幼少期 09話 妖精、女神、王女様。

「侯爵閣下、ようこそマイラ神殿へ。

 本日は過分なお布施を頂きみな感謝いたしております」


 俺達が馬車から降りるとそこにはズラリと並んだ神殿の関係者。


「本日は孫のハレの日でありますからね。

 それを神に感謝するのは当然のことでしょう?」


 一歩前に出て挨拶した案内人――おそらく神殿の偉いさんと歓談しながら中に入って行く婆様と一歩後ろを付いてゆく爺様。

 その後ろにはオバサンとおかん、最後尾に俺とマリべ。

 もちろんさらに後ろから侯爵家の使用人も付いてくるし、それを囲むように護衛の騎士様が辺りを隙無く警戒してるんだけどな。


 穏やかな雰囲気、ゆっくりとした歩みで神殿の中に入ってゆく俺たち。

 そして、外が外でケバケバしているなら、中は中でゴッテゴテ装飾されていたりする神殿内部の壁床天井。

 日本でなら『部屋を明るくして離れて御覧ください』って字幕が入るような建物である。


(うえぇ……目がチカチカして三半規管がおかしくなりそう……)


(サンハンキカン? とは一体何でしょう?

 目がチカチカするには完全に同意いたしますが……)


 柱とか壁に彫られている像が普通の動物だから良いようなものの、もしこれがタコとかイカとか触手の生えた海産物だったら完全にクトゥルフ系の神殿だからな? 今でも中にいるだけで混乱系のデバフが掛かってそうだし……。

 昔は京都の有名なお寺の庭……枯山水とか一体何が良いんだよ? と思ってたけど、こういうのを体験させられると侘び寂びの良さを思い知らされるよな。千利休最高! ……でも、金の茶室も良い物だと思うよ?


 そんな、まだ到着したばかりで式は何も進んでいないのに既に帰りたい感全開の俺たち。外観からも想像できた通り、不必要に長い廊下を直進後退右折左折して辿り着いたのは神殿の最奥にある『儀式の間』と呼ばれるひときわ広い部屋。

 何だろうこれ、正八角形の……狭い日本武道館?


 もちろん神殿の中で(たぶん)コンサートなどの出し物は行われないので、広間を囲むような客席は無いんだけどね?

 先程までとは違い、白を基調とした壁に真っ赤な絨毯。上を向くとよく分からない天井画と銀色に輝く巨大なシャンデリア。うん、宗教施設はこういうのでいいんだよ、こういうので!


 正面には一段高くなるように祭壇のようなモノが設えられ、そちらに向くように席と言うか枡席? 家族席? みたいに区切られて立派な応接セットのようなズラリと並べられている。

 うん、やっぱり神殿と言うよりも劇場とか室内競技場とか秋場所とかそんな感じだな。

 俺達が案内されたのはもちろんその最前列となる、祭壇から一番近くの特等席。これ、席順もきっと出したお布施の額と家格で決まるんだろうな。


 てか、案内された席の隣……そこだけ空間が切り取られたみたいに光を放ってる気がするんだけど?

 その雰囲気に当てられた……と言うわけではないが、そこに佇む人物から目が離せなくなる俺。

 そして自然と、何も考えずに自分の口を突いて出たのは、


「金色に輝く絹糸のような髪に青い瞳……まるで光の妖精……それとも女神様の降臨……」


 という言葉。

 そんな俺の声が聞こえたのか少し驚いたような、綺麗なアイスブルーの瞳がこちらに向けられる……と、ともに大きく見開かれる。

 俺と同じように無意識に、健康的な薄桃色をした形の良い小さな唇からポツリとこぼれたのは、


「黒い髪に黒い瞳……まるで夜の妖精……いえ、月の神様かしら……」


 俺が彼女に感じたモノと同じ様な感想。

 そこに居たのは腰まで伸ばした金色の長い髪をキラキラと輝かせた、俺より少し年上に見えるスーパー美幼女。

 えっ? 何この子? 人間が持てる美しさを天元突破してるんだけど? もしかして武器はドリルなの?

 てか、最前列に居るってことはこの子も上級貴族様なんだよな? それもこれだけの美幼女……。


 そんな相手に子爵家の息子風情が話しかけちゃうとか……もしかして無礼討ち案件じゃね?

 お付きの人間! こんな子に俺みたいなのが近づけないようにちゃんと仕事してっ!?

 慌ててその場に膝を付き、彼女に謝罪の言葉を告げる俺。

 もちろん視線は彼女の、その整いすぎたお顔からまったく離れないんだけどさ。


「初対面でありますのにいきなり不躾なお声がけをしてしまい申し訳ございません。

 しかしそれも、全てを魅了してしまう様な貴女のその美しさが悪いのです!

 そう、これは私の責任であると共に貴女の責任!

 つまり初めての共同作業と言っても過言では無いと思うのですがいかがでしょうか?」


「マリー!! ボーゼルちゃんがいきなり女を口説き初めちゃったのだけれど!?」


「ぐぬぬ……やはり年齢ですか? 若い子のほうが良いと言うのですか?」


 確かに端から見ればナンパしてる様にしか見えないけれどもっ!

 相手はお姫様、なおかつ本人目の前にしてするんだからせめて女性って言えや!

 いや、それにしても幼女を口説くとか……どうなってるんだ俺?

 えっ? もしかしてロリコン? 俺、自分でも知らなかったけどロリコンだったの!?


「ありがとうございます……と、いいたい所ではありますが、さすがにいくらなんでもそこまでのお世辞はどうかと思います。

 でも耳まで真っ赤に染まったそのお顔、そして潤んだその瞳……とてもお世辞を言っているようにも演技をしている様にも見えませんね。

 一緒にいらっしゃるのはリュンヌ候マレグレータ様ですわよね?

 ということはこちらの妖精さん……ではなく殿方はお身内の方なのでしょうか?」


「これはこれはミリアヌス様。

 ボーゼル、あらためて殿下にちゃんとご挨拶をなさい」


 へぇ……彼女の名前はミリアヌスって言うのか……。

 てかデンカ? デンカって……電力会社が推し進める、災害時に停電しただけで一切何も出来なくなるあの電化? 別に何にも登録したこともないのにやたらとメールで勧誘されたあの? いや、どしつこく勧誘が来てたのは関○の振りをした『ナントカでんき』とか言う『電気代が安くなります!』をア○の一つ覚えのように繰り返してデメリットは何も説明しない、大まかに分類するとただの詐欺師になる連中からか。

 ……もちろん絶対に違うことは分かってるんだけどな?


 しかし殿下と呼ばれる人物ってことは、彼女は貴族を通り越して本物のお姫様? ……ああ! そういえば婆様が挨拶がなんたらかんたら言ってたよな!

 いや、婆さん、王女様がこんな可愛い幼女だとか一言も聞いてないんだけど!?

 報連相はもっと詳しくしておいてくれよ! 俺の初見が完全に不審者のソレになっちまってるじゃねぇかよ! もしも嫌われたらどうしてくれるんだよ!


 ……いや、冷静になれ俺。そもそも相手は幼女だ、いくら自分の外見が五歳児で歳が近いとは言えど『俺(オッサン)』からすれば恋愛対象にはなり得ないハズの

年齢なんだ。

 目を閉じて深呼吸を一つ、脳内に酸素を送り込んでから目の前のお姫様にご挨拶。


「数々の無礼の段、平にご容赦くださいませ。しかしこの様な場での初めてのお目もじ……これはもう運命だと思うのです!

 ……ではなくてですね。私はボーゼル・フォン・ヴェルツ。

 そちらで顔を引き攣らせておりますリディアーネ・フォン・ヴェルツ子爵の子でございます」


「そう……ボーゼル様とおっしゃいますのね。

 わたくしはミリアヌス。ミリアでもアヌスでもお好きに及びくださいませ」


「ゴフッ!?」


 この美幼女、いきなり何言い出してんだよ! もしかして王族ジョークとか初対面の相手に対する鉄板ネタなのか? さすがにア○スとは呼べんわ! 王女様を黄門様さま呼びとか某ア○ルちゃんもビックリしてキュッってなるわ!


「それではミリアヌス殿下とお呼びしても?」


「もしかしてボーゼル様、人の話を聞かないタイプの方ですね?」


 聞いた話をちゃんと噛み砕いた結果がこれなんだけどね? 普通は初対面の王族を愛称呼びとか絶対に出来ないからね?

 しかし……なんだこの胸の高鳴りは?

 繰り返すけど俺、全然ロリコンとかじゃないはずなんですけど?

 うちの本棚にはクジ○ッ○ス先生とか沼○し○む先生の薄い本なんて並んでなかったんですけど?


 そう、だからきっと……この可憐な幼女を見て可愛いと思うこの気持ちは『娘』とか『妹』に向けらるような親愛の感情であって、下心など一ミクロンも存在していないはず。

 まぁ俺には日本では家族らしい家族なんて一人も存在しなかったんだけどな!

 でもほら、これ――お姫様と親しくするのは母の敵である侯爵の命令だから!

 ヘビに睨まれたカエルのようにそれに従うのは仕方のないことだから!


 今は確かに? 幼女の年齢が年下過ぎる感はあるけれども! 彼女があと十年……もしかしたら五年くらい成長すれば……ギリギリセーフなのではないだろうか?

 いや、そもそも今の俺って五歳児だし? 相手はむしろちょっとお姉さんに当たるし? あくまでも子供同士なんだから友達感覚で親しくするくらいは全然問題ないよなっ!

 誰に対して何の言い訳をしてるんだ俺は。



 まぁそんな子供らしい俺の妄想。

『将来は超美人なお姫様と幸せなキスをしてハッピーエンドを迎える』

 などという『おとぎ話的未来』を想像して、心の中心でロリコンが歓喜の歌、むしろ狂喜の詩を歌う――そんな幸せな世界はあっという間に終わりを告げた。

 そう、それは全て過去の話。もうここは転職の間……天職の神殿じゃないんだ。というかもう既に帰宅してたりするんだ。


 それも王都にある婆様の屋敷ではなく、辺境にあるおかんの領地まで帰ってきちゃってるからね?

 もうね、あれだけ興奮してカッチカチだった俺の心の鉛棒がふにゃふにゃだわ。なよなよ通り越してふにゃふにゃだわ。

 一体何があったのかって? そんなの神殿での神託……じゃなくて天啓に原因があったに決まってるじゃん。



 いきなり飛びそうになった話はまたまた五歳式、スーパー美幼女であるミリアヌス王女と出会った場面まで戻る。

 俺と彼女が挨拶を交わした後、彼女が王族としての本日の職務である『五歳式を迎える子供に壇上がら寿ぎを述べる』を終わらせた後、続々と他の貴族の子女というか女の子が天職(ジョブ)や技能(スキル)を伝えられる。

 まず最初に前に現れたのは質素な服装の年若い女性。


「えっと、あの人って神殿関係者なんだよね?」


 何あの『ターンアンデッド!(物理)』って感じの物凄い恵体の巫女さん……。


「関係者といいますか助祭様ですね。

 まずは大勢いる士爵(騎士爵)家や準男爵家などの対応をするのでしょう」


 俺の隣でそう解説してくれたのは壇上から戻った後、何故かこちらの席……俺の隣に座り式を観覧している王女殿下。

 まぁ何故かと言うか、俺が「よろしければご一緒しませんか?」って誘ったんだけどさ。


 俺、日本では自分から女性に声を掛けるなんて一度もしたこと無かったのに、驚くくらいのプレイボーイっぷりの発揮である。

 もちろん同じ席の婆様はニコニコ、おかんとマリべはふくれっ面である。

 てか王女様にもギリギリ聞こえそうな声で「猫……泥棒猫……」とかつぶやくの止めろ。


「汝、パロマには『剣士』の天職が見える……その技能は『両断』……」


「汝、スサニタには『調理人』の天職が見える……その技能は『料理』……」


「汝、マイサには『弓使い』の天職が見える……その技能は『強弓』……」


「汝、オーティには――」


 王女様と俺が楽しく雑談している間にも続々と自分の名を呼ばれ、壇上で天職と技能を伝えられてゆく子供たち。


「何この完全な流れ作業……想像以上に神聖さもありがたみも無いんですけど……」


 場所は神殿だけどやってることは卒業証書の授与みたいな感じだしさ。


「それもしかたがありません、なにせ人数が人数ですので。

 それでも貴族としてこちらの祭儀場に入れるというだけで、彼女らにとってはとても名誉なことなのですよ?」


「そうですね、確かに私もこちらに入ることが出来なければ、本日こうしてミリアヌス殿下のご尊顔を配し奉ることが出来なかったわけですもんね?

 その一点だけでもどれだけ名誉なことか、如何に幸運なのかを噛み締めております!」


「ボーゼル様、王族相手だといえど、さすがにそこまでのおべっかは……」


「心外ですね、私の、この目を見てください!

 これがお世辞を言ってる人間の目に見えますか?」


 これでもかと五歳児を押し出した悲しい子犬のような澄みきった瞳で王女様を見つめる俺。


「わ、わかりました! 信じますからそのうるうるお目々で見つめないでください! 心臓が高速、むしろ光速の鼓動で破裂してしまいますので!」


 何だよその帝国華○団みたいな心臓は?

 たかあの少佐だか少尉だか言う人もロリコンの疑いがあるんだよな。そしてロリコンの少佐と言えばもっと有名な人も……。


「いや、俺はロリコンでは無いから何の関係もない話なんだけどな!」


「? ボーゼル様、いきなりどうかなさいましたか?」


 そんなショートコントをしている俺達を無視してどんどんと式は進んでゆく。


 士爵家、準男爵家などのなんちゃって貴族の後は男爵家、そして子爵家、伯爵家……は今年は居ないのか。

 とうとう最後に俺を残すのみとなった五歳式。

 いや、俺って子爵家の息子なんだけど……ああ、神殿側が婆様爺様に忖度して侯爵家扱いになったと……お布施パワーすげぇな!


「てか、既にお告げの終わってる人が家族も含めて誰も帰ってないんですけど」


「それはまぁ……私のような女でもこれほど優しく扱ってくださるボーゼル様に、少しでも自分の娘の顔を覚えていただこうと思い、一言だけでも話しかける機会を狙っているのでしょう」


「むしろ、たかが子爵家の息子にこれほど優しく接してくださる姫様にお顔を覚えて頂きたのでは?

 そもそも今日は姫様のことで頭が一杯で他のことなど何も覚えて帰る余裕などございませんが?」


「もう……ボーゼル様ったらほんとにもう!」


 『真打ち登場!』とばかりに最後に祭壇に登ったのはこのマイラ神殿の神殿長である……名前は知らないお婆さん。

 うん、助祭様、司祭様、司教様、大司教様と四人続けてマッチョだったのに最後の婆さんはぶよぶよなんだな……。


「それでは最後にリュンヌ家のボーゼル、神の御前に」


 てか、これまでずっと(チラチラと横目で)確認してたんだけど、今回の式に参加してる今年五歳の貴族、男は俺だけだったんだよなぁ。

 うん、本当にこの世界には男が少ないのだと改めて実感。

 そして参加者全員からの、獲物をロックオンする猛禽類のような目ェ……俺のキンタマーニのバトゥール山がプレッシャーで平野になりそうだからこっち見んなや!


 はぁ……この式が終われば王女様ともお別れ……領地に戻ればもう二度と会えないような相手(ようじょ)に後ろ髪を鷲掴みされまくりの俺。

 ……マリべ、せっかく余韻に浸ってお姫様と二人で見つめ合ってるのに青筋を立てて「早くイッてください」とか言いながら後ろから押すんじゃない!


 仕方なく、本当に仕方なく、でもおかんのためにも格好悪い姿を見せるわけにはいかないので背筋を伸ばして(俺が思う)優雅なステップで祭壇を一段ずつ上がってゆく。

 眼の前にはもちろんしわくちゃの肉団子……それもう毛が生えてないだけのキンタマではないだろうか?

 てかキンタマって毛が生えてるキンタマと毛の生えてないキンタマが有るって聞いたことがあるんだけどマジなの?


 などと、とてつもなくくだらない(&失礼な)ことを考えていた俺に神殿長から、


「ほう……これはこれは、さすがリュンヌ家のご嫡孫 なんともご聡明そうな男の子ですね」


「ありがとうございます神殿長様」


「実は我が家には三歳になるひ孫がおりましてね?

 成人した暁には是非ともボーゼル殿にお通い頂けましたらと」


 思わず真顔になりそうな内容のお声が掛かる。聡明な子供は偉い人の前でキンタマのことは考えないと思うよ?

 そして三歳の幼女を売り込まれてもどう反応すればいいのか分からんわ!

 あれやぞ? 俺のロリコンは王女様専用のロリコン。誰でもウエルカム! な節操なしロリコンとは理由が違うんだからなっ!


 でも、とりあえず神殿の偉いさんの言うことなので曖昧な笑顔で返しておく元ジャパニーズビジネスマンな俺。……そっちは鬱ですぐに辞めちゃったんだけどな。

 ウンウンと首肯きながら神殿長が祭器――直径三十センチはありそうな、大きな水晶玉の下部に何やら機械的な加工がされた魔道具――に手を翳すと、


「ゴホン、では早速ではありますが始めましょう。

 神よ……この者、ボーゼル・フォン・ヴェルツの秘めたる力をここに映し出したまへ……

 フェーイッヒ・カイト・オーヴリール!

 ……うん? おや……これはなんとも……」


 いや、なんともってなんなんだよ! さっきまでは淡々と進んでたのにいきなり余計な間を取りながら持って回ったような言い方するの止めろや! むっちゃ不安になっちゃうだろ! てかそのスンとした表情はなんの顔なんだよ! もっと頑張って感情を表に出せよ!


「ええと、何と申しますか……

 そうですね、まずはボーゼル殿の天職でございますが……

 ございません」


「はい?」


 思わず素っ頓狂な返事をしてしまう俺。

 祭場の他の人間からも、言葉は違えども同じ様な『それってどういう意味?』というようなざわついた反応。


「続きまして、現在習得している、そしてこれから習得予定の技能でありますが……

 こちらもございいません」


「お、おう……」


 そりゃ職業が無職ならそれに伴う技術が無いのは当たり前のことだよな。

 静まりかえる式場。俺の反応? 俺は別になんとも……。

 そもそも五年間引きこもってただけの幼児なのに、いきなり『あなたはお医者さんです!』とか言われたほうが『なんでやねん!』ってなるじゃん?

 なお、式に参加している俺以外の子供は全員某かの天職を授かっている模様。


 うん、これ……完全にやべぇ感じの流れだよな……。


「だ、大丈夫です! ま、まだ! まだ慌てるような時間ではないです!」


 むしろ慌ててるのはキンタマ……神殿長だけで、他の人間はただただ無感情な表情で息を殺してるんだけどね?


「天賦……そうまだ天賦が……残って……

 これも同じく……持たれてはいませんでした……」


「そ、そうですか……」


 天賦……今まで誰にも告げていなかった何か。

 最後に無理やり付け足したのに……それまで無いってどういう事なんだよっ!

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