第3話 非日常②

何やら妹が意味深なことを言っていたが、もしかしてこの体と何か関係があるのだろうか...

う~ん...わからん!

さっきからいろんなことが起きすぎている、情報過多ですよ情報過多。

とりあえず調べれば何かでてくるのでは?

そう思い俺は机の上に置いてある携帯をとるため、ベッドで寝ていた体を起こすと

ベッドから降りようと体を動かし落ちて転ばないようにゆっくりと降りる。


「ほんとに小っちゃくなったんだな...しかも女性に。」


そう言いながら胸に両手を当てる、あれ意外とあr...

何故だろう、一応俺の体(?)のはずなのに凄い罪悪感と虚しさを感じたのでやめておく。と、とりあえず携帯を取らなくちゃな...


邪念を払うように体を動かすが小さい体のせいで椅子を使って机の上に置いてある携帯を取るという行為に苦戦したのだった。





「フハハ!ゴロゴロ寝れるとは・・・なんて快適なんだ!」


俺は部屋を出てリビングに着きソファーを楽しんでいる。

体が小っちゃくなったことによりいろいろな物が俺目線では巨大化しているのだ。

さっきは少し面倒に感じたこの体に不機嫌だったのだが、この体のいい所を発見し笑顔になる...

あれ、俺ってこんな情緒不安定だっただろうか?

そんな疑問を浮かべていた時、《ピコン》と携帯に通知が来たことで、今まですっかり忘れていた存在を思い出す。

どうやら俺が昨日お預けをくらった新作のVRMMO「バルス」がニュースになっているらしい。


「ふふ...やっぱり社会現象になったか...」


今回の新作が出ると決まった時から待っている俺は一人不敵な笑みを浮かべ古参ムーブをかます、早い話自分の好きなものが褒められると自分のことのようにうれしいのだ。

どんな高評価を受けているのか気になりニヤニヤしながら携帯を開き通知を見ると...


ボコボコに叩かれているではないか!!!


天井まで突き刺さりそうな勢いで上がっていた口角が一瞬にして地に落ちる。

ゲームの前情報からは叩かれるようなことは無く、むしろ皆がゲーム性や機能面を褒め称えていたというのにも関わらずこの荒れよう。もしかしてフェイクニュースか?

そう思い違うサイトで調べても同じように荒れていて、SNSを開くとトレンド1位で大炎上中だった。





ソファーでごろごろしながら炎上についていろいろ調べていると

『現在ログインはできてもログアウトができなくなっていること』

『ゲームの前情報になかった天命という数が10追加され死ぬごとに1減っていくこと。その数が無くなった時、ゲームオーバーとなりキャラが破壊されること。』

主にこの2つのことで荒れているようだった。

ログアウトができないなんて重要な不具合をこの会社が出すなんて...

そう思った時に正午を示す地域の鐘の音が『ゴーン...ゴーン...』と鳴る

もう正午か~・・・と呑気に聞いていたのだが辺りをキョロキョロと見て、ご飯のため本来ここにいるはずの妹の姿が無いことに気づいて顔を真っ青にしながら携帯をもう一度見る。


『バルスをプレイ中のプレイヤーは現在ログアウトができない状態にあり...』


謎の女体化をしていたせいですっかり忘れていた、というか意味深なのメッセージを送ってきていた時点で気づくべきだった。

俺の影響でゲームをかなりやるようになっていた妹は『バルス』をリリース初日にプレイしている可能性が...いや確実にプレイしているだろう。

そう思った俺は勢いよくソファーを飛び出し、妹の部屋に向かって走っていた。




















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