第2話
いろいろな意味で俺は不器用だ。
それは自覚してる。
だけど、周りはそんなこと気が付きもしないで、俺に言う。
「
それって結局は使い勝手がいいってだけか?と、自問自答しながら、愛想笑いを浮かべてしまう。
人がいいから。
優しいから。
真面目で、信頼のおける…素敵な筒井さん。
今度の仕事のチーフになった俺は、今じゃ精鋭5名の部下もいる。
その部下に今度新しく横浜支店から異動になった奴が入ってくることになった。
どうやら、部長のお気に入りのようで、彼を本社へ引き抜いたのも部長らしい。
「おはようございます、今度こちらの部署へ配属になった
そう言って頭を下げた男は、背が低く色白で、しゃきしゃきと挨拶をした。
「筒井です。チームの一員になった一宮君を歓迎します。」
そう笑顔でいう俺に対して一宮は何故か下を向いてわずかに笑った。
「えっと…、」
「え?あ…はい。あ、っと、俺のデスク、あそこですか?」
話は簡単にすり替わり、彼は自分の席についた。
なんだか、ちょっと馬鹿にされてる?
掴めない奴だと思いながら、仕事ができればそれでいいか…と思いなおし俺はチーフミーティングのために会議室へと向かった。
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