第2話 入学式から一ヶ月経った後、、、
さて、五月にどうやら入った。今月は中間考査がある。
そんな忙しそうな五月だが、相変わらず菜々緒が僕にかまってくる。こんな感じにね。
「ねぇ、釘田くん、わからないんだけど、教えて」
「え、えとごめん今日は塾あるから急いで帰る」
正直距離感が近いのでは?と疑うぐらい結構グイグイ来ている。正直一人にして欲しい。え?なんでかって?小説を読むのが邪魔じゃないか。僕の趣味を邪魔ばっかりしてずっとキレている。ちょっと前に理由を聞いてみたら
「うーん、鈍感野郎には教えない」
って言ってはぐらかされた。僕って鈍感なのかねぇ。。。
さて、もういい加減趣味の邪魔をするなら、休み時間トイレとか階段で読書をしようかなぁ、、、って思って実行に移したら、なんか菜々緒が僕についてきている、、、なんでほっといてくれないんだよー。
「ばれているよ」
「知っている、だって釘田くんのことが好きだもん」
後半の方が聞こえなかったが、まぁ、いい加減僕から離れて欲しいんだよね。しかも菜々緒がある程度美人のせいで他の男子から妬みの目線を結構剥けてくるんだよね、、、かなり気まずいし恥ずかしい。。。これがほぼ毎日続いている。。。
さて、中間考査がおわったあとの帰り道での話。
「ねぇ、やめてくださいよ」
菜々緒がナンパをされているところを見つけた。なんか関わるとめんどくさいからほっとこうと思ったら、体が勝手に動いていた。
「すいません、ナンパはやめた方がいいですよ。」
「あぁん、ぶっ飛ばすぞゴルァ」
「これ以上本人の嫌がることをし続けるのであれば、警察を呼びますけどいいですか」
「ちっ」
ナンパ野郎がどうやら諦めて去っていったようだ。
「菜々緒、自分の身は自分で守れ、ダサくしたりとかして工夫しろ」
「う、うん、助けてくれてありがとうね」
「気にするな」
僕もあとから思ったのだが、なんでスルーを決め込んだのに助けようと思ったんだろう、、、まぁ多分だが彼女に対して関わってくれたことに対して少しは感謝しているんだなと個人的に思っている。
「ねぇ、連絡先交換しない?」
「なんで交換する必要がある?」
「だって、釘田くんと学校がない時とかに電話をしてゆっくりと喋りたいから、、、」
「必要性を感じないから断る」
「ね、お願い、釘田くんとおしゃべりしたいからお願い交換して?」
なんか断ったのに上目遣いで今度はねだってきた。うーん、可愛すぎて断りづらくなった。
「わかったよ、どうぞ」
「わー、ありがとう嬉しい」
人と連絡先を交換して本当に何になるんだ、、、?正直喋る相手だけならどこにでもいるのになんで僕とそんなにしゃべりたいんだろう、、、?そう疑問に思いながら別れた。
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