第16話 果実



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「メロン昼飯行くぞ」

「私大丈夫です」

「ん?お前何食ってんだ」

レインとメロン


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「キウイか」

「はい、一応ダイエット」

「ダイエット?」

「キウイ2個。ゴールドとグリーン」

「お前痩せすぎだぞ」

「セクハラだわ。ちょっとお腹回りが」

「お前、俺の腹見てみろ」

「ハラハラです」

「うまいか」

「おいしいですよ。キウイは栄養素が豊富なんです。ビタミン類にカリウム、鉄、食物繊維。フルーツでクロロフィルも摂れるです」

「なんだクロロフィル?」

「葉酸ですね。抗菌、デトックス、コレステロール調整。ビタミンの酸化抑制効果もあります」

「ふーん。キウイなんてしばらく食べてないな」

「レイン課長代理も健康気にした方がいいですよ。健康診断どうだったんです?」

「真っ赤っ赤だ。痛風の一歩手前だ。呑み行くか?」

「はあ」

「お前、甜瓜くえよ」

「メロン」


・・・・


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ミナアは役員会議で

あるプロジェクトを提案した

シュンの発案だった


フルーツが食べられる文房具店


フルーツの食べ放題だ。

満腹時の消化活動または一息つきたい時に、文房具を見るくらいの運動が適するというのだ。

あまり重くなりすぎないフルーツと気軽に鑑賞できる文房具の組合せは最適だ、という。


エンタメ的に

別室に軽い書道スペースを設ける。

食後の筆だ。


◯お腹いっぱい◯


🍓苺🍌甘焦🍊蜜柑🍐梨🍑桃🍋檸檬🍏林檎🍍鳳梨🍒桜桃🍇巨峰

🍉果物🍉


◯満腹◯


🥝彌猴桃🥝


🍈甜瓜🍈


楽しい筈だ


・・・・


役員の反応は、案の定冷ややかだった


ミナアは力説した


既に

社員のメロンが担当のミコル商事に相談を持ち掛けていた。ミコル商事は文具だけでなく多岐に渡り事業の幅を広げていた。小規模の実験的店舗を出店することも可能との返答を受けていた。

ミコル商事が主導する


シュンとメロンの提案と営業を無駄にできない

ミナア課長は黙りこくる役員を前に声を張り上げた


保留


なんらかの指示が2週間以内、7/25までに出るという


・・・・


午前を少しはみ出した役員会議が終了し、

ミナアの苦い顔が本社営業部2課の事務所に戻ると、甘い匂いが鼻を刺した


シュンがメロンを

食べていた


甜瓜はしかめ顔で食べられていた


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