1.地形を作ろう
意気揚々と地形づくりを志したものの本来地形は偶然の産物。そこに人間の意志などなく、人はただ受動的に地形を利用するのみです。もちろん現代科学は世界の解明、というよりは自然の制御、にこだわっているようにも見えますが…。
つまり何がいいたいかと言うと、地形なんてなんでもいいんですよ。たとえなにもない平野に3000m級の岩石でできた壁が数十kmに渡って存在したとしても、それをどうこう言える人はいませんからね。
しかしここは創作の世界。すべての地形には人間本位の意図が隠れているものです。地形は農業、産業の進退を左右し、人々を分断する…。ときには堅牢な要塞が並びたち、ときには運河建設のために数十万人が動員される。人間がそれらをやりそうな地形を作りましょう。つまるところ、要塞を立てたら強そうな高地や河川があり、ここに運河を建設してくださいと言わんばかりに2つの大河が接近する平野を作る、ということです。
さて、ここで将来私自身が「こういう世界観で物語を作れたらな」と感じる要素をいくつか挙げてみます。
・周辺諸国の食を支える大穀倉地帯
・どこまでも続く草原
・急峻な山地と豊かな森林
・自然に囲まれた湖畔の村
・船の行き交う大河
・湾全体が一つの港になっているような港湾地
また、気侯に関しても大雑把に言うと以下の通り。
・始まりの舞台となる温帯気候
・針葉樹林や雪原などの寒冷気候
・砂漠の広がる乾燥気候
・海洋性、大陸性両方ほしい
こんなところでしょうか。
それでは、これに合わせて地形を作っていこうと思います。
初めての試みなので、今回は地球と同条件の惑星、人間は地球の現生人類と同じ生物に設定し、さながら「大陸の形だけが違う地球」のように扱います。
とりあえず、乾燥地から寒冷地まで作りたいので、南北に長い大陸にしてみましょうか。文明に育てもらわなければ困るので、地球のヨーロッパ西岸にやってくる北大西洋海流に倣って大陸の西側にも暖流を流しておきましょう。これで偏西風が温かい風を内陸まで送ってくれるので、内陸部でも元気に文明が作れそうです。
手元に世界地図がある方はそれも見てもらったほうがわかりやすいかもしれません。ひとまず北緯35度〜北緯65度まである大陸を用意しました。砂漠気候は一旦置いておきます。ヨーロッパ周辺で言うと、南はエジプトのカイロから北はフィンランド中部です。サンタクロース村のあるロヴァニエミが北緯66度なので、それくらい。もしかするとアイスランドのレイキャビク辺り、といったほうが分かる方もいますかね?オーロラが見えてほしかったので、ちょっと高緯度まで伸ばしました。
東西の長さは適当です。なんなら東方は未開拓ということで。
さてその東方(いわゆるアラブ、アジア風味というわけでなく、単に東の方のことです)ですが、この先は文化が違うぞ!と言わんばかりに山脈を作ります。この山脈にはもう一つ狙いがあります。
穀倉地帯です。
今、手元のメモ帳に地図を書きながら執筆していますが、この地図を見るとだいぶん東側に趣味でポン付けしたビッグな湾があります。適当に付け足したものの目測北緯30度から45度くらいまで、実に大陸を立てに引き裂かんとするサイズです。
個人的にイメージしていた穀倉地帯は、ウクライナのチェルノーゼムです。チェルノーゼムのような乾燥した草原を求めているのです。しかしその手前に海があっては、北緯35度あたりから内海に入り込んできた生暖かい風が偏西風に吹かれて大陸全土が湿潤になりかねません。
というわけで、簡単に言うと湿った風ブロッカー!!の役割として山脈に来ていただきました。山より東は草原です。
あと特筆すべきは河川でしょうか。先程ポン付けした海から西岸にかけて2つの大河をドナウ川とライン川のようにに近づけてあげます。なんとなく見た目が悪いので西に行くに連れ高緯度に流れるようにしてみます。そして大陸ほぼ中央に分水嶺、つまり水の湧きどころとなる中途半端な山地を作りましょう。この2つの大河を境に、大陸は南北に分けられましたね。
北方はたしかに寒いですが、なにもない平野のままだと暖流と偏西風のせいでぬるくなってしまいますね。特別に本物の寒さを用意してあげます。大陸の西側に山脈を作って風をブロックしました。東方の山脈と同じ方式です。これで寒さに凍えながら生死の狭間を彷徨うストーリーが作れますね。はたして次に目が冷めたときに見えるのはオーロラか、はたまたあの世の扉か…。
これで主要な地形が完成しました。大陸の西側は大河を境に南が豊かな自然の広がる南部、以北は厳しい寒さが降り積もる北部、東方の山脈を挟んだ向こう側は乾燥した草原地帯です。大陸にも多様さが現れましたね。その他の細かい地形は要所要素で付け足していこうと思います。
大陸の地図を近況ノートなんかに載せられるといいですね。気が向いたら貼り付けておきます。
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