第9話 それぞれの試乗
陽目視点
(うわ~、これはすごいですね〜)
陽目は、いつもの様なのんびりした様子ではなく、真剣な眼差しで車を走らせる。
(WRXstiと言いましたか〜、今まで乗っていた車より遥かに力強い車です〜)
それもそのはず、何せ今まで陽目が乗っていたのは、アルファロメオの159jtsは200PSに届かない出力しか無いが、現在乗っているWRXstiは300PSオーバーと性能がまるで違うのだ。
(これは他の車、主に隠している高い車というのが気になりますねー)
陽目は隠された車に強い興味を持ちながら、車を走らせるのだった。
与瀬視点
「オッホー!すごいッス!」
与瀬はシビックタイプRに乗りながら官能的なサウンドを堪能していた。
「よく分からないッスけど、このンバァァァァって音最高に気持ち良いッス!」
与瀬は当然VTECなど知らないがホンダの技術力は世界を跨ぎ異世界でも人を魅了するのだった。
「パワーもすごいッス!次に買い替える時は絶対この車にするッス!」
VTECの官能的なサウンドと300PSオーバーの走りは与瀬に購入を決意させるのだった。
根之木視点
(ちょっと失敗だったかも)
根之木は少し後悔していた。
(ステアリングが少し重い、コーナリングの時に車体が不安定になる)
細身で筋力があまり無い根之木には元々重めのステアリングが負担になっていた。
しかし、コーナリング時の車体が不安定になる事については、根之木の巧みな運転技術により初めて運転するにしてはそこそこの安定感を保っていた。
(でも、面白い車)
根之木はs2000を気に入っていた、今までにない車というのが大半だが要求される技術が高い事が根之木の琴線に触れたのだ。
(もっと楽しもう)
根之木は普段ではありえないほど上機嫌に試乗を続けるのだった。
柿野視点
「うーん、この車もすごく良い車なのは分かるけど、このパワーは持て余すかなぁ」
柿野は、ランサーエボリューションⅨに試乗しながらGR86と比較していた。
当然違いが有り過ぎる為大して比較にもならないが、やはり自分にはGR86しかないと改めて思うのだった。
「お、戻って来た」
俺は戻って来た4人の所へ歩いて行った。
「おかえり」
「只今戻りました〜」
「ただいまッス!」
「ん、戻った」
「戻りましたー」
みんな満足気な様子で戻って来たので、さぞ楽しいドライブになったのだろう
「どうだった?」
「わたしは〜気に入りましたよ〜、次に車を買う時は古島さんの所で買おうと思います〜」
「ウチもッス!とても気に入ったッス!絶対にこのシビックを買うッス!」
「私は、s2000以外も乗りたい」
「私はGR86が良すぎて他は考えられないかなぁ」
「そうかそうか、みんなウチの車を気に入ってくれたみたいで嬉しいよ」
それから、また車を見ていたが今日の所は時間も遅い為みんな帰って行った。
夜、店の中で一人で黄昏ているとふとある事を思いついた。
「今度来たら4人に相談してみるか?」
俺は思いついた事を忘れない様にメモに書いてから晩飯を食べるのだった。
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