第15話 ノメク

ハミルカンパニー15


FullSizeRender


七夕月初旬の照りつける暑さにコンクリート


本社営業部2課の面々は共に昼食に出た


全員で昼食をとるのは稀で

年に4,5回のちょっとした行事だ

午後から会議がある日にこのイベントは発生することが多かった


課長ミナア

課長代理レイン

係長ノメク

係長チャリル

契約社員メロン

一般社員シュン


女子社員ノメクは今日もノーメイクだ

ファンデーションやリップは使わず

眉を整えるくらい

だが、童顔で桜色の肌をしたそのフェイスは可愛いらしく若々しい34歳だった


FullSizeRender


パープル系の色合いを好むノメクは白に紫のストライプが入ったブラウスを着ていた


「ノメクさん」

「メロン」

「お腹空きましたね」

「私、11時くらいになると元気なくなってしまうのよね」

「私、逆です。11時くらいから目が覚めてくるって感じです」

「本当?羨ましい」

レインが食い込む

「俺は夕方が絶好調だな。飲み行くか?」


朝顔、昼顔、夕顔の花々が見頃をアピールし合う


夜顔にはある習慣があった

会議のあった日はある行動パターンをとる

溜まったストレスを解放させるためだ


・・・


ようこそ

キャバHへ


FullSizeRender

「マミアちゃん

久しぶり」

「やーミナア課長

来てくれたんだ!

嬉しい!」

ミナアがシュンに尋ねる

「お前は?」

少し遅れて店長のハツトが歩み寄り

指名について"若いのに"確認した

「本日の指名はどうされますか」

シュンは少しモシモジした


今夜も夜の顔達がそれぞれの品種で、

フロアを百花繚乱させた


シュンははっきりと発声した

「メルメちゃんで」


FullSizeRender

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る