ノリが悪くてウザいという理由で大学サークルから追放されてしまった。仕方ないので一人で大学生活を謳歌してると元サークルのヤンデレ美人姉妹が俺の家に入り浸るようになっていった話。
第8話:朱音ちゃんと昼飯を食べながら楽しく話していく
第8話:朱音ちゃんと昼飯を食べながら楽しく話していく
それから数時間後のお昼頃。
俺は約束通り朱音ちゃんと時間を合わせて二人で仲良く昼飯を食べていっていた。
今までにも朱音ちゃんとはサークル活動の合間に二人で学食に行ったりする事もあったので、今更朱音ちゃんと二人きりで飯を食うのに緊張したりとかは別にない。
「あ、そうだ。そういえば最近の久住とか鳴海ってどんな感じかな? 何かサークルで変な事とかしてない?」
ふいに俺はアイツらの事がちょっと気になったので朱音ちゃんにそう尋ねてみた。
よくわからないけど急にアイツらは俺の事を犯罪者のようにしたててきたし、もしもサークル内で好き勝手に暴れてるようだったら流石に俺も注意をしにいくつもりだ。
「え? あー、そうですね……まぁ何というか、サークル室で毎日のようにデリカシーのない話をしてますね」
「へぇ、そうなんだ? それは具体的にはどんな話なの?」
「えぇっと、まぁ最近の話ですと、大手会社の新入社員のOLさん達と合コンをして、そこで出会った美人OLをその日の内にお持ち帰りしてやったぜ! マジでめっちゃ気持ち良くて朝までやったわーっていう話をしてましたね……」
「あ、あぁ、それは女子からしたら聞きたくもないような酷い話だね……。でもあの二人はサークル室でそんな猥談を本当にしてたの? 流石にアイツらもサークル室に他に女子がいたらそんなデリカシーのない猥談はしないと思うんだけどなぁ……」
「え? あぁ、はいそうですね。実はサークル室の外に久住先輩達の声が漏れてしまってたんですよ。だから私がサークル室に入ろうとした時にそんな猥談が偶然にも聞こえてきたというわけです」
「あー、なるほど。あいつらの声がサークル室の外にまで聞こえてたって事か。確かにアイツらって大きな声してるもんね」
「はい、そうなんです。という事で結局その日はサークル室に入らずに私は帰っちゃいましたけど、でも今私が言った事以外にも色々と酷いセクハラ発言をかなりしてましたよ」
「な、なるほどね……」
朱音ちゃんはムッとした表情でそう言ってきた。その様子からしておそらくだけど、きっとアイツらは朱音ちゃんに対しても何かセクハラ発言をしたのかもしれないな。
「うーん、それならもし良かったら俺がアイツらに注意しておこうか? サークルには女子も多いんだからそういう話はサークル室の中でやるんじゃないってさ」
「あぁ、いえ、大丈夫です! 流石に普段からそういうデリカシーのない話をしてるわけじゃないですし、それに私にそういう話を聞かれてたと知ったら逆にふっ切れて堂々と私に向かってセクハラ発言をしてきそうで怖いので……」
「あ、あぁ、確かにアイツらって男子小学生みたいな悪ノリをする事もあるからあり得そうだな……。うん、わかったよ。それじゃあ、まぁもっと酷くなったらいつでも俺に言ってね。その時は俺がガツンと注意してあげるからさ!」
「はい! ありがとうございます先輩! ふふ、やっぱり先輩は世界で一番頼りになる優しい先輩ですよね」
「はは、そうかな? まぁそう言って貰えると俺も嬉しいよ」
朱音ちゃんは笑みを浮かべながら俺に向かってそんな感謝の言葉を伝えてきてくれた。やっぱり誰かから感謝をされるってのは凄く嬉しい気持ちになるもんだよな。
(……って、あれ? でもそういえば……)
でも俺はその時ふと思い出した。
そういえば春休み中にサークル棟の防音工事を行ったというお知らせをサークルの自治会からプリントで受け取っていた。
だから今年の春からサークル室の防音性能は大幅に上がっているはずだ。だからどんなに大きな声を出してもサークル室の外に声が漏れるなんて事はない気がするんだけど……。
「うん? どうかしましたか? 先輩?」
「……え? あ、あぁ、いや、なんでもないよ」
俺がそんな事を考えていると、朱音ちゃんはまたキョトンとした表情で俺の事を見てきた。そしてその顔を見る限り朱音ちゃんが嘘をついているという訳では無さそうだ。
(という事はまぁ普通に考えて……久住と鳴海が部屋の防音性能を超過してしまう程の大声を出してたってだけだろうな)
俺はそう結論付けていった。まぁどうせアイツらの事だからテンションが上がってついつい大声になってしまったんだろうな。
「うん、なるほどね。とりあえずサークルの現状についてはわかったよ。ありがとう朱音ちゃん」
「はい、全然良いですよ! あ、それじゃあせっかくですし、ここからはもっと楽しい話をしていきましょうよー!」
「はは、そうだね。あ、それじゃあ……最近は何か面白そうな小説とかあった?」
という事で俺は話題を変えて朱音ちゃんにそんな事を尋ねていった。
朱音ちゃんは見た目はピアスにネイルを沢山身に着けた完全なるギャルっぽい女の子なんだけど、でも意外にも朱音ちゃんの趣味は図書館で静かに本を読んだりする事だったりもする。
だから俺は時々朱音ちゃんにオススメの小説とか本とかを教えて貰ったりしていた。朱音ちゃんが紹介してくれる本は毎回面白いので、俺は朱音ちゃんの本の話を聞くのが好きだった。
「あぁ、はい! もちろんありますよ! 実は今ちょうど読んでるミステリー小説が物凄く面白いんで、読み終わったら先輩にお貸ししますね!」
「へぇ、ミステリー小説かぁ。あんまりそういうジャンルの本は読んだことないからちょっと気になるな。うん、それじゃあ楽しみにしてるね」
「はい! わかりました! あ、それじゃあまた先輩にもオススメの本とかがあったら是非お借りしたいです!」
「あぁ、うん、わかったよ。それじゃあ俺も今読んでる本を読み終えたら朱音ちゃんに貸してあげるね」
「えっ、本当ですか! 凄く嬉しいです! ありがとうございます先輩!」
まぁそんな感じで朱音ちゃんから色々な本を紹介して貰ってきた事で、俺も読書をするのがちょっとずつ趣味になってきていた。
それで俺からも何か面白い本を買ったら朱音ちゃんに時々貸していったりもしていた。
(いやー、それにしても朱音ちゃんと出会ったおかげで趣味が一つ増えたってのは本当に嬉しい事だよな!)
そしてそういう趣味の共有が出来ているからこそ、朱音ちゃんとはここまで仲良くなれたんじゃないかなって今になってみるとそんな気もしてきた。
でも何故か朱音ちゃんに俺が買ってきた本を貸すと毎回新品のような状態で返ってくるんだけど……あれって一体どんな原理なんだろうな?
あ、もしかして俺に返す時に朱音ちゃんは毎回本の表面を綺麗にタオルとかでピカピカに拭いてくれたりしてるのかな? あはは、もしそうだとしたら物凄く律儀な子だよなー。
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