星空にあこがれて

学生初心者@NIT所属

さあ、天文学を知ろう

 とても幼かった時。


 今となってはそこがどこだったかも覚えてはいない。


 そんな場所の星空はとても美しく輝いていて、引き込まれてしまいそうなほどの魅力があった。


 そんなときに、母は、優しく語り掛けるように


「星空には夢や未来が集まってるのよ。」


 そう言った。


 それ以降、僕は魅了されたようにずっとずっと天文学について調べ、学び、様々な体験をしながら高校生となった今、廃部寸前の天文部に入部し、ゆったりまったりとしながらさまざまなことを学んでいた。

 この伝統ある部活で行ってきた活動からより多くの生徒が興味が湧くようなことや今までに見たことがないような考察に出会うことがあった。

 顧問の先生と話し合うことも楽しかった。年を重ねているからこその豊富な知識から出てくる考えは定期的に俺を驚かせてくれる。

 しかし、部員が増えることもなく部長を引き継ぐことになってしまった。



~~~~~



「はー。まずいなぁ~。」

 先輩たちも引退し卒業までしてしまった。ついに一人となった。

 とは言え、まだ高2だ。来年度は入部が誰もいなかったら廃部になってしまう。今年度からはいろいろな活動をしていきたい。せっかくいろいろな道具があるのだから。

 ふと見ると様々な望遠鏡がある。かなり昔の歴史あるものからかなり最新の望遠鏡まで。これを失うのはもったいない。

 何かをしないといけないな。そんな思いは湧いていた。しかし、何をしたらいいかが浮かばなかった。

 そんなことを思いながら今日も今日で天文学について探求している。今はちょっとした論文を書いている途中だ。個人的に大学に通って調べたデータを使って様々な計算を行っている。


 しっかり評価されてるし、なんの実績もないというわけではない。

 天文学が好きならば絶対に意味がある部活だと思う。


 でも、やっぱり天文学に興味がある奴なんて全然いないんだろうな。

 情報システムが発達している現代。宇宙に興味がある奴のほうが少ないか。


 そんな日々を繰り返し、また、レポートを書き終えたくらいのタイミングに顧問がやってきた。


「唐崎さん、天文部の部員を集めるような何かイベントをしてみない?」


 そう言われた。実際、もう6月で本格的な夏も近くなっているからこその提案だったのだろう。

 そうして考え始めたのは、天体観測だ。

 本来は、天体観測は乾燥している冬のほうが向いているのだが、夏休みがある以上、仕方ないものだ。

 あと、七夕が悪い。


 レポートを教授に送り、返信を待ちながらも、イベントの計画を徐々に立てていた。

 とはいえ、夜遅くからイベントを実施するのはよくない。

 でも、望遠鏡は使いたい。意地でも通してもらうしかないな。


 そうやって、準備を着々と進めていき、夏休み中の1日に開催することとなった。


 そのひと時には、多くの人が集まり、特に年下の子供たちにいい思い出となっただろう。

 そんな彼らが少しでも星に興味を持ち、天文部に入ることを祈ろう。

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