ノリが悪くてウザいという理由で大学サークルから追放されてしまった。仕方ないので一人で大学生活を謳歌してると元サークルのヤンデレ美人姉妹が俺の家に入り浸るようになっていった話。
第5話:休みの日に四条姉が家に襲来してきた
第5話:休みの日に四条姉が家に襲来してきた
サークルを辞めさせられてから数日が経過した頃。
「ん、んんっ……ふぅ」
今日は土曜日で休みなので俺はアパートの自分の部屋でゴロゴロとしながら過ごしていた。まだ時刻も朝の8時半になった所だ。
「さてと、もうそろそろ朝ごはんでも作ろうかな」
現時刻を確認した俺はダラダラしつつもしっかりと朝ごはんを作っていこうとした。俺はサークルを辞めてからこの数日間はほぼ毎日趣味である料理ばかりやっていた。
今まではサークルの仕事がずっと忙しくて趣味の料理が全然出来てなかったので、この数日間は料理が沢山出来てとても幸せな日々を過ごせていた。
という事で今日も一日楽しく料理をしていこうと思った。今日はせっかくの休みだし昼はちょっと凝った料理を作るのも良いかもしれな――。
―― ぴんぽーん♪
「……って、あれ? こんな朝早くに一体誰だろう?」
今日はどんな料理を作ろうかと考えていると唐突に俺の部屋のチャイムが鳴りだした。
俺が住んでいるここは学生向けのアパートなんだけど、ちゃんと一階にエントランスがあって知らない人は勝手には入れないようになっている。セキュリティがしっかりとしている学生向けのアパートなんだ。
という事で俺の部屋のチャイムが鳴ったという事は一階のエントランスに誰かお客さんが来たという事だ。まぁ普通に考えたら宅急便の人だと思うけど。
という事で俺は早速部屋に設置されているインターホンを確認して一階のお客さんと通話を始めていった。
「はい、どちら様ですか? 宅急便ですか?」
『あ、沢城君。私よ私。四条瑠香よ』
「え……って、え!? し、四条さんなのっ!?」
と思ったらやって来たお客さんは宅急便ではなく元サークルで一緒に過ごしてきた友人の四条瑠香さんだった。俺は四条さんがやって来るなんて想像もしてなかったのでかなりビックリとしてしまった。
「え、えっと、こんな朝早くにどうしたの四条さん?」
『それはこっちのセリフよ。沢城君はあんなにもサークルが大好きだったのに、それなのに唐突にサークルを辞めたって聞かされて……でもそんなの絶対におかしいと思って居ても立っても居られなくて、沢城君に何があったのか詳しい話が聞きたいと思って来たのよ。だからこんな朝早くに申し訳ないのだけど、ちょっとだけ部屋に入れて貰えないかしら……?』
どうやら四条さんは友人として俺がサークルを辞めた事を心配してくれて、俺の住んでいるアパートにまで駆けつけてきてくれたようだ。
(あぁ、良かった……サークルメンバー全員から嫌われてたわけではないんだな)
俺はその事実がわかって少しだけホッと安堵していった。だって四条さんとは大学一年の頃からの友達だし、そんな四条さんにも嫌われてたら物凄くショックだと思ってたからさ。
それに四条さんは本当にとても真面目で優しい女性だから、きっと俺が好きだったサークルを唐突に辞めてしまった事を本気で心配してくれたんだろうな。本当に四条さんは優しい女性だよなぁ。
(うーん、でも流石に男が一人暮らしをしてるアパートの部屋に女の子を招き入れるのはあんまり良くないような気もするんだけどなぁ……)
まぁ確かに四条さんとは大学一年からの友人ではあるんだけど、でも流石に彼氏でもない男の部屋にブラっと立ち寄らせてしまうのは倫理的にもあんまり良くない気が――。
『……くしゅん』
「……って、え? どうしたの四条さん?」
『あ、ごめん。ちょっと今日は外が肌寒くてね……もう5月だっていうのにまた何だか寒くなってきたよね。くしゅん……』
「あ、そうだったんだ! ごめん、それじゃあ今すぐに開けるよ! とりあえず俺の部屋の中に入ってゆっくりと暖っていってよ!」
『うん、ありがとう、沢城君………ふふ……』
という事で俺はエントランスの自動ドアの鍵を開けていった。すると四条さんは俺に感謝の言葉を言ってからアパートの中へと入って行った。
(……ん? でも何だか最後ちょっとだけ変じゃなかったか?)
何だかエントランスのドアの鍵を開けた時に普段の四条さんなら絶対にやらないような嬌声が聞こえてきた気がするんだけど……うーん、まぁ気のせいかな。
(いやそんな事を考えてる場合じゃないよな! それよりも早く四条さんを温める準備をしていかなきゃだ!)
付き合っていない女性と密室で二人きりになってしまう状況になるのはあまり良くない事なのはわかっているけど、でも俺が部屋に入れるのを渋ったせいで四条さんが風邪を引いたりしてしまったら本当に申し訳ないもんな。
という事で俺は四条さんが俺の住んでる部屋にやって来るまでに温かい紅茶を入れてあげる事にした。
そしてそれから数分後。
―― ぴんぽーん♪
俺が紅茶の準備をちょうど終えた頃に俺のアパートの部屋を鳴らす呼び鈴が鳴った。
俺はすぐに玄関に向かって部屋の鍵を開けてそのままガチャっと開けていった。するとそこにはもちろん……。
「こんにちは、沢城君」
「うん、こんにちは、四条さん」
するとそこにはスラっとしたモデルのような綺麗な女性が凛とした恰好で立っていた。この綺麗な女性が四条瑠香さんだ。俺が一年生の頃からの友人でもあり、元サークルで一緒に活動していたメンバーでもある。
「外は寒かったんでしょ。とりあえず中に入ってよ」
「うん、本当にありがとう。沢城君はいつも優しいわね」
「いやいや、俺は全然普通だよ。あ、そうだ。ちょうど紅茶が入った所だから良かったらそれを飲んで少し暖っていってね」
「え、本当? ふふ、それは嬉しいわね。本当にありがとう、沢城君」
そう言って四条さんはニコっと笑みを浮かべながら俺の部屋に入ってきた。
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