循環器

林騎兵

循環器

僕がこの消火器に見惚れているようにスケートをしている子どもたち


配られたカードについては内密に ハートのフラッシュは 内密に


本物の金魚の水は濁るから二度とないチャンスを逃すかも


泣きながらてのひらを手術したことがあるのに意外と思い出さない


もうちょっとで終わりますよの顔をして終わらなかった大道芸 こんばんは


引っ越しをすればするほど道とかに詳しくなってくるピエロかな


なんかあんまりよくない気がして飛び起きてデッドスペースにすごい目がいく


遊水池 どこかのこころが破れてもほかのこころにそそげる装置


友だちにうつる方言 レントゲン写真みせられて欲しくなる


悪口を言われるとしたらどこだろう 日没後どうしてもねむかった


友だちの車のなかに蜘蛛がいてフロントガラスには触れる指


高速は高速道路のことでまた映したくないものも映るよ


展開がわかりきっても止まらない合わせ鏡にうっすら笑う


ここにいてこの大きさでみえるなら標識が受けている強い風


でかい絵が飾られてるからサイゼリヤ 慈善活動に興味アリ


夕方の電車がみんなの重心を同時にすこしずつ下げて進む


いくつもできる取捨選択にカーテンは有意義にかかってる気がする


くしゃくしゃにしたストローの袋に水をたらすと生きているみたいに生きてよか


問題にしなくてもいずれ ・カルーセル ・メリーゴーラウンド ・回転木馬


雨の中あるきだしたらつまさきからぐじゅぐじゅになって血はまだ巡る

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

循環器 林騎兵 @kihei

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画