提案採用しちゃった
上位チャット:警戒心ってそういうことじゃないの?
「エルフに自信ニキは俺を警戒していたわけじゃないぞ」
上位チャット:え
上位チャット:そうなの?
「エルフに自信ニキは全部を警戒していた。ゆえに、俺から出た提案を警戒した。でも、エルフに自信ニキが最後に頼るのは理屈だから、ミソラの意見は封殺して俺の提案を採用した」
上位チャット:なるほど?
上位チャット:なんか、さらっとエルフに自信ニキが最後に頼るものは理屈だと言い切ってるエルフさん
上位チャット:逆神様はなんだったの?
「ミソラは目的にまっすぐ向かうことを選ぶ」
上位チャット:目的?
「MVP。勝利はもう度外視してるぞ」
上位チャット:ワォ、思い切りいい
上位チャット:あー……確かに、逆神様っぽいわ
「だから、『有力過ぎる提案』が出れば反対する。村人陣営も人狼陣営も関係なく、ミソラはMVPを最短距離で狙うために反対する」
上位チャット:待って待って待って
上位チャット:おかしいこのエルフおかしい!
上位チャット:どこまで先読みしてんの!?
「お、投票だ」
上位チャット:ちょっとぉー!
上位チャット:答えてってー!
有力な人狼候補が出なかったため、投票はすべて棄権となった。
こうして、誰も吊られることなく二回目の投票フェーズは終了したのだった。
【エルフさん視聴者視点】
人狼、エルフ
キリシたん
占、炎太郎 →◯ミソラ
ミソラ
狂人、リク →◯ミソラ
人狼、キョーカ →死亡
霊、社長 →●キョーカ
幼女
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