夏コミ慕情

夏コミ慕情

熱帯夜　明けの締め切り　追われる子

カリカリと　推しに漬かりし　夜半の夏

ネタ去りて　冷製パスタ　いとうまし

クーラーと　ぬるい麦茶と　四畳半

盆仕度　本を開けぬ　未熟者

ゴロゴロと　人波囃し　夏の暁

名も知らぬ　同好の士と　夏未明

蝉よりも　心うるさい　道を行く

朝涼し　開場を待つ　元仲間

亡き友と　本を売った日　去りし夏

向日葵の　笑顔残りし　文字を編む

推しサーが　炎昼の地に　配置せり

汗拭ひ　衝動買いの　君の名は

油照り　カウントゼロの　声響く

夏祭り　作られすぎた　恋でした

自らを　表せし夏は　巡りゆく

夏コミケ　続かぬ夢を　見届けて

有明の　暑気をまといて　棒の足

祭後　積み増す本と　帰りゆく

沼語り　想いで締める　ビヤガーデン