~転校してきた美少女とよく話す俺。興味はないが彼女の方からグイグイくるんだが!?~

冬咲 雪(ふゆさき ゆき)

第1話 ~転校してきた美少女とよく話す俺。興味はないが彼女の方からグイグイくるんだが!?~#1

俺が小さい頃、仲の良かった女の子がいた。けれどその女の子は急遽家の用事で引っ越しをした。名前とかは覚えていないが今でもその女の子のとこが気になっている。

「はぁ~...。また会いたいな・・・」

そんなことを口にする

「今頃はどこで何をしてるのかな」

急に引っ越したせいでお別れの挨拶もどこに引っ越すのかも聞いてないから手紙を送ることも、家に尋ねることもできない。

「さて。そろそろ学園に向かう時間だな」

そうして、俺は家を出た


~転校してきた美少女とよく話す俺。興味はないが彼女の方からグイグイくるんだが!?~


初めて彼女を知ったときは「へぇ~」とか「綺麗な名前だな」とかぐらいにしか思っていなかった。けど、初めて彼女と隣の席になり話し始めた。

彼女と俺の始めて交わした言葉は

「初めまして、これからよろしくお願いしますね。暁くん」

「・・・よろしく」

「もう、元気がありませんね。朝はもっとシャキッとしてください」

「そうかい。俺の自由にさせてくれ」

そんな会話から始まった。


~転校してきた美少女とよく話す俺。興味はないが彼女の方からグイグイくるんだが!?~


「今日から転校生が来るからみんな仲良くするように!」

そんな先生の一言でいつもの平穏なHRが崩れた。

「どんな子だ!?」

「もちろんかっこいい男でしょ」

「いや、可愛い子だろ」

みんながそんなこと言っている中

「それじゃぁ、入っておいで~」

ガラガラガラ

「「うぉぉぉぉぉ!!!!」」

周りの男どもが叫びだした。つまりそういうことなのだろう。女だったのだ。

「朝倉さん自己紹介をしてくれる?」

「はい。皆さん初めまして。この度桜木学園に転入することとなった朝倉 彩菜です。よろしくお願いします」

最後に礼をした。仕草の一つ一つが上品で綺麗だった。

(でも、俺はこれからかかわらないだろうな)

最初はそう思っていたが・・・

「では、朝倉さんはん~...そうね~じゃぁ暁くんの隣の席で。」

「え?」

「はい。わかりました」

「それじゃ、暁くん。朝倉さんにいろいろ教えてあげてね」

「・・・俺に拒否権は?」

「それじゃぁHRを終わります」

そして俺の言葉が伝わらないまんま終わった。


~転校してきた美少女とよく話す俺。興味はないが彼女の方からグイグイくるんだが!?~


先生から拒否権無しで転校生の世話を任せれるのははっきり言ってやめてほしい。

ガラガラガラ

「お前ら~、席に付け。授業を始めるぞ」

「暁くん」

「・・・どうした?」

「教科書がないので見せてくれませんか?」

「あぁ、わかった」

そう言って教科書を彼女の方へと見やすいように向ける。

「それだと暁くんが見えずらいと思いますのでもっと近くに来てください」

「ほらもっと」っと言いながら向こうからも距離を詰めてくる。

「距離近くないかな?」

「そんなことないと思いますよ」

「そういうのやめておけ。男どもが勘違いしそうだからな」

「暁くんは勘違いしないんですか?」

「俺は別に朝倉さんのことはきれいだとは思う。」

「・・・暁くんこそそういうことは女の子にあまり言わない方がいいですよ」

「なんでさ」

「...それより、席もお隣ですし苗字呼びではなく名前で呼びましょう」

「そうか、わかったよ」

「改めてよろしくお願いしますね。凪くん」

「よろしく、彩菜さん」

「もう、さん付けもしなくていいのに」

「されはおいおいということで」

そうして授業へと戻った

キーンコーンカーンコーン

「これで授業を終わる」

「「ありがとうございました~」」

それからも朝倉...じゃなかった、彩菜さんが各授業ごとにくっついてきたのだった。

キーンコーンカーンコーン

「凪くん、お昼になりましたよ」

「そうだな」

「学園の中を案内してくれますか?」

「他のやつに頼んだらいいだろ」

「先生は凪くんに私のお世話を頼みましたよ?」

「・・・わかったよ」

「本当ですか!やった~!」

「なんでそんなに喜ぶんだよ」

「少しでも長く凪くんと一緒に居たい思ってたのでそれがかなったからです!」

そう元気に言う彩菜さんを横目に、さっさと終わらせたかったので

「彩菜さん早く行こう」

「もう、強引ですね...。でも、そんなところも...」

「なんか言ったか?」

「い...いえ!早く行きましょう!」

「そうか」

(危ないところでした。まだ、まだこの気持ちは伝えたらダメです。凪くんが気づくまで...。)

「早くしろ~。時間が無くなる」

「は、は~い!今行きます!」


彩菜さんに学園内の案内をすることになったが俺もそんなに学園のこと知らないんだよな。

学園内を歩き回らないから、どこに何があるかが把握できてない。

(まぁ~体育館と、カフェテリア、各教室ぐらいでいいか)

「やっぱり実際に見てみると綺麗ですね」

「そうか?」

「はい。写真などでは学園の中や外観を見てたのですが実際に目の前にするとすごいです...!!」

そんなことを話しながら歩いていくと。

「見ろよ。あの人が今日転校してきた美少女だ」

「まじじゃん!かわいいなぁ~」

「あの美少女の隣を歩いてるやつ誰だ?」

「さぁ~?なんであんな陰キャそうなやつが」


(せめて俺が聞こえないところで言ってくれよな)

めちゃめちゃ聞こえる声の大きさで話しているせいで、俺にも聞こえてしまった。

(俺だって思ってるよ。なんで俺がこいつの世話をしなくちゃならないんだって)

「どうしたんですか?」

「いや。何でもない」

「もう...。相変わらず冷たいですね」

そう言って、体育館、各教室の案内が終わり最後にカフェテリアへと行くことになった


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