天叢雲剣

 葦原建国祭初日終了後。

 シイ達は当初の予定通り、サイバネの実家である大社の屋敷を訪ねていた。


「予定ではここで姉上のことを依頼するはずだったのじゃが」

「それはもう達成済みですもんね」

「経緯はどうあれ世話になったな」

「あれ? じゃあ特別課外活動ってもう終わり?」

「どうやらそのようだ」

「うーん、ヒノヤビさんになんて言ったものか。結局エト君のことはよく分からないし」


 応接間へ通された六人がとりあえず席につく。現在、部屋の外では急ピッチで食事や個室などの準備が進められており、それが終わるまでやることも特になかった。

 尚、ムラクモはレジスタンスの残党狩りを指揮しているため不在である。また、別れ際にシイから浮遊する銀色の球体を返されて形容しがたい表情を浮かべていた。


「そういえば、ムラクモにも獣の耳が生えておったが、あれも獣化なのじゃ?」

「そうですね。その第一段階といえるでしょう。メリットもデメリットも小さい形態ですが、自己強化する分には最適です。興味があるのであれば皆様にも伝授して差し上げますよ?」

「余は遠慮しておく」

「僕はちょっと試してみたいことがあるかな」


 未だ暴走の恐れが色濃いアマツは明確に拒否し、武闘派のナルカミは興味示す。他の者は実際にやるかはともかく話だけは聞いておきたかった。


「確かにナルカミとは相性が良いかもしれません。召喚獣が三体独立しているので獣装との両立も可能でしょうし、肉体を強化出来れば雷轟夜叉状態の負荷も軽減できるでしょう」

「やっぱり? 話を聞いてからそんな風に出来ないかと思ってたんだよね」

「ただ、注意点として獣化したまま力を使い続けると段階が進んでいき、第二段階まで進むと先の人狼のように全身が異形化して暴走を始め、第三段階まで進んでしまえば肉体も変異を完了して完全に正気を失ってしまいます」

「あー、それじゃあ継続時間を延ばすのは厳しいか」


 あわよくば雷轟夜叉状態のまま戦い続けることが出来ればとナルカミは夢想していたが、そのために人間を止めるつもりはなかった。


「ちなみに今の私達は第三段階です。もっとも私達は特殊な例なので参考にしないように」


 知ってたとばかりに全員が頷く。今更驚くこともない。


「しかし、ムラクモはなぜ獣化のことを教えてくれなかったのじゃろう?」

「たしかに余も今日初めて知ったな」

「私は別口で獣化のことを耳にしましたが、ムラクモさんが使えるというのは初耳でした」


 テンコの言葉にアマツとフジは同意する。


「単純に恥ずかしかったのでは?」

「エトも獣化した姿を衆目に晒すことを忌避していた」

「まあ、あの顔とあの耳はちょっとね」


 ムラクモの厳つい顔と可愛らしい獣耳は凄まじくミスマッチしていた。あの場にいた誰もがその場で口に出せず、今この場でも言及に困るほどに。


「この話はここで止めておきますか?」

「そ、そうじゃな」

「うむ。あの場にいたのが我らのみだったのは幸いであった」


 本人が居ないのをいいことにムラクモが獣化のことを隠していた件は当人の羞恥心によるものと半ば決めつけられていた。

 そうではないことに気づいているのはシイだけである。聞かれれば話したが、わざわざ話すことでもない。本人でない以上、彼女も確証があるわけではないのだ。

 そうこう話している内に食事の用意が終わったらしく、広間へ向けてぞろぞろと移動を始める。


「こんなに賑やかな食事は久しぶりだ」


 国主となってからの食事はあまりにも味気なく、アマツの記憶にはまるで残っていなかった。テンコとサイバネの二人と席を共にすることさえ懐かしさを覚える。


「あと二日あるのですからあまり羽目を外し過ぎないで下さいね」

「余をなんだと思っておる。そんな真似出来るはずがなかろう」

「まだまだお堅いですね。そんなことではまた召喚獣の扱いに苦労しますよ」

「ぐぬぬ」

 

 反論したいアマツであったが、シイの言う通りにすることで召喚獣を制御出来ているので何も言い返せなかった。


「最終日は盛大に祝いたいのじゃ」

「成程。打ち上げというものか」

「僕たちからすると、やることは終わったし今日が打ち上げでもいいんだけどね」

「そのことなんですが、三人には特別課外活動として私と共にアマツ様とテンコ様の護衛となってもらおうかと考えています。その方が融通を利かせ易いので」


 これはフジがムラクモと相談して決めたことでもある。

 万が一に備えてレジスタンス残党からアマツ達を守るためというのもあるが、あらゆる意味で無法なシイの行動をある程度制限したという思惑もあった。せめてエトに戻るまでは大人しくしてくれという思いが感じられる。

 断る理由もない三人はそれを喜んで了承した。残党狩りに駆り出されるよりはずっと良いと。

 

「もっとも、後は建国祭を楽しむだけで何事もなく終わりそうですね」


 何か見えていたのか。シイの言葉通り初日以降の葦原建国祭は大したトラブルもなく盛況のうちに幕を閉じた。大社では盛大な宴が催され、アマツも久しぶり羽目を外して楽しんだ。

 その日の深夜。ふと目が覚めたアマツは月明りの下で対峙するシイとムラクモの姿を千里眼で垣間見た。





 ムラクモはとある一族の母の元に生まれた。

 母はしきりに呪われた血筋と蔑み、それを父は貴い血筋と何度も否定する。ムラクモが幼い頃はそんなやり取りをよく耳にした。

 父は母を心から愛し、敬っていたようだ。そんな父に母は呆れながらも救われていたのだろうとムラクモは思う。

 ムラクモが二人の教えを実感したのは召喚獣が発現してからのことだった。

 あらゆるものを見通す魔眼。国主が持つとされる千里眼を上回る力を秘めたそれは父が貴い血筋の証とするのも理解できる代物であった。

 只人には身に余る力だ。獣化せねばまともに使う事も叶わず、平時より己の身を滅ぼす異能など呪いと大差ない。年々衰弱していく母を前にムラクモはそれを悟った。

 一族の血を引く者は代々短命であり、強靭な肉体とは裏腹に常日頃から病に蝕まれるような苦しみを抱えて生きることになる。

 それでも次代に受け継がなければならないと、ムラクモは母から獣化の法と共に教わった。

 父はそれを貴い血筋を絶やさぬためと解釈していたようだが、己の死期を前にした母はムラクモにだけその理由を教えてくれた。

 先祖代々受け継いできた本当の歴史と契約を。

 それは一般的な歴史とはまるで違うものだった。

 自分たちは禁忌を犯した罪人の一族だと、母は涙を流しながらムラクモを抱き締めて何度も謝った。その身に宿る呪いは罰であり、いずれ来たる償いと契約を果たすために使わなければならないと。だからこそ、必ず次代に受け継いでくれと頭まで下げた。

 後日、ムラクモの母は亡くなった。

 父がおかしくなったのはそれからのことだ。

 国が疲弊しているのは国主が偽物の血筋であり、御三家の傀儡となったのも力が足りないせいだと公言するようになる。加えて母の一族こそ真に国主となるべき血筋であり、ムラクモを祭り上げようとした。

 そして、先代の国主が起こした動乱の際に革命を起こそうとした父は処刑されてしまう。


 その首を刎ねたのはムラクモだった。

 

 母が正しいのか。それとも父が正しかったのか。はたまたどちらも正しく、あるいは間違っていたのか。

 己はどうすべきだったのか。

 滅私奉公。それだけがムラクモの生きる道であった。

 国主に仕えて草薙の家名を賜り、病弱であった妻を娶って娘を授かった今でもムラクモには分からない。

 だが、そんな長年の疑問も今宵明らかになるかもしれなかった。

 同時に今日が命日となるかもしれないが、レジスタンスの掃討を終えたことで先代の国主への最低限の義理は果たした。妻の病も治り、娘もそろそろ独り立ちする頃、己がいなくとも大丈夫だろうとムラクモは覚悟を決める。

 今、片目だけになったムラクモの魔眼には月明りの下で妖しい微笑を浮かべるシイの姿が映っていた。全ての答えを知っているかもしれぬ存在が。


「レジスタンスの掃討、お疲れ様でした。見事な働きぶりでしたね」

「これは監視のつもりか?」


 ムラクモは自身の側に浮遊する銀色の球体目をやった。それは淡くも特異な輝きを放つと共に瞳のような文様が浮かび上がる。


「まさか。監視だなんて酷い」


 シイは大袈裟に驚き、悲しむような素振りを見せた。しかし、ムラクモの視線は冷ややかなままだ。


「大分お辛いようでしたので、魔眼としての機能を半分だけそちらに切り離しました。魔装化と呼ばれる技術です。これも失伝してしまったようですが、その鎧のように物自体は多少残っているみたいですね」

「先祖代々受け継いできたこの鎧には製作者の魂が宿っているとはきいたが」

「それは確かですね。なんといってもその鎧は製作者そのものですから。もっとも、製作者ではなく素材かもしれませんが」


 ムラクモは恐ろしいものを感じた。

 獣化の先に魔獣化があり、そこへさらに獣装を加えた先に魔装化がある。召喚獣と召喚士を物として固定する禁忌の技法。

 世界中の至る所に散逸し、稀に発見される呪われた装備の多くが魔装であった。

 もっとも、シイが行ったように憑依と併用すれば、扱いきれぬ能力を他の物に移すことで召喚士の負荷を減らしたり、暴走しがちな召喚獣を分割して一部だけ封印することで扱い易くしたりなども出来るのだが、そのような手法も廃れてしまったらしい。


「なんにせよ肉体にかかる負荷も軽減されて、体が軽くなったのではありませんか?」


 シイの言う通りであった。常にムラクモの体を蝕んでいた呪いらしき負荷は消え、レジスタンスの掃討を行う際に切り離された魔眼を使用してもほとんど反動を受けることがなかった。

 あれほど母と己、そして一族の者が苛まれてきた呪いをこうも簡単に解かれるとは。さすがのムラクモも魔眼を失ったことに気づいた時は柄にもなく呆然としてしまったものだ。


「それにしても未熟なものですね。エトのように段階を分けてしっかりと能力を制限すれば常日頃から過剰な負荷を受けることもなかったでしょうに。禁忌だからとなんでもかんでも失伝させるからそうなるのです。まったく、浅はかな」


 ムラクモの一族を蝕んでいたのは彼ら自身の召喚獣であった。

 魔眼も召喚獣の能力であり、ナルカミが召喚獣を用いずとも電気に耐性があるように、無意識の内に能力が発動状態となっているせいで常に負荷がかかっていたのだ。 シイはそれを半減することでムラクモ自身でも制御可能な範囲に収めていた。


「……そうであったか」


 シイのご高説を聞いたムラクモは遣る瀬無い思いを抱えていた。

 一族積年の呪いが未熟の一言で済まされるような代物だとは思いも寄らなかった。到底、認められるようなものではないが、受け入れる以外に道はない。


「対価として私も遠隔で扱えるようになりましたが、それくらいは構いませんよね?」

「いや、構うが」


 シイは溜息を吐いた。


「では、何をお望みですか? 何か聞きたいことがあるのでしょう?」


 ムラクモはしばし沈黙したが、やがて口を開いた。


「我が一族は過去に禁忌を犯した罪人だと母から教わった。しかし、父は貴い血筋を受け継ぐ者だと言っていた」


 祖先はかつて持っていたという家名も捨て、代々隠れ潜むようにひっそりと生きてきたとムラクモは語る。


「母曰く、我らの祖先は獣化を用いる狂気に満ちた一族であったという。それでも代々獣化の法を受け継いできたのはいつか必要とされる時代が来るかもしれぬということ。そして、かつて空に浮かんでいた高天原におわす天上人との契約なのだと。いつか再び天上人が降臨なされる。その時が来れば天上人の力となり罪を償うようにと」


 魔に魅入られたとも天からの啓示を得たのだともされた一族であったが、どちらが正しいかはもはや定かではない。母と父の言もまた同じ。

 ただ、ムラクモの一族がその罪と契約を継承し続けてきたことは事実だった。


「そういえば、たしかに高禍原といえば空を飛んでいたような」

「……争いを止めぬ人々に怒った神は高天原を去り、主なき高天原は地に堕ちて世には魔獣が蔓延るようになったという」

「へぇ、そんな伝説があったのですね」


 まるで知らない話であった。過去の伝説などそんなもの。もっともシイが覚えていないだけかもしれなかったが。


「だが、我が一族に伝わる話では一人の天上人を地下に閉じ込め、血筋に取り込んだという。それが天の怒りを買い、罪深い者たちは魔獣の祖となったのだと聞かされた」

「んん?」


 幼かった頃のムラクモには分からなかったが、娘をもつまでになった今ならばその悍ましさがよく分かる。そして、禁忌を犯した罪と身に余る貴い異能がこの身に同居するのであれば母の話と父の考察がどちらも正しかったということ。

 一方でシイにとっては断片的ながらなんとなく覚えがある話であった。


「貴殿がその天上人なのであろうか?」

「えっ、あー、まあ、そうですね。色々と混じって断片的な記憶しか残っていないので断言は出来ませんが。エトが封印を壊してくれれば思い出せるかもしれません」

 

 一心同体に至った今の状態であれば間違ってはいないし、地下宮殿でのあれこれはきっと合意の上だったはずだからセーフ。そんな考えが浮かんできたシイはその逸話が事実にかなり近いことを悟る。


「封印とは? もしや先祖が残した岩戸のことであろうか?」

「いいえ、あれは物質界のもの。今私達を縛るのは魂に刻まれたもの故、似たものではありますが別物です。それに封印を壊してしまえばまた別の問題が発生しかねません。私達は現状に満足していますので無理に解く必要はありませんよ。ええ、全く」


 かつて己が創り上げた岩戸を模して封印を仕込んでくるなど性格が悪いとシイは彼方の存在に悪態をつく。自業自得ではあるので口に出せないが。


「腹を切り申す」


 跪いたムラクモは脇差を抜いて己に突き付けた。


「止めて下さい」


 シイは一瞬で脇差を奪い取った。


「止めんで下され。この身は恥知らずにも貴殿に刃を向け、数々の不敬を働いた罪人のもの。もはや生きてはおられませぬ」

「いやいやいや、急に何を言ってるんですか? 子孫に目の前で死なれる私達の身にもなって下さいよ」

「ほう、子孫とは?」

「えっ」


 膝をついた状態から自然な動きで放たれた居合がシイを一閃する。

 その刃は当然のように彼女の体を通過するが、ムラクモの魔眼は彼女の中にある岩戸とその奥に囚われたエトの存在を捉えている。故にその一太刀もまた岩戸を捉えていた。

 封印の要石である岩戸に亀裂が走る。

 ムラクモは先ほどの剣幕が嘘だったかのように立ち上がって刀を構えた。


「やはり天上人ではなくその身を乗っ取ったという我が一族の祖先であったか。その身を断ち、天上人を解放させて頂く。そうすれば我が一族の悲願である償いも果たされるであろう」


 もう一つ母が最期に言い残したことがあった。祖先の者たちは囚われた天上人を穢すだけでは飽き足らず、永遠の命を求めてその天上人に取り憑いたのだと。

 レジスタンスが用いたとされる魔獣化された人々、フジから伝えられたシイが語る獣化の由緒正しいとされる使い方。それらを耳にしたムラクモは母が語っていたことが可能な範囲内にあると判断した。


「乗っ取るとはまた失礼な。一心同体の間柄と言って下さいませんか? せっかく未熟を正し、話を聞いてあげたというのに」


 シイは全くの無傷であった。


「おや? エトならばすぐに出てくるものと思っていたのですが。まぁ、これはこれで好都合。ふふっ、残念でしたねムラクモさん」


 それどころか羽衣を纏い、先程までよりも力を増しているようにも見える。


「……謀られたか」

「遠隔操作出来ると言ったでしょう? 貴方の目に映るものは私も見えます。あぁ、だから迷ったというわけですか。そんなだから封印に亀裂を入れるだけの中途半端な結果になるのです」


 シイの手元に淡い輝きを放つ銀色の球体が戻っていく。それを見てムラクモは舌打ちをした。

 彼女の言う通りムラクモは迷ってしまった。彼の直感が切れ・切るなと矛盾した警告を発していたのだ。その結果、刀を納めることも封印を両断することも出来なかった。


「あの封印はエトだけでなく私達を封じるためのもの。私としてはエトが共にいるのであれば封印などあってもなくても構わなかったのですが。自分ではどうにもならないですし、せっかくの機会ですから、切ってもらうことにしました。もっとも微妙な結果に終わってしまいましたが」


 シイの脳裏に断片的な記憶の奔流が渦巻いていた。混ざってしまった上に封印で蓋をされた所を、中途半端に封印を壊したせいで記憶が混濁しているのだ。傷を負うことはなかったものの、嫌がらせとしては成功だろう。

 とはいえ封印に亀裂が入った以上、直に壊れるのは必定。全てを思い出す日も近いはず。たぶん。


「チッ、もはや切れぬか」


 ムラクモは再び切りかかるが、その刃がシイに触れることはない。


「当然です。先ほどのは切らせてあげただけですから。それよりいいのですか?」


 何度繰り返した所で切ることなど叶うはずもないが、それは今の状態の話。エトに戻った時に襲われるのはシイも困ってしまう。加えて、長い長い時をかけて受け継いできた怨念が宿る一刀は彼女に万が一を思わせるほどの凄みがあった。


「たしかに大昔の私はあなたの祖先達を唆したかもしれませんが、この身はその天上人とかいうエトのもの。それを切るということはエトを切るのと同義。それに例え切った所でもう二度と私とエトが分かたれることはありません。先送りになるだけのこと」


 ムラクモの動きが止まり、シイは安堵の溜息をついた。

 別に殺しても構わなかったのだが、アマツに見られていることもあり、現状を気に入っている彼女はなるべくその手を使いたくなかったのだ。


「曖昧な伝承よりも、まずはエトの意思を確認すべきです。それに薄々気付いているのでしょう? だからあのような問答をしたのでは?」


 ムラクモは黙り込んだ。

 どうにかこの女だけを切れないかと頭を悩ませるムラクモの元に声が届く。


「お主ら! 何をしておる!」


 白龍に乗ったアマツが凄まじい形相と勢いで降りてくる。


「あらあら、どうやらここまでのようですね」


 ムラクモの足元にシイが奪った脇差が突き刺さる。ムラクモは忌々しそうにその脇差と刀を鞘に納め、飛来する銀色の球体を受け止めた。


「これで終わりと思わぬことだ」

「はぁ、面倒ですね」


 シイは再び溜息をついた。天の怒りとやらがまだ収まっていないのであれば、何かの拍子にもっと面倒なことになるかもしれないと。


『(後はエト次第ですかね。場合によっては……)』


 そして、二人はアマツの叱責を甘んじて受けた。

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