第8話 これまで(柿野視点)


(やっぱり、すごいや!)

私は柿野麻子、少し前に友達から聞いた謎看板を興味本位で見に来たら得体の知れない中古車屋に辿り着いた大学生だ。

そこで私は店主の古島さんに紹介され、運命的な出会いを果たした。


(店主がまさか男性だとは思わなかったけど)

私は元々乗っていた車に不満を持っていた。

もちろん、普段使いの分には不満は無いが、レースをする内にパワー不足を感じていたのだ。


(まさかの一目惚れで解決しちゃった)

古島さんに紹介されたGR86を見た瞬間「私にはこの車しか無い!」と直感で思ったのだ。

説明を聞いて見たらまさに、自分が欲していた戦える車そのものだった事もあって即決してしまった。


(試乗とかしといた方が良かったかな)

と不安に思う部分もあったが、いざ乗り込んでみると、まるで以前にも乗った事があるかの様なフィット感、走り出しから感じるパワー、思い通りに動く足周り、と正にパーフェクトな車だったのだ!


(前のワンとはまるで違う!走るのがもっと楽しくなっていく!)

チームに入っているだけあり、私自身も車で走るのが好きだった。が、


(今まで以上に楽しい、もっとどこまでも走って行ける気がする!)

私は、そんな感覚に囚われる程GR86の虜になってしまった。


それから、他の3人にもこの感覚を感じて欲しいと思い、車の試乗をお願いした。


「でも、本当に素晴らしい車だと思うので、みんなに試乗してもらいたいんですが、古島さんダメですかね?」


「もちろんOKだよ!」

古島さんも笑顔で快諾してくれ、4人で車を選ぶ事になったのだった。


それから早4時間が経ち、周りから車を決めていく声が聞こえる様になった。


(古島さん疲れてる?)

どうやら、古島さんもたくさんの説明で疲れたらしく早く決めなければと思い目に付いた車を選んだ。


(みんなも決まってるみたいだし、早速行こう!)


いざ!というところで古島さんと陽目ちゃんの話が聞こえてきた。


「それより〜ここにある分しか車は無いんですか〜?」


「あるよ、だけど見せられないんだ」

私はその言葉を聞いて更に興奮していた。


(まだ見せてもらってない車がある!?) 

古島さんに見せてもらえないか頼みに行こうとしたその時


「おいおい、時間は良いのか?もう19時だぞ」

古島さんから衝撃の言葉を告げられる。


(嘘!もうそんな時間だったの)

私は急いで試乗するランサーエボリューションⅨに乗り込むと既にみんな出発していた。


「みんな待ってよ~!」

私も慌てて出発した。


「自己るなよー」

という、背後から聞こえる古島さんの声を聞きながら。




あとがき

今まで、あとがきを書いていませんでしたが、ありがたい事にコメントをいただいていた為、お礼の言葉を書かせていただきます。

ありがとうございます!

私の作品を読んでいただき感謝感激であります!

これからも頑張って書いていくので応援の程よろしくお願い致します!

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