第9話:交流のある女子大サークルが合同飲み会を断ってきた(久住視点)

 とある平日の午後。


 この後は講義も無くて暇だったので、俺はサークル室に向かって行った。


「おつかれーっす……」

「あぁ、おつかれーっす」


 サークル室に入ると中にはまだ鳴海しかいなかった。という事で俺は鳴海に挨拶をしながらすぐ近くの椅子にドサっと大きな音を立てながら座っていった。


「……ん? どうしたよ久住? 何かイライラしてねぇか?」


 すると鳴海はすぐに怪訝そうな顔をしながら俺に向けてそう言ってきた。どうやら俺がイライラとしてるのが態度に出てしまっていたようだ。


 なので俺はため息を付きながらイライラとしている原因を鳴海に話していく事にした。


「はぁ、いやちょっと前にさー……沢城がいなくなった事だし、今までずっと交流してきてた女子大サークルと久々に飲み会をやろうって話したじゃん? それで近い内に相手の部長に連絡するって言っただろ?」

「あー、そういえばそんな話もしたな。あ、もしかしてあの女子大サークルに連絡してくれたのか!?」

「あぁ、実はさっき相手のサークルの部長に連絡してみたんだよ。今週末にでも久々に合同で飲み会をしようってさー」

「おー、そうなんだ! それでそれで?」


 俺がそんな事を言っていくと、鳴海は途端に嬉しそうな笑みを浮かべていった。


 前にも言ったようにこのアウトドアサークルは近くの女子大サークルと交流を深めており、その女子大サークルと合同でバーベキューや飲み会などの企画を何度も行っていた。


 でもそんな女子大サークルとの合同企画はいつもクソ馬鹿男の沢城が主に担当していたんだ……。


 そしてあのクソ馬鹿男は合同企画でもいつもすぐに解散号令を出してしまうので、向こうのサークルの女子達はすぐに帰ってしまうんだ。そのせいで俺達は一度も向こうの女子大サークルの女子をお持ち帰り出来ずにいた。


 だけどそんなクソ馬鹿男はもうこのサークルにはいない。だからこれからは女子大サークルの女の子達と楽しくオフパコが出来ると思って最高の気分になっていたっていうのにさ……。


「いや、それがさ……それでさっきまで向こうの部長と電話でやり取りしていったんだけど、そしたら電話の途中で相手がブチギレてきて、急にこれからの合同企画は全て辞退するって言ってきやがったんだよ……」

「は、はぁ!? なんでだよ!?」


 俺がため息交じりにそんな事を言うと鳴海はビックリとした表情を浮かべてきた。まぁ鳴海がそんなリアクションを取ってくる理由はもちろんわかる。


 だって向こうのサークルの女子達って全体的にレベルかなり高いし、しかも女子大だからフリーの女の子も沢山いるんだ。そんなの男としては最高の交流相手だよな。だから俺はテンション上がりながら相手の部長に連絡したのにさ……。


「いや、そんなの俺が聞きてぇわ、はぁ……。それにしても向こうの部長マジでクソヤベェ女だったわ。こっちは気楽な感じで飲み会をやろうって言っただけなのに、あっちの女はもっと詳しい詳細を教えろってめっちゃ口煩く言ってきてすっげぇイライラしたわ……」

「もっと詳しく? それってどういう事だよ??」

「あぁ、例えば飲み会の日時とか予算とかお店の場所とか、それとソフトドリンクしか飲まないヤツの対応とか、喫煙者との非喫煙者の分煙はしっかりしてるかとか……まぁとにかく細かい事をイチイチ聞いて言ってきやがったんだよ」

「はぁ? そんなの飲み会の当日に全部ノリで決めるようなもんだろ? それなのにそんな事を一々聞いてきたのかよ? それは流石にちょっとヤバすぎじゃねぇか、その女……?」


 俺がウンザリとした感じでそう言っていくと、鳴海は俺にしっかりと同調してきてくれた。


「あぁ、やっぱり鳴海もそう思うよな? まぁそれで俺もちょっとイラっときちゃってさぁ……そんなのキッチリとは決めてねぇし、飲み会当日に全部その場のノリで決めるつもりだよ! って強い口調で言ってやったんだよ。そしたら相手の部長にめっちゃ逆ギレされたんだわ……」


“もちろん身内でやるような少人数での飲み会ならその場のノリで決めて貰っても構いませんけど、でも合同サークルでの飲み会の場合はそうもいきませんよ!“


“普通の飲み会と違って人数が凄く多くなるんですから、ちゃんと事前に色々と打ち合わせをしないと開催なんて出来ませんよ!”


“それに解散時間すらもまだ決めてないなんて非常に困ります! こちらは女子しかいないんですから、そこら辺の詳細を事前に全てしっかりと打ち合わせして頂けないのであれば今後の合同企画は全て辞退させて頂きます!”


 ……と、まぁそんな感じの事を相手のサークルの部長にキレ気味に言われてしまったのであった。


 でもまさかここまで逆ギレをしてくるなんて思ってもいなかったので、俺はかなり苛立ってしまったというわけだ。


「なるほどな。久住がそんなイラっとした顔をしてるのも納得したわ。でもそんなしょうもない事で逆ギレしてくるとかマジであっちの部長の女ヤバすぎんだろー……って、あぁ、わかったわ! はは、もしかして生理中だったんじゃね??」

「あー、もしかしたらそうかもな。ま、でも生理中の女とか気持ち悪くてヤレないしどうでもいいわ。はぁ……まぁそんなわけで、すまんけど女子大サークルとの合同飲み会は中止って事になったわ」

「あぁ、別にいいよ。俺だって生理中の女とかヤレないから興味ねぇし。それに俺達のサークルにも最強の美人姉妹がいるじゃん。だから気を取り直してそっちに集中しようぜ?」

「ん? あぁ、確かにそうだな。そういえば俺達にはあの最強に可愛い美人姉妹が残ってるもんな」


 俺達のサークルにいる美人姉妹というのはもちろん四条瑠香と四条朱音の事だ。どちらも滅茶苦茶に可愛くて美人な女子だ。


 四条姉妹はサークル活動がかなり大好きなようで、今までの飲み会やバーベキューなどのサークル行事には全て参加してきてくれていた。


 しかも毎回酔った振りをしながら冗談で軽く足とか胸をボディタッチしたりしても全然怒らないというノリの良さも持っている二人だ。あんなエロい身体付きでそういう飲み会特有のノリがわかってるとかマジで最高の女達だよな。


 まぁそんなわけで俺達は最高の女達である四条姉妹を何度もホテル連れ込もうと試みたんだけど、でもその度にいつも沢城のクソ馬鹿が解散号令を出して四条姉妹をすぐに帰らせてしまってたんだ……。


(ま、でももう沢城のクソ馬鹿はこのサークルにはいないし、これからは四条とは完全にパコり放題だよな!)


 という事で俺達は女子大サークルとのオフパコ計画は一旦諦めて、改めて今度は四条姉妹をターゲットにしていく事にした。


 まぁ正直沢城のクソ馬鹿がいない今なら四条姉妹とは簡単にヤレるだろうな。だって四条姉妹はどっちも酒に滅茶苦茶弱いしさ。酒をコップ一杯でも飲ませたらもうそれでベロンベロンに酔っぱらってしまう程に弱いんだ。


 だから次の飲み会で四条姉妹にコッソリと酒を飲ませてすぐに酔わせれば、そのまま介抱するという名目でホテルに連れ込めばそれで朝まで楽しめるだろうな!


「よし、それじゃあ早速近い内にサークルでの飲み会を開催していこうぜ! 今度こそ四条とたっぷりと朝まで楽しんでやるぜ!」

「あぁ、そうだな! 俺も朱音ちゃんとたっぷりと遊んでいく事にするぜ!」


 という事で俺達はお互いに笑い合いながら次の計画を企てていった。

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