第23話 第三章の事実と創作
第三章の事実
紫外線アレルギー
日光を浴びるとかぶれ、蕁麻疹や水ぶくれができてしまう。アレルギーなので花粉症と同様に全ての人類が患う可能性がある。気温に関係なく紫外線は一年中降り注いでいるので、外出時は長袖装備が欠かせない。夏なのに忍者みたいな恰好の人物を見かけたらやさしくしてあげよう。
フォックス姉妹の交霊術
多くのアメリカ人がこの若い姉妹を信じ込んでしまった。バッファロー薬科大学の調査によりトリックは明かされてしまったが、長い間交霊術の真偽は不明として、肯定派、否定派に分かれ争われる。時代は進み20世紀、完全に交霊術はトリックであると証明したのは、当時世界的なマジシャンであり「脱出王」の異名をもつ、ハリー・フーディーニ氏であった。彼は母が亡くなった時、コナン・ドイルの紹介で霊媒師に母を降霊してもらったが、あまりの稚拙さに笑い転げた。対オカルトの専門家は科学者ではなく、マジシャンであったというのは何とも皮肉な話だ。
マーガレットの手記
細かなこところは創作だが、手記の内容はおおむねあの通りである。マーガレットが14歳の時に長女のレアはすでに33歳で、交霊術は沢山の人を救う活動だと家族を説き伏せ、強制的に交霊術を強いてきた。実際マーガレットとケイトはそのせいで満足に学校にも通えなかったそうだ。マーガレットは交霊術を行わない時期があったが、それは当時医師で、探検家でもあった恋人のエリシャ・ケインの影響が大きかったと考えられる。彼と結婚し次第にマーガレットは交霊術を恥じるようになったためだ。しかしケインが若くして亡くなってしまったことで彼女の運命は狂ってしまった。女性は一人で生きていくことは出来ない時代であったため、生活費を稼ぐために曝露本をだしたというのが、このマーガレットの手記の真相である。後に彼女は生活費のため再び交霊術を行うようになったが、やはり全く客はつかず、マーガレットとケイトは酒におぼれ、失意のままこの世を去る。彼女が暴露本をだし、嘲笑をあえて受け入れたのは懺悔の気持ちからであるという説があるが、もしそうだとしたら、精神の高潔さは必ずしも幸福と結びつくことはないのだという戒めのようにも感じる。
病気になったら教会で祈る
シャーマニズムを成立させていたものは、強力なプラシーボ効果であることをノーマン・ヴィンセント・ピール牧師がその著書『積極的に考える考え方の力 ポジティブ思考が人生を変える』で述べている。宗教ではなく『信仰そのもの』が持つ力は他に類を見ないくらい強力だ。それは不安を軽減し、自信をつけさせ免疫力を高める。もちろん大けががいきなり治ることはないが、『教会に行ったことで救われた人』は実際かなりの数になるだろう。拠り所を見つけ、思考を停止することでパフォーマンスが向上することは疑いようもない。推しに救われている人が生き生きとしているように見えるのも同様の理由だと言えよう。ただ、思考を停止したままだと、取り返しのつかないミスにつながることもあるということを忘れてはいけない。
ヘレン・ダンカンの逮捕
魔法行為禁止法で逮捕された霊媒師の女性。罪状がかっこよすぎるぜ。死亡の原因は「霊の怒りをかったから」とされているが、実際は肥満が原因で死亡したらしい。霊の怒りを買うのは怖くないけど、こっくりさんを途中でやめることは出来できません。だって怖いから。
第三章の創作
二種のソースのハンバーグオムライス
世界は広いけど、大抵二種類のソースがかかったオムライスか、ハンバーグが乗ったオムライスのどちらかしかない。料理のおいしさは必ずしも足し算にならないけれど、ロマンがあって良いと思う。ちなみにオムライス屋さんでもこれを扱わない理由はシンプルに手間がかかりすぎるからではないかと思っている。
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