131.エルフルート
「ルート開拓するぞ」
上位チャット:どうしてそうなった
上位チャット:初プレイで目隠しプレイのルート開拓する人、初めて見た
上位チャット:酒飲み幼女さん、いいんですか?
「ワシが開拓したルートで一発攻略されるのは嫌じゃが、エルフがルート開拓するのはいいじゃろ。使い物になるならワシも使うことを約束するのじゃ」
「任せろ」
上位チャット:「これくらいならいいか」という軽い気持ちでエルフに手を染めてしまった幼女
上位チャット: 「2.5Dのみんなもエルフさんと遊んでるよ」という甘い誘いに乗ってしまった幼女
上位チャット:重いエルフさん依存症に苦しむ視聴者もいるんですよ!
上位チャット:か、課金を! 早くスパチャをさせてくれ!
上位チャット:違法薬物かな?
「いや、さすがに大丈夫じゃろ。……大丈夫じゃよな?」
上位チャット:大丈夫大丈夫
上位チャット:いけるいける
上位チャット:何も問題はない
上位チャット:平日の日中からエルフさんを追い掛けてる俺らの言葉だ、信じてくれ!
上位チャット:ッフゥー……上司をやり過ごしたぜ! 今、何の話をしてるとこ?
「やっぱり、ダメな気がしてきたのじゃ!」
「このステージだな」
「あ、これ! 待たんか!」
「行くぞ」
「お主、人の話を聞かんな!?」
上位チャット:エルフさんだし
上位チャット:渡辺家から参った! 拙者、振り回される幼女は新鮮でござる!
上位チャット:お、渡辺家中の者が
上位チャット:うちのエルフがどうもすみません
上位チャット:いえいえ、こちらこそ幼女がコントローラー離さなかったみたいですみません
「ワシは子供か!?」
「子供じゃないのか?」
「そこだけ聞いとるんかい! こんなでも、二十歳は超えとるのじゃ!」
上位チャット:二十歳……幼女、幼女なんだ……ううぅ
上位チャット:お酒飲むから二十歳……でも、幼女……ぐぁあああ
上位チャット:いかん、渡辺家民が矛盾に
上位チャット:鬼の二十歳はまだ幼児期という解釈ではどうか?
「何あれ?」
酒飲み幼女に指定されたステージが始まると、すぐ前方に金属光沢を思わせる筒のようなものが立っているのが見えた。
上位チャット:砲台です
上位チャット:真横に飛翔する砲弾を発射するよ
「本当だ」
大きな破裂音に続いて、黒い砲弾が飛び出してきた。
とはいえ、操作キャラが歩く程度の速度なので、難なく回避できた。
「このステージは通常プレイでもかなりの難所なんじゃ」
「そうなのか?」
上位チャット:砲台の数が一個や二個なら音聞いてから対処余裕なんですがね
上位チャット:この後、ステージ前半の終わりまで高さの違う砲台がズラっと並んでる
上位チャット:地上にも敵がいるから厄介
「上を飛べばいいんじゃないか?」
「やってみればいいじゃろ。ステージ開始直後の島で助走すれば離陸可能な速度を稼げるのじゃ」
「やる」
上位チャット:落ちは知ってるけど
上位チャット:さようならエルフスカイ
上位チャット:なぜ殺した!
上位チャット:早い早い
「飛ぶぞ」
ステージの端から最高速度まで勢いをつけて離陸。最高高度に達したら、ジェットを噴かして最高速度のまま高度を維持して進む。が、
「逆さ砲台」
上位チャット:それがあるんですよー
上位チャット:どこから伸びてきてるのか謎の逆さ砲台
上位チャット:中間手前で、ズルしたやつを皆殺しにする罠
上位チャット:逆さ砲台はこの一ヵ所だけなんだけど、その一ヵ所が本当にいやらしいんだよなぁ
「どうすれば?」
上位チャット:いやもう、砲台にぶつかっちゃった時点でできることはないです
上位チャット:死ぬまでゆっくり落ちるくらいしか
上位チャット:小さい足場はあるから、目が見えてる状態なら復帰可能
ジェットの残り火を使ってゆっくり降りていくと、なるほど、逆さ砲台の下端の先、三ブロック分戻った場所に一ブロックの小さな足場がある。
「あそこに乗ればいいんじゃないか?」
上位チャット:目隠ししたままで?
上位チャット:逆さ砲台に隣接してたら着地できるけど、この距離はちょっと狙えない
ひとまず小さな足場に着地すると、逆さ砲台の向こうに五ブロックほどの小島があった。
「あの小島が中間地点じゃよ。あそこから飛び立てるなら楽なんじゃが、狭すぎて助走距離が足らんのじゃ」
「飛べないのか?」
「後半は前半以上にデコボコしたステージでのう。飛ぼうにも最高速度まで加速できる場所がないんじゃ」
「よし、目隠しする」
上位チャット:え
上位チャット:何か方法思い付いたの?
上位チャット:エルフさん?
上位チャット:見えてないです
上位チャット:あ、そっか
上位チャット:どうせ、無茶苦茶難しいことするんだろうなぁ
「難しいことはしないぞ」
上位チャット:エルフさん?
上位チャット:見えてないです?
上位チャット:このやり取り、逆神様の時にもやったようなw
「まず、ジェットを付けた状態でステージを開始する」
上位チャット:ふむ
上位チャット:普通ですね
「助走を付けて、飛ぶ」
上位チャット:ふむ
上位チャット:普通ですね
「ジェットを噴かして高度を維持する」
上位チャット:ここまでおかしいところはないな
上位チャット:俺でもできる
「で、この瞬間にジェットを切って前に進みながら落ちる」
上位チャット:ん?
上位チャット:どの瞬間だって?
上位チャット:あ
上位チャット:え
上位チャット:嘘ぉ!
上位チャット:避けた!
上位チャット:逆さ砲台避けて、小島に斜めに突っ込んだ!
「速度は最高のままだから、このタイミングで小島から離陸する」
上位チャット:だから、どのタイミングw
上位チャット:離陸できてるし
上位チャット:酒飲み幼女がエルフさんの前で手を振ってて草
上位チャット:さっき逆の配役で見た光景だ
「ゴール」
「なんでじゃあ!?」
上位チャット:いやいやいや
上位チャット:エルフさんはエルフさんだからできるかもしれないけど
上位チャット:人間にはできそうにないんですが
「BGMに合わせて動くのはできるんだろ?」
上位チャット:確かに、幼女はそういうことしてるけど
上位チャット:え……これ、再現できる動きなの?
上位チャット:ステージの端に行く
上位チャット:助走付けて飛ぶ
上位チャット:特定のタイミングでジェットを切る
上位チャット:特定のタイミングで離陸する
上位チャット:……できそうだな
上位チャット:一ステージまるごと動作を暗記で済ませるのか
「いや、待てぇ! 待つのじゃ! なんで、初見プレイなのに、滑空の開始地点がわかったんじゃ!? あと、離陸タイミングもじゃ!」
「高度も落ちる速度もBGMも一定だろ?」
上位チャット:プレイしながらタイミングを計算したってことかー、なるほどー
上位チャット:なるほどで済ましていいのか、これ?
上位チャット:拙者、エルフ初見民。大分困惑
上位チャット:大丈夫大丈夫
上位チャット:いけるいける
上位チャット:何も問題はない
上位チャット:平日の日中からエルフさんを追い掛けてる俺らの言葉だ、信じてくれ!
上位チャット:ッフゥー……上司を巻き込めたぜ! 今、何の話をしてるとこ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます