第2話 早くも波乱の予感!?

入学式も終わり、教室でほっと一息。あー、腰がバッキバキだなぁ…

次はロングホームルームか。何やるんだろう…


というか、お姉ちゃんと愛里はどうしてるんだろ。二人とも、今は先生が来るのを待ってる途中かな?


あ、先生が来た。若い男の先生…何先生だっけ、このクラスの担任だったと思うんだけど。

確か、か、かなんとか…


あたしが必死で思い出そうとしていると、先生が話し出した。


「みなさん、おはようございます。俺はこのクラスの担任の神田翔、教科は英語やってます。よろしくお願いします」


あ、神田先生か。ふーん……

なんて思ってたら。


「よし、じゃあ自己紹介しようか!とりあえず一番の秋本から!」


うーわ、自己紹介かぁ…あんまり得意じゃないんだよなぁ…


「先生、何を話せばいいですか?」


秋本さんの問いに、うーんと悩みながら先生は、


「名前と好きな食べ物、入ろうと思ってる部活と、まぁ最後にクラスメイトに向けて一言、にしようか」


と言った。


秋本さんが立ち上がり、自己紹介を始める。


「初めまして、秋本紗英です。好きな食べ物は親子丼で、入りたいと思っている部活はソフトテニス部です。一年間、よろしくお願いします」


へー、ソフトテニス部かぁ。うん、なんかいかにも運動できそう。


そんなことを考えながらみんなのを聞いていると、遂にあたしの番が来た。


あたしはすっと立ち上がり、ドキドキしながら言う。


「初めまして、田上絵愛です。好きな食べ物はカニクリームコロッケで、入りたいと思っている部活は……えっと、部活に入るんじゃなくて、姉と妹と三人でアイドルユニットを組んで、ハイドラにエントリーしようと思っています。よろしくお願いします」


あー、言っちゃった。イタイ奴だと思われてないかな?


そう思いながら周りを見ると、へー!とか、すごいー!とか、応援するね!と言ってくれていた。


わ、嬉しいなぁ。頑張ろう!

そう思い、前を見ると。

何故か神田先生が苦い顔をしている。どうしたんだろう?


少し気にはなったけど、今はクラスメイトを覚える方が重要。みんなの自己紹介を聞いて、早く覚えなきゃ。


あたしの後ろの子が立ち上がったので、後ろの方を向くと。

後ろの席の子が話し始めた。


「初めまして、津田ゆりかです。好きな食べ物は黒ごまプリンです」


へー、黒ごまプリン好きなんだ。美味しいよねあれ。


ん?待てよ?ゆりかちゃんは何部にはいるんだ?


そんなあたしの疑問に答えるかのように、ゆりかちゃんは大きく息を吸って話し出した。


「部活は、新しく作ろうと思います。何部かって言うと、私も田上さんと同じくアイドルユニットを作ってハイドラに出ようと思っています。よろしくお願いします!」


え?マジで?

いや、ハイドラに出たいって人と会うだろうなとは思っていたけど、まさか同じクラスの後ろの席の子だとは思わないじゃん?


えー!!!


そして、驚きのあまり他の人の話に集中出来ないまま、ロングホームルームは終わってしまった。


今日は入学式とロングホームルームだけだから、これで終わり。

とりあえず、お姉ちゃんと愛里にこのことを伝えなきゃ…!


そう思い、荷物を持って教室から出ようとしたあたしに、ゆりかちゃんが声をかけてきた。


「えまちゃんもハイドラに出るんだよね?てことは、私たちと戦うことになるよね。お姉さんと妹さんと出るらしいし。お互い学校代表の座をかけて頑張りましょう」


はっ、これは宣戦布告……

田上絵愛、もとい田上三姉妹、早速ライバル出現です!?

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