第6話:四条さんと紅茶を飲みながら話をしていく

 四条さんがやって来てから数分後。


「ふぅ、暖まったぁ。ふふ、紅茶ありがとう、沢城君。凄く美味しいよ」

「そっか。それなら良かったよ」


 四条さんをリビングに連れてきた俺はとりあえず一緒にテーブルに座って紅茶を飲んで一休みをしていった。


 という事で改めてこの女性は四条瑠香さんという。大学三年生の21歳で俺と同じ学部に通っている大学の同級生だ。


 四条さんの身長は168センチくらいで、モデルのようなスラっとしたスレンダー体型をしている。


 顔付きに関しては切れ長な瞳が特徴的で圧倒的超美人な女性だ。大学一年の時に開催された文化祭のミスコンで圧倒的一位を取得した経験もある程の凄まじすぎる美人な女性だ。


 そしてそんな四条さんと俺が何で仲が良いのかというと、実は大学の入学式の日に人込みに酔って気分を悪くしてしまっていた四条さんを介抱してあげた事があるんだ。その縁のおかげでそれから徐々に四条さんとは仲良くなっていったんだ。


 それと四条さんはアウトドア系の活動に興味があるという話を俺にしてくれてたので、俺の入っているサークルに誘ってみるとすぐに入会してきてくれた。


 そんな感じで四条さんとは大学の講義を一緒に受けたり、サークル活動を一緒にやったりと、一年の頃からずっと仲良くさせて貰っているとても優しい女性なのであった。


「それで? 今日はこんな朝早くにどうしたの?」


 という事で俺は紅茶を飲み終えてから四条さんにそう尋ねていった。


 俺のアパートにはレポートの課題とかをやる時に何人かのグループで集まったりした事もある。そしてそのグループには四条さんも入っていた。


 だから四条さんは今までにも何度かこのアパートに来た事はあるんだけど、でも四条さんが一人だけでここに来たのは初めての事だ。だから俺はこの事態に内心ちょっとだけビックリとしていた。


「あ、うん! そうそう! 実は昨日の夜に突然とサークルの全体LIMEで沢城君をサークルから除名処分をしたっていう連絡が来たのよ! それがもうビックリとしちゃってね……」

「あぁ、そうだったんだ……って、除名処分?」


 俺は全体グループLIMEから追放されてしまっているので、そのグループLIMEの内容は一切見れない。


 だけど除名処分なんて不穏な言葉を聞いた俺は訝しんだ表情を浮かべていった。だって俺は自分の意思でちゃんと退部したはずなんだけど。


「へぇ、除名処分って……それは何だか穏やかじゃない言葉だね? 俺の除名理由について詳しく聞いたりはした?」

「あぁ、うん、もちろん聞いたよ! 久住君に除名処分の理由を聞いたんだけど……そうしたら沢城君が他校のサークルの女の子を無理矢理襲ったからって言ってきたんだよ……だからもう本当にビックリしちゃったんだからね……」

「ふぅん、なるほど……って、は、はぁっ!? い、いやそんなわけないでしょ!? 俺が女の子を無理矢理襲うなんて絶対にするわけないじゃん! ってかそれ本当にやってたら犯罪じゃん!!」


 四条さんは悲しそうな表情を浮かべながらそう言ってきたので、俺は慌てて思いっきり強く否定していった。だってそれじゃあ俺が犯罪行為をやってたっていう事になるじゃん……。


 というか俺はそういうエッチな行為はちゃんとお付き合いしてからじゃないと絶対にやっちゃ駄目だと思ってるからな。まぁだからこそ未だに童貞なんだけど……。


「そ、そうだよね! 沢城君がそんな破廉恥な事をするわけないわよね! というか沢城君が私以外の女に劣情を抱くなんてあるわけないものね! あぁ、良かったぁ……」

「うんうん、そうだよ! 俺がそんな事をするわけが……って、え?」


 あ、あれ、気のせいかな? 何だか今四条さんは物凄く変な発言をしてきた気がするんだけど??


「……うん? どうしたの沢城君?」

「え? あ、い、いや、何でもないよ」


 俺がほんの少しだけ挙動不審な態度を取っていると、四条さんはキョトンとした様子で俺の事を見つめてきた。


(うーん、四条さんの雰囲気はいつも通りだし……うん、それじゃあやっぱりさっきのは俺の聞き違いだろうな)


 という事で先ほどの四条さんの発言は俺の聞き間違いだという事にしてスルーしておく事に決めた。


「ふふ、でも本当に良かったよ……沢城君が除名処分にされたって聞いた時は本当に心配でご飯が喉に通らなかったんだからね……」

「え、そこまで心配かけさせちゃったんだ。そ、それは本当にごめんね……って、あ、そうだ。それじゃあせっかく家に来てくれたんだし、良かったら朝ごはんも食べていかない? まぁ材料的に食パンのトーストとハムエッグくらいしか作れないけどさ」

「えっ、いいの!? うん、食べたい食べたい! 沢城君の作る手料理を食べたいな!」

「はは、そんな手料理という程でもないけど、わかった。それじゃあすぐに作り始めていくね」

「うん、ありがとう! あ、それじゃあ私もお手伝いするね。何かやって欲しい事とかある?」

「あぁ、それは凄く助かるよ。それじゃあお皿を出すのを手伝っていって貰えるかな?」

「うん、わかった!」


 という事でこの後は四条さんと一緒に楽しく朝ごはんを食べていった。でも俺の事を心配して早朝から家に駆けつけてくれるなんて本当に凄く優しい友達だよなぁ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る