原作がああいう筋なら、バリエーションとしてはこれも当然あり得る形ですね。
単純なバッドエンドで飽き足らず、多重夢展開、さらに"真実は藪の中"オチへと。その不確定なオチすら、苦労続きの半生を振り返っての軽い自嘲レベルなのか(つまり、落としたり刺したり、というのはあくまで悪夢の思い出)、心底頭がおかしくなってる状態での回想なのか、判然としない、というカオスな語りっぷりが奮っています。
最後のエピソードだけ何十年か飛んだ形になっているのは、あるいはその年まで何度となく夢の中で息子や夫を殺してきた、ということを暗に仄めかしているのかな、とも思いました。
作者からの返信
ありがとうございます。
これ、いつもなんですけど、湾多さんにコメントを頂くと、なんというか自分の書いた物の輪郭がはっきりしてくる気がします。
自分で書いておきながら変な言い方なんですけど。
この話は、『この企画だと、原作をぶっ壊すには遠慮があるだろうな』と考えたのがきっかけなんですが、書いているうちに自分の中にある何か変な感情を、勢いに任せてエピソード化してしまった感じです。
結局、どういうモノが書きたかったのか?
そこんところが自分でもよくわからないw
ですが、湾多さんのコメントで、ああそうなんだ、と。
薄ぼんやりした、滲みまくった水彩画に枠線を入れてもらって、描いた本人が初めて『ああ、リンゴの絵だったんだあ』と解るような。
本当にいつも感謝の気持ちでいっぱいです。
ごく普通の幸福そうな家庭の中にある、息苦しさ。嘆くにしてもみんな通ってきた道だから、もっと大変な人はいるからと、押し込めてしまうような。
そういうのがたくさん詰まっていて、じんわりしんどいお話でしたw
あからさまな形ではない「殺意」(たとえば衝動殺人や未必の故意、魔が差しての凶行など)がさらりとこんなにたくさん詰められていて、おお、すげえ、と思いました。
薄皮一枚で隔てられて、かろうじて我々はいまの世界を生きている——なんて、ね。
作者からの返信
暗ーい展開の話を梅雨時にすみませんw
先日、職場で昔の子育ての思い出話が出て、
私らだって、ちょっと間違えばヤバかったよね、と。
いつもおおらかで、育児ノイローゼなんて無縁に見えた人がそう言うので驚きました。
昔はワンオペが普通でしたからね。
いずれ、昔は男の人って育休取りにくかったらしいよ、なんて笑う日が来るかもですねw