ノリが悪くてウザいという理由で大学サークルから追放されてしまった。仕方ないので一人で大学生活を謳歌してると元サークルのヤンデレ美人姉妹が俺の家に入り浸るようになっていった話。
第18話:先輩はいつも私の事を大切にしてくれるんだよね(朱音視点)
第18話:先輩はいつも私の事を大切にしてくれるんだよね(朱音視点)
私は昔から男の人が苦手だった。
理由は子供の頃から男子達によく馬鹿にされていたからだ。
子供の頃の私はとても大人しくて内気な女の子だったから、小学生の頃とかは男子達からノロマとかブスだとか色々と悪口を言われたものだ。
それに運動神経もよくなかったので、スカートを履いていたらよくスカートを引っ張って私のパンツを覗き込んでくるような男子もいたりした。
それと私は他の女の子と比べて身体の成長スピードが速かったので、胸の膨らむ速度も早かった。
そしたら同級生の男子達はその事を馬鹿にして私の胸を勝手に触ってきたり、牛女だと悪口を言ってくる男子もいたりした。
そんな感じで子供の頃から男子達には散々と馬鹿にされてきたので、私は全ての男の人に好意的な印象がずっと持てないでいた。
でもそんな話を中学生の頃にお姉ちゃんに相談してみたら……。
「男の子っていうのは女の子よりも精神年齢が低いからそんな事をしちゃうのよ。でも朱音もいつもオドオドとした態度をしてるから、男の子達の標的にされちゃってるのかもしれないわね。だから少しだけイメチェンとかしてみたらどうかしら?」
「イメチェン?」
「そうそう。いつもイジメてくるような男の子達に舐められないような見た目にしたらきっとそういう事も起きなくなるんじゃないかしらね? 多分内気な感じの見た目だから男の子達も調子に乗って朱音の事をイジメてくるのだと思うのよ。だからどうかしら?」
「そ、そっか。なるほどね……うん、わかったよ。それじゃあ私……イメチェンしてみる!」
という事でそんなお姉ちゃんからのアドバイスを貰って、今までずっと黒髪の三つ編みヘアにメガネを着用していたのから、高校生になって髪の毛を明るい金髪にし、メガネも外してコンタクトにして、ピアスやネイルも沢山盛ったギャルスタイルで高校デビューをしたんだ。
さらに内気だった性格も直して凄く明るく振舞うように頑張っていった。本当は内気でシャイな性格なんだけど……それでも男の子達にイジメられたくないから一生懸命に頑張って明るく振舞っていった。
その結果として、今まで私の事をイジメてきていた真面目っぽい感じだったり、ちょっとオタクっぽい感じの男の子達からは一切イジメられなくなった。
だけどその代わりに今度はチャラそうな男の子達から物凄く声をかけられるようになってしまったんだ……。
しかもそういうチャラ男達は今までイジメてきてた男の子達と同様に私の胸とか足とかをジロジロと見つめてきたりするし、なんならワンチャン狙ってホテルとかカラオケとか個室に誘ってくるような男子もいたりした。
という事で頑張ってイメチェンをした結果、確かにイジメみたいなのは無くなったんだけど……でもその代わりに今度はチャラ男達に身体目当てで近づかれるようになってしまったのであった。
でも私にとって理想の男性像というのは、女性に対してとても優しくて紳士のような男性じゃないと嫌なんだ。だから私は今まで私にしてきた告白は全て断ってきた。だって皆私の身体目当てだったんだもん。
という感じでイメチェンをした後も、私は男の人に対してより一層の不信感を募らせていくようになっていった。だけど……。
「駄目だよ、朱音ちゃん。女の子が無暗に男に肌を重ねるような行為をしちゃうのはさ」
「はい、そうですよね。すいません、先輩……」
だけど先輩だけは違った。先輩は私をいやらしい目で見つめたりとか、セクハラな行為は絶対にしてこない。それに私が危ない目に合いそうな時にはいつも必ず駆けつけてきてくれるし、とても紳士的で頼もしい男性だったんだ。
例えば今日みたいな悪質なナンパから助けてくれた事は何度もあったし、サークル活動中には重い物は女の子に持たせないようにして率先して自ら運んでくれるし、火の番や食材調達、車の手配や運転など、様々な裏方仕事を全部率先して引き受けてくれるんだ。
こんなにもカッコ良くて紳士的で頼もしい男の人がいるなんて……と、お姉ちゃんに誘われてサークル行事に初参加した私はとてもビックリとしたものだ。
でも正直、私はそんなカッコ良い姿の先輩は全部嘘だと思っていた。どうせ先輩も他の男の人達と同じで女の子に良い顔をしたくてそんな素敵な人アピールをしているんだと思っていた。絶対に裏では沢山の女の子達とヤッてるヤリチン野郎なんだろうとずっと思っていた。
だから私は先輩の化けの皮を剝がしてやろうと思って、先輩に会う度に私はいつも本気で色仕掛けをしていった。今日みたいにわざと胸を押し付けたりした事だって何度もあった。
でも先輩は私が色仕掛けをする度にいつも優しく注意してくるんだ。そういう事は男の人相手には絶対にやっちゃ駄目だよって、今日みたいな感じで私のために優しく諭すような感じで注意してきてくれるんだ。
私の事を思ってこんなにも本気で叱ってくれる男の人を見たのは、本当に生まれて初めての事だった。先輩は私の事を絶対にいやらしい目つきで見ないし、とても紳士的な男性だったんだ。
そしてさらにもう一つ……私が先輩の事を最大限に慕うようになった一番の出来事があった。それは私が未成年なのにお酒を間違えて飲んでしまった時の出来事だ。
私は未成年なのにサークルの飲み会で間違えてお酒を飲んでしまった事があるんだけど、その時に先輩はそれをすぐに察知して駆けつけてくれたんだ。
そして先輩はそのまますぐに水を持ってきてくれたり、寝転べるようにお座敷の角の方にスペースを作って私の事を寝かしつけてくれたり……さらにはお姉ちゃんに連絡してタクシーまで手配してくれたりと……私の事を心配して全力で介抱をしてくれた事があったんだ。
でも普通に考えたらだけど、私が酔い潰れてたらワンチャンを狙ってホテルに連れ込むような男の人だっていると思うのに……それでも先輩はそんな破廉恥な行為は絶対にしないし、私の事を誰よりも一番心配してきてくれたんだ。
私は身体目当てじゃなく本当に純粋な気持ちだけで私をずっと心配してくれる男の人がいる事にとても驚いたし、この先輩なら一生信頼出来ると思うようにもなっていった。
(うん……やっぱり……やっぱり先輩は誰よりも紳士で素敵な男の人だよね……)
という事で私は幾ら色仕掛けをしても一度も私の身体に手を出す事もなくずっと紳士でいてくれた先輩に心底惚れていき、今ではもう先輩の事しか考えられなくなっていってしまっていた。
だからいつか勇気を出して先輩に頑張って告白をしたいなって思っていたんだけど……でもそんな時に……。
(でもまさか……あのカス男共が先輩をハメてサークルを永久追放してくるなんてね……)
ちょっと前にお姉ちゃんと一緒に調べて判明したんだけど、どうやら先輩はあの久住と鳴海というカス男の二人組にハメられてサークルから永久追放をされてしまったらしい。
私の愛すべき先輩の名誉を傷つけ、さらに先輩がいつも大好きだと言っていたサークルからも無理矢理追放させるなんて本当に許せない……。
特に先輩の名誉を傷つけた罪はとても重い。だってあのカス男達のせいで先輩の事をレイプ魔だと思ってしまっている女の子もサークルメンバーの中にはいるはずだもの……そんな酷い野蛮な行為を先輩がする訳ないのにさ……!
(というかそもそも……あのカス男達の方がよっぽど女の子に対してセクハラ行為をしてクセにねぇ……?)
特に鳴海とかいうカス男はサークルの飲み会の度に私の隣に座って来るんだ。私は先輩と楽しくお喋りがしたいというのに、あのカス男は一切空気を読む事なくいつも私の隣を陣取って来るんだ。
そして私の隣に座ってきたあのカス男はいつも私の足とか胸をジロジロといやらしい目つきで覗き込んでくるし、そのまま酔った勢いで私の身体をペタペタと触ってきたりもするんだ。
まぁでも今の私にとって先輩以外の男の人は別に人間だとは一切思っていない。道端に落ちているゴミくらいの存在としか私は思っていなかった。
だからそんなゴミに身体を触られた所で私は何とも思っていなかったので、いつもゴミにセクハラをされてもテキトーに愛想笑いを浮かべてあげていた。だってゴミに対してキレてもしょうがないものね。
でもそんな世の中の役に立てないはずのゴミカス共が私の敬愛する先輩を傷つけたなんてさぁ……ふふ、それは流石に〇されても文句は言えないはずだよね? くす……くすくす……。
「……? どうかしたの朱音ちゃん? 何かちょっと怖い笑い方をしてる気がするんだけど?」
「え? あはは、そんな事はないですよ先輩! ほら、いつも通り普通の笑顔ですよ、あははー!」
「う、うーん? まぁ確かにそう言われてみればいつも通りな気も……うん、それじゃあ俺の見間違えかな」
「あはは、そうですよ先輩ー! あ、それじゃあ買いたい物も全部終わりましたし今日はもうそろそろ帰りましょうか!」
「え? あぁ、うん。わかったよ。それじゃあ駅の方に戻ろうか」
「はい、わかりました!」
という事で私達はそのまま他愛無い話を続けていきながら、いつも通りとても仲良い感じで一緒に駅の方に向かって歩いて行った。
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