兄の嫁にはなれないらしい

十歳年上の兄にお嫁さんが来ないと、母が悩んでいる。


「私がなります」そう言っても、相手にされなかった。


何度も言ってたら、真剣に怒られた。


「私、兄貴と結婚したいんだ」


「へ〜え、いいんじゃない。それ」


水川は、賛成してくれた。


千代子も、一応は賛成してくれた。


「でも、子供産めないわよ」


「どうして?」


「遺伝子がおかしくなるから」


「へ〜え、そうなの?」


「なに、あんた、そんなことも知らないの?」


「うん、知らない」


思わぬところから、千代子が実はインテリゲンチアであることが、バレてしま った。


これからは、それとして付き合い方を考えねばならないだろう、


と放課後の喫茶店、水川が耳元で囁いた。

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蘭子の日記 @J_Kawaraya

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