第3話 ネズミ(注)食事をしながらは読まないことを推奨
小さい細い黒いものなーんだ。答えはネズミの糞、工場では不定期にネズミが大量発生する。夜は屋根裏で運動会、食べ物を見つけたら未開封であろうが袋を齧って中身を食べてしまう。一回被害が出たら工場のあちこちで被害がでて、当然私たち寮生が使用している食堂も例外ではない、ネズミ駆除大作戦が決行される。
粘着式の罠をよく通る場所に置き、殺鼠剤を食害があった場所に置き、被害をこれ以上拡大させないように対策をする。粘着罠ははじめのうちは掛かるものの、一回かかると警戒してなかなかかからなくなるからネズミも学習するのだと逆に関心さえしてしまう。
粘着罠よりも徹底的に効果があるのは殺鼠剤だ、殺鼠剤を置くと食い意地が張ったネズミが大量に食べていく、何日も足しながらおいておくとだんだん減りが少なくなってくる、それがネズミが死ぬサインだ。
ネズミの思い出として一番衝撃的だったのが、コメなどを保管していた戸棚を開けたらなんか臭い、コメが腐ったのか?それとも自分の気のせいなのか?不信に思いつつ特にコメの見た目に問題がなかったため気のせいということにしてコメを研いだが匂いが気になるので戸棚を再び開けて、上下二段になっている下の部分に毛玉のようなものが落ちていることに気が付いた。匂いの元は明らかにその毛玉でよく見てみるとそれはネズミの死骸だった。
しっかり臭いを嗅いでしまい、その臭いの正体を見てしまったため、臭いが付いたコメを捨てて、死骸も土があるところに使わないお玉を使って持って行って捨てた。時期は夏だったため、腐敗が早く進んだのと、戸棚の中ということで死骸がなかなか発見されなかったということが悲劇の元であった。その日は外食をした。
それ以降そこの戸棚は匂いが取れず使用を控えるようになった。それ以降強烈な臭いは忘れることができなくなってしまった。ちなみにネズミはそれからして見なくなったが、その日からしばらくして再びネズミに悩まされるようになる。ネズミとの闘いはなかなか終わらないものであった。
勤めていた会社が倒産しました @loveso
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